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【Dota2プロリーグ】Bali Major直前!TI出場確定チームと当落線上チームまとめ【DPC】

あんまり舞台裏を明かすものではないと思うのですが、このnoteを書き始めたその日が6月7日であることはここに記しておこうと思います。
というのも、その日の段階で既にタイトルには「Bali Major直前!」と入っていた、という事実を皆さんと共有しておきたいからです。
記事の公開が大会直前になることを2週間以上も前から見越しているなんて、すばらしい先見性ですね
皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

さて、「地域ごとのリーグ戦→世界大会メジャー」のサイクルを3回行い、世界最高のEスポーツ大会であるTIの出場枠を決定するDota2のプロリーグ、DPC。

2023年のシーズンもいよいよ終盤に入ってきました。
3回目のリーグ戦が先日終了し、いよいよTI招待枠の行方は2023年最後のメジャー、Bali Majorに託されることになります。
なお、DPCポイントで大幅にリードする5チームはこの大会の結果を待たずにTI出場が決まっています。

今年のTI開催地はかつて2012年から2017年にかけて、過去6回に渡り激闘の舞台となった聖地シアトル。

ある意味では原点回帰とも言える今年のTI。
既にアメリカ行きのチケットを手にした5チームと、
インドネシアで残り7枠を争う14チームの顔ぶれを見ていきましょう。


TI2023出場確定チーム

1. Team Liquid

リーグ戦(西ヨーロッパ地区):1位→1位→4位
リマメジャー:2位
ベルリンメジャー:2位

過去のTI最高成績:優勝(2017年)

現時点でポイントトップを走るのはTeam Liquid。
昨年TIを最後にMATUMBAMANが引退、NishaをMidに迎え入れて元々MidにいたmiCKeをキャリーへと配置転換。
今のところはこれが大当たりした形で早々にTI出場を確定させました。

一方で直近のリーグ戦では4位、先日行われた大型大会(DreamLeague)ではリーグ最下位と少し雲行きが怪しくなっています。
本番にはきっちりと間に合わせたいところ。

2. Gaimin Gladiators

リーグ戦(西ヨーロッパ地区):2位→3位→2位
リマメジャー:1位
ベルリンメジャー:1位

過去のTI最高成績:9-12位(2022年)

メジャー連続優勝、さらにはDreamLeagueも優勝という輝かしすぎる実績を引っ提げてGGがDPCポイントでは2位。
この成績でLiquidよりもポイント低いのおかしくないか…?

TI初出場だった昨年は2回戦敗退。
今年は優勝候補の最右翼としてシアトルに乗り込みます。

3. Evil Geniuses

リーグ戦(南アメリカ地区):2位→2位→1位
リマメジャー:5位タイ
ベルリンメジャー:4位

過去のTI最高成績:1位(2015年)

2015年のTI優勝も含め、長年北米地区で戦ってきたEGが今年から南アメリカのチームに転身。
以前から南米で結果を残していたThunder Awakenやbeastcoastのメンバーを集め、一気に南アメリカ最強の一角に上り詰めました。

TI2022では地域別に見ると西EU、中国の次に好成績を残した南米。
その旋風はまだ止みそうにありません。

4. Shopify Rebellion

リーグ戦(北アメリカ地区):2位→2位→1位
リマメジャー:4位
ベルリンメジャー:9位タイ

過去のTI最高成績:出場なし

北米を去ったEGに所属していたメンバーを中心に再結成されたチーム。
データ上はTI出場無しの新チームですが、いくらなんでもそう紹介するのは無理があるでしょう。

実績は十分、なんて言葉では片付けられないくらいには実績だらけの選手たちが揃っています。
そんな彼らでもこれまでは縁の無かったTI、今年こそは。

5. Tundra Esports

リーグ戦(西ヨーロッパ地区):3位→2位→1位
リマメジャー:9位タイ
ベルリンメジャー:5位タイ

過去のTI最高成績:優勝(2022年)

ディフェンディングチャンピオンのTundraが今年のTI出場も手にしました。

直近のリーグ戦では強豪ひしめく西ヨーロッパで圧巻のBO3全勝。
昨年からのメンバー変更はもちろん無し。
OG以来の2連覇なるか、は当然今年の注目ポイントの一つです。

TI2023出場未確定チーム

1. Talon Esports

リーグ戦(東南アジア地区):3位→1位→4位
リマメジャー:3位
ベルリンメジャー:7位タイ

過去のTI最高成績:17位タイ(2022年)

ここからは出場がまだ確定しておらず、バリでの最後のメジャーで出場権を争うチームの紹介です。

リマメジャーでの3位が記憶に新しいTalonですが、3回目のリーグ戦は最終週にBOOM、Execrationらを相手にあと1本が取り切れずに4位。
バリの出場権はなく、他チームの結果待ちになってしまいました。
とはいえここまでの貯金が大きく、TI出場の可能性は非常に高い状況です。

