Satoyama 推進コンソーシアム 2019 レポート 2/2 「里山資本主義の先にあるもの」

「里山資本主義」をご存じだろうか。2014年の新書大賞に選ばれた書籍である。著者は藻谷浩介氏である。

その藻谷氏の「里山資本主義の先にあるもの」と題した講演

共生と循環再生のある経済

里山では、原生林より生物種が多い。なぜなら、人間がいて、共生し、循環再生して続く生態系が築かれる。これが、里山資本主義の基本的な考えを象徴している。

近代経済学が一種の宗教のようになって、多くの人が信じているマネー資本主義とは違う。共生・再生循環とは180度反対にある「今だけ、金だけ、自分だけ」で行くのが「マネー資本主義」。

「寺社や社会が長持ちすること」「多様なものがあること」「次世代に続くこと」を重視するのが、「里山資本主義」

それは、「勝ち負け」でない世界。それは、「かけがえのない人生への欲求」。

人口統計が指し示すもの

少子高齢化といわれている。これはみんなが知っている。人口が増えているのは東京などの大都市だけで、地方から人がいなくなっている。

しかし、これを年代別で見ると、少し違う風景が見える。

例えば東京の大都市圏の人口が増えているのは事実だが、増えているのは「60代」以上。若者層はやはり減っている。(詳細の数字を示されていたが、メモしきれませんでした)

一方、島根県の事例。すでに高齢者の人口増がとまっている。医療負担がなくなっているから、若者が逆にもどっている。

地方への移住が増えているが、世間一般のイメージは、負けたものが言い訳しながら、こそこそ稼いでる感じ。

しかし現実は全く違う、すでに半世紀先に行っている。新しい価値が生まれつつある。

かなり乱暴だけど、魅力ある

私の本職は、東京のど真ん中でデジタルマーケティングをすることである。

藻谷氏の言葉を借りれば「マネー資本主義」のど真ん中で生きている自負があるし、そのことを少しも疑ったり、恥ずかしいと思ったことはない。

ただ、今のこの社会がなんとなく持続不可能なのではないだろうか?この先にいったい何が待っているのか、、、といった漠たる不安・疑問に対する答えとしては非常に魅力的な考えだと感じた。

経済統計の分析などについては、かなり偏ったご意見と拝聴したが、ただ、それは大きな問題ではない、藻谷氏は結局、思想・哲学、幸せの在り方を語っている。かなり乱暴だけど、魅力あふれるプレゼンテーションであった。

でも、実際の事業者にはあまり関係ないかな、、、笑

どうだろう。これはまだ仮説だが、今、お手伝いさせていただいている事業者さんから見聞きしている話、リアルな日々の仕事の回し方などを見ていると、思想としては藻谷氏の話は理解できるが、日々の生業の中では、あまり関係ないかな。。笑

でも、一度ゆっくり著書を味わってみたいと感じました。


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