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自然のこと50 | 春分。天川と天河とあまのがわ。

Nature Good Modeとは
ある地球の定点から、その瞬間の刻々と移りゆく自然の風景を、 額縁のように切り取った時空間映像。めぐる時とともに第三惑星地球の時空間を美しい映像で綴っていきたいと思います。 二十四節気に身を寄せ、季節の移り変わりを感じ入りながら地球の目覚めを撮影しています。

奈良県天川村の中央部に位置する坪内の船岡山より撮影です。
ここは、「天川大辨財天社」を中心に坪内を一望できます。
現在は、植樹をしたばかりの小山で、まだ一般には公開していいませんが、今回は特別に撮影の許可をいただきました。というのも、誠に光栄なことに、Good Mode Teamsの建築士 坂口陽さんと共に、船岡山のてっぺんに、この場所に植生していた杉を使って「船のテラス」を造らせていただけることになったのです。

このプロジェクトの背景は、斎場(ゆにわ)の活動「四季を感じる里山を取り戻したい!里山整備と300本植樹プロジェクト」から詳しく知る事ができます。

今回は、リサーチで幾度か天川村坪内を訪れた際に、坂口陽さんがしたためてくれていた記録を、この場を借りて公開させていただきます。

改めて、この記録を読んでみて、天川村坪内に生きる皆様の山と向き合う真摯な姿勢、坂口さんが持つ直感、感受性、編集力に深く感謝しながら、その時に感じた天川村坪内の匂いや空気感を細部まで想い出し「この土地の清らかで特別な時間」に立ち返ることが出来ました。少し長いですが、天川に足を運んだ事がある方もない方も、この場所が持つ聖域さを感じていただければ幸いです。

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天川村の土地と人

斎庭さんの自然を心に思う活動
針葉樹から広葉樹への転換 
多様で多層的な根の繋がり
目に見えないものを視る

天川という土地には
そういった自然と人の物語が
何万年という地層のように折り重なっている。
それは単に「歴史」という文章で語られるような
ものだけではなく、五感でしか感じとれないような
気配に近いものが多くあると感じている

その五感で味わう天川の記憶を
想像してみる


水の記憶と物語

天川の名の通り
水はこの地を巡り、土地が潤った根源であり、
豊かな水は豊かな森 豊かな作物 豊かな命を育み
その土地がその土地であることを創り上げる大元の存在。
そんな水が人の豊かな生活を生んでいた気配は
船岡山の名前にも残る。古代から水が豊かである記憶のかけら。
水は見える場所だけでなく、土の中・山の木々の根にも多く流れる
天川は何百万年もの間、想像しきれない水の流れの上に構築された
水の記憶そのもの、水の物語そのものである。

水が記憶と転写をするという江本勝さんの「水は答えを知っている」
そんな天川をめぐる水が記憶してきた物語


風の記憶と物語
船岡山に登ると感じる
坪ノ内を回る風の足音
風が運ぶ記憶
風が種子を運び、種子は木になり葉を落とし
その葉の栄養で作られる土の中の菌のネットワーク
菌のネットワークによって森を彩る生物は変わる。
キノコがわかりやすい。
目に見えない森の中では常に命の戦いと調和が繰り広げられている。
風はそんな菌や種を運び、ネットワークに多くのバリエーションを産み出している。
本来の天川の自然景が持つ多様さこそが、風の物語そのものように感じる。


人の記憶と物語
役行者小角 弘法大師
語る継がれている物語

人は他の生き物と違い
文字というものを使って記憶を残すことを可能とした。
それにより、土地にやどる人々の記憶の地層は
誰の目にも等しく届くようになった。
日本有数の人の物語の地層が折り重なるのがここ天川である。

また文献という固定化されたものに限らず
口伝という音で、時代を経て連続してきた意識の物語
それもまた天川で体感できる面白さであると感じる


船のテラス
斎庭の皆さんが
この自然の運びのように
物語のバトンを伝えていく
水先案内人である。

私たち(坂口・中村)が感銘を受けたように
皆様の自然や人や天川に愛を持って対峙している
その姿を「語りたくなるようなテラス」
が斎庭さんで形にするべきテラスではと考えた。

森の針葉樹を広葉樹に変えるということは
再び森に水をもたらすということ

森に水を引き
また水の記憶がこの天川で豊かに流れる

斎庭さんの活動で
森に水が溢れ
その水が豊かな森を船が泳ぎ
森を彩っていく

船に乗れば、斎庭の皆様が
自然と天川の物を語る語り部になる
「なぜ、船なんですか?」

そんなところから会話が始まり
水や風や人が紡いできた天川の物語を
語ることになる

そこに共感する人は
また天川に寄り添い
斎庭さんの活動に共感し
また天川の物語に参加してくれる

語り合う時間
気づけばテラスの上には
天の川が

そんな船のテラス

水も木も風も
各々が心地よい場所に、自然的に流れて行き収まる

風が心地よい場所もあれば
音が心地よい場所もあれば
香りが心地よい場所もある

そんな違いを楽しむために
そこに立っていた木達の記憶と
自らの五感を照らし合わせて
自然を楽しんでほしい。

▷情報提供
お宿 井頭
天河大辨財天社の目の前にあるお宿。築100年とは思えない手入れの行き届いた古民家を贅沢に堪能することが出来る。食事も天川村のお水で炊いた艶のあるご飯に、季節の山菜やお豆腐など細やかな心遣いを感じる温かい料理を堪能できる。天川村の四季折々の自然とともにご堪能ください。


▷Location ​Data:

緯度経度: 34° 13′ 25″N / 135° 50′ 24″E
カメラ角度: 90° SE / 標高: 637m / 気温: 7℃ / 湿度: 94%
時空間: 2023.3.21. 5:40〜07:55 AM

▷Access:

▽Production Cooperation
HELIO COMPASS 地球暦®

▷Snap

Kenji "Noiz" Nakamura ©️
Kenji "Noiz" Nakamura ©️
Kenji "Noiz" Nakamura ©️

最後までご覧いただきありがとうございます。
All for the next Dimension.

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