2. 9Pandas

リーグ戦(東ヨーロッパ地区):3位→1位→3位
リマメジャー:9位タイ
ベルリンメジャー:3位

過去のTI最高成績:17位タイ(2017年)
※HellRaisers名義での出場

ベルリンメジャーでの3位が効いていて東ヨーロッパでは最高順位の9Pandasがこの位置に。
今年の前半まではHellRaisersという名前で活動していたチームですが、大人の事情によりメンバーはそのままにチーム名変更。

調べてみたら意外なほどTIには出ていないチームでしたが、東ヨーロッパの大会では安定して好成績を残しています。
日本人としてはkiyotakaというプレイヤーネームを使っているミッドプレイヤーにも注目ですね。

3. Team Spirit

リーグ戦(東ヨーロッパ地区):2位→2位→1位
リマメジャー:7位タイ
ベルリンメジャー:9位タイ

過去のTI最高成績:優勝(2021年)

メジャーでは今のところ圧倒的な成績は残していないものの、地区リーグではかなりの安定感を誇るSpiritがこの位置。
メンバーは少し変わってはいますが、2年前の優勝はまだ記憶に新しいところ。
今年はどんな結末が待っているでしょうか。

4. beastcoast

リーグ戦(南アメリカ地区):1位→1位→2位
リマメジャー:9位タイ
ベルリンメジャー:13位タイ

過去のTI最高成績:7位タイ(2022年)

EGの参入により激変と言っていいレベルでメンバーの入れ替えが起こった南米地区ですが、昨年から引き続き安定感溢れる戦いぶりを見せているbeastcoastが現時点で4桁のDPCポイントを持つ最後のチーム。
12個ある招待枠の暫定9位ということで、大きな番狂わせが起きない限りはこの辺りまでは安全圏かなと個人的には思っています。

しかし今年のメジャーではあまり振るわない現状。
これをよしとするようなチームでもないでしょう。
シアトルは東海岸(East coast)ではなく西海岸ですが、バリでひと暴れしてからなだれ込みたいところ。

5. TSM

リーグ戦(北アメリカ地区):1位→1位→3位
リマメジャー:13位タイ
ベルリンメジャー:17位タイ

過去のTI最高成績:13位タイ(2021年)
※Team Undying名義での出場

EG、TSM、Quicy Crew(Soniq)の三つ巴でお馴染みの北米地区。
EGは先述した通りShopifyに生まれ変わりましたが、Soniqは事実上の解散。
今年現れた新たな三つ巴…の話は後の項目に譲るとして、TSMは引き続き北アメリカで高い地位をキープしています。

ただしメジャーでは決して存在感を示せているとは言い切れず、しかもバリメジャーへの出場権は落としている状況。
TIは何度も言っている通り久々のアメリカ開催ですが、その地元チームの出場権は他チームの結果次第です。

6. PSG.LGD

リーグ戦(中国地区):1位→2位→1位
リマメジャー:9位タイ
ベルリンメジャー:9位タイ

過去のTI最高成績:2位(2018年、2021年)

今年の中国は何かが違う(ただし悪い方向に)。

というわけで言わずと知れた中国最強チームですがまさかの全体11位。
地区リーグは相変わらずの成績ですが、メジャーで全くポイントを稼げずこの位置に甘んじています。

Ameを筆頭に超有力選手の引退など、最近は暗い話題が目立つこの地域(というか国)、このままだとメジャー枠削減もあるのでは…?なんて思ってしまいますね。
ぜひこのバリメジャーではそんな疑念を払拭するような活躍を見せて欲しいです。

7. BetBoom Team

リーグ戦(東ヨーロッパ地区):1位→3位→2位
リマメジャー:15位タイ
ベルリンメジャー:13位タイ

過去のTI最高成績:19位タイ(2022年)

ここが現在の当落線上、ランキング12位は東ヨーロッパ地区のBetBoomです。
このチームだけ名前の後ろにTeamって付くんですよねっていうDotaカルトクイズでも取り扱われないレベルの謎補足をしてみたり。

DPCポイントが得られる大会ではありませんが、今月行われた大型国際大会のDreamLeagueでは準優勝している、ノッているチームの一つです。
バリでもある程度の結果を残さないとTI行きを逃す可能性もありますが、この調子なら問題は無さそうです。

8. Execration

リーグ戦(東南アジア地区):1位→2位→3位
リマメジャー:15位タイ
ベルリンメジャー:15位タイ

過去のTI最高成績:13位タイ(2017年)

昨年日本で開催されたPredator Leagueでの準優勝を覚えているのはきっと私だけではないはず。

メジャーでは思うような結果を残せずにこの位置ですが、12位のBBとの差はわずかに20ポイント。
メジャーでポイントを得られるのは出場18チーム中8位からと、決して楽な道のりではありません。しかし逆に言えばここでポイントを得られればシアトルはぐっと近づいてきます。

9. Team Aster

リーグ戦(中国地区):2位→4位→3位
リマメジャー:7位タイ
ベルリンメジャー:7位タイ

過去のTI最高成績:4位(2022年)

