発売当初から「うっとおしい」だの「邪魔しかしない」だの「ブ○」だの「タイラントの方がかわいい」だのと、さんざん言われているワールドの受付嬢ですが、私はこの傾向について非常によろしくないと感じています。

　そもそもなんでこんな話になったのかと元ただせばおそらく「ストーリーの中でいらねぇことばっかりして神経逆なでしている描写が多い」だとは思います。やれイビルジョーにつかまりやれアイテムを漁り、余計な事しかしないとみられていますが、私からすればそれは「ストーリー上のアクセント」の一言で片付きます。ムービーを見ていて一度もイラっとしたことはありませんし、容姿についても何も思いません。むしろ好きですしね、4000時間近くプレイして散々見てきましたけど飽きません。完全に「美人は3日で飽きる」の逆です（私が変わり者なだけかもしれませんが）
　てか、そもそもゲーム内のキャラクターにそこまでイラつけるってよっぽどなんですねって言いたいです。むしろ今までシリーズの受付嬢に過剰なまでの偏った愛情を注いでいた一部変態がヘイトを向けているだけのではと思っています。狩ることがメインのモンハンですからストーリーにそこまで重きを置いていない人が多いのはわかります。過去作よりもストーリー性が高いのは事実だと思います。そうであるがゆえ表に出すぎた（出しゃばりすぎた）受付嬢にストレスを感じた人が多いのかもしれません。では仮に受付嬢が最近の流行と言わんばかりのゴリゴリの萌えキャラだったらどうですか。それのがいいに決まってんだろっていう人が圧倒的に多いでしょう。可愛ければ少々ドジやっても「許す！」って人は多いでしょう。それこそルッキズム絶対主義のゲームになってしまいます。しかし今回のモンハンにおいてそれをやらなかったことは私個人の見解としては非常に素晴らしい選択だったと思います。
　

　基本的にゲームやアニメに関してはルッキズムが何よりも優先されます。かっこいいキャラかわいいキャラ、それがあってナンボくらいの業界ですから、まぁ基本的に不細工やブスのキャラクターは少ないです。ワールドがリアル寄りの世界観だったので今回のようなグラフィックのキャラが生まれたというのは非常に納得がいきます。受付嬢も「可愛すぎず可愛くなさすぎず」という、言ってしまえば非常にリアリティのある容姿だと感じます。そうしたカプコンに私は敬意を表したいです。今回の受付嬢ヘイトはそういったところに毒された層が声高になったせいで、その後ゲームに入ってきた人たちがその声で「受付嬢は嫌なキャラ」というバイアスが働き形成されてしまったことが要因だと思います。

　ただそれだけの理由でワールドというゲーム内におけるイライラの矛先が全て向いてしまった受付嬢を不憫に思います。一緒にやっていた友人もことあるごとにそういった発言をするので、私は非常に不愉快でした。無言で抜けたこともあります。これが自室で一人でやっていて独り言で言う分にはまだいいんです、内心の自由ですから。ですがそれを配信などで堂々と言う人が多いもんだからタチが悪い。悪意なく言ってることがいつの間にかステレオタイプとして世間に浸透してしまい、誰からもそう思われてしまう。これがまだゲームのキャラクターだから百歩譲ってまだいいかもしれませんが、これが人間に向けられていたらと思うとぞっとします。事実SNSではこういったことが毎日のように発信されています。「あぁ、本当に未成熟な世界だな」とため息が出ます。次回作のワイルズに受付嬢がいるかどうかわかりませんが、私はできることならばそのままの流れを継いでほしいと願います。こういった偏見が世に何をもたらすかということを一人でも多くの人が気づいて改めてくれればと願います。