今や中国2強の一角と言っても過言ではないでしょうTeam Asterですが、LGDと同様にポイントを稼ぎ切れていません。
ミッドプレイヤーXwy選手の脱退に伴うポイントペナルティも若干響いています。

ベルリンではそのXwyに代わりSumailを起用したことで話題になりました。
"King"の異名を持ちながら、ここ数年は都落ちもかくやという放浪っぷりを見せている彼の安住の地は中国なのか、注目が集まります。

10. nouns

リーグ戦(北アメリカ地区):3位→3位→2位
リマメジャー:参加権なし
ベルリンメジャー:参加権なし

過去のTI最高成績:出場なし

北アメリカ名物三つ巴(北アメリカ地区からのメジャー進出は2位以上)に昨年後半から参戦したチーム。
個人的にはポケモンUNITEでの活躍も印象的です。

今年も安定した成績は残していたものの、ここまで惜しくも出られなかったメジャーに最後の最後に手が届きました。
DPCは後半の方がポイントが上がるルールなので、8位以上でポイントを獲得できさえすれば、TI出場も決して夢物語ではありません。

11. Bleed Esports

リーグ戦(東南アジア地区):6位→6位→1位
リマメジャー:参加権なし
ベルリンメジャー:参加権なし

過去のTI最高成績:出場なし

シーズン中にiceiceiceとDJという大型補強を敢行。
すぐには結果が出なかったものの3回目のリーグ戦には間に合いました。
どうでもいいんですが「アイサイサイス」って名前、楽しすぎてついつい呼びたくなりませんか

チームとしては新生チームながら、中身は既に国際大会で戦ってきた経験豊富なベテラン揃い。でもミッドは本当に新進気鋭のルーキー。
ぶっちゃけてしまえば最近よくある感じではありますが、だからこそ期待値は高いとも言えるのではないでしょうか。

12. Invictus Gaming

リーグ戦(中国地区):6位→2位→3位
リマメジャー:参加権なし
ベルリンメジャー:17位タイ

過去のTI最高成績:優勝(2012年)

2011年のTI第1回大会から数えること合計8回ものTIに参戦、第2回大会では優勝も経験している、世界的な最古参チームの一つです。
しかしTIの出場回数を今年増やせるかはかなり微妙なところになってきました。

メジャー枠を4つも抱えている地域なだけに、あまり不甲斐ない成績を残してしまうと来年以降が危ぶまれるところですが…
まぁそんな政治的なことはさておき、彼らは彼らの可能性を追い求めて戦うのみです。

13. Blacklist International

リーグ戦(東南アジア地区):4位→5位→2位
リマメジャー:参加権なし
ベルリンメジャー:参加権なし

過去のTI最高成績:出場なし

「チームとしては今年参戦の新チームですが、中にいるプレイヤーは見たことある」パターン再びですね。

ここまでランキングが下位になると状況も当然厳しくなってきます。
バリメジャー7位でもポイントが足りず、6位以上かつ他チームの結果次第という条件付きでのTIへの道。
しかし予選に戻されるのと比べればそれでもマシかもしれません。
果たして細い糸を手繰り寄せることはできるか。

14. Quest Esports

リーグ戦(西ヨーロッパ地区):Div2(1位)→5位→3位
リマメジャー:参加権なし
ベルリンメジャー:参加権なし

過去のTI最高成績:出場なし

今年最初のリーグは予選から勝ち上がってきた、ある意味ではこのリスト唯一の"新チーム"が最後に来ました。

予選→Div2を一気に通過して参加したDiv1リーグ戦。
最初こそ5位でメジャーへの出場権を逃しますが、直近のリーグ戦では西ヨーロッパ三強の一角、Team Liquidとのタイブレークを制して3位へと大躍進。

もちろんランキング上は非常に厳しく、バリでは2位以上が前提条件となる上、仮に優勝したとしても他チームのポイント次第ではTIに届きません。

それでも勝負は下駄を履くまで分からないものです。
彼らの冒険を最後まで見届けましょう。

最後に

というわけで紹介してきました全19チーム。
TIへの12個のイスのうち、5個が確定済みで、残りは7つ。
全ては東南アジア屈指のリゾート地、バリで決まります。

ところで開催地が東南アジアということは…?

そうです、日本と時差がほとんどありませんね。(1時間)
また観戦三昧の日々がやってきます。

良くも悪くも注目はやはり現時点で世界最強の地域である西ヨーロッパ。
今回メジャーに来るのはTI出場が確定した3チームと、ほぼこの大会ではTI出場が決められない1チーム。
今回に関しては他地区のチームと比べてモチベーションがあまりにも違い過ぎるのが気になります。
最後の最後の大逆襲、大いにありえるんじゃないでしょうか。

大会スケジュールや生放送へのリンクなどは先ほどのLiquipediaからどうぞ。
TI前の今年最後の国際試合、会場となるバリは今ちょうど乾季のど真ん中とのことで、ひりつくような試合が期待できそうです。

それではまた。

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