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客育

気がつけば12月もどんどん進んでいきます。
どうして年末というのはこんなに慌ただしいのでしょうか。
誰もかれもがバタバタとし「忙しい!」と声を荒げる。

正直、そこまで年内って言葉に熱狂しなくてもいいんじゃないの? と目を細めてしまいます。
心を亡くしてまで年内に終わらせなきゃいけない意味とは……?

仕事も大詰め

そんなことを考えつつ、わたしの仕事もかなり忙しくなっています。
年内に――――――っと叫ぶお客様が多いからです。
落ち着いてくれ、と願わずにはいられません。

そんな忙しい時期になるとみなさま口をそろえて叫びます。
「こっちは忙しいんだからなんとかしなさいよ」と。
知らんがな。です。
あなただけじゃないですから。

お客様は神様でも何でもないです

わたしがどうしても苦手なのが、自分の主張だけを言い続ける人です。
出来ること、できない事、折衷案を受け入れず、とにかくこうじゃなきゃ困るの一点張りのご依頼。
他の人の都合なんか受け入れない、自分だけを特別扱いして欲しい。
それだけを言葉を変えて言い続け、こちらが折れるまで譲らない。

めっちゃくちゃ疲れます。
嫌気がさしてくる。
そんな人ばかりが続くと心も折れそうです。

仕事なんだからそれくらい、と思うでしょう。
でもそういう「客なんだから言うこと聞きなさいよ」を受容してきたからこんなにもゴネ得が蔓延り、自分勝手な客が増えていく。
それはお互いの為にもならないと思いませんか?

わたしはゴネ得は撲滅派なので、ゴネ損するようにもっていきます。
自分だけいいようにと望む方の願いを叶える義理はありません。
その人のワガママを叶えるために、他のお客様に影響が出てきてしまうから。
それだったら切るのはゴネる方。
いいお客様と気持ちのいいお付き合いをしたいのです。

お客様を育てる

こんな言い方をすると傲慢に聞こえるかもしれませんが、仕事を受ける方、依頼する方、どちらも気持ちよく取引が出来たほうがいいと思いませんか?
お金をもらっているからと卑屈になる必要はありません。
お互いの間に納得があって契約が成立する。
それが当たり前だと思いませんか?

もちろん上から「こうしろよ」と言っているわけではありません。
どのお客様にもスムーズに提供できるようにご協力くださいというだけです。
もちろんご要望はお聞きします。
その限度を超えないでくださいね、というだけの話です。

年配の方は昔の「客の言うことを聞くのがお店でしょ」という価値観に縛られている方も多いです。
お得意様(と自分で言う)なんだからタダでサービスするのが当たり前でしょと、当然のように言ってきます。
今すぐ電球を取り換えに来いとかね。
それはご自分のご家族に頼んでよっていう事を平気で言ってきます。

それを徐々にゆっくりと時間をかけて「できること、できない事」を伝えてきました。
中には「まいっかー」と受けることもあります。
それはお客様との信頼関係とか、やってあげたいなと思わせる関係であることが大事です。

ほんとうにジワジワと時間をかけてご協力をお願いしますと言い続け、ようやくまともな関係になってくることができました。
多分、わたしが関わったお客様は他でも気持ちいい取引をできていると思います。
他のお店の人からも「あなたのところの客層はすごくいい」と褒めてもらうこともあります。

それはまわりまわってお客様のためになっていると思います。
誰だって傲慢な人よりいい人と取引をしたいでしょう?

依頼される側の責任

そう考えると、わがままをそのまま受け入れるのはお互いにとってデメリットしかないと思いませんか?
受ける方も気分が悪い。
お金のためと割り切っても疲弊が強い。
お客様側もゴネればいいんだな~と変なお得感を覚えてしまう。
声を大きくすれば、恫喝すれば。
その害が今世の中に溢れています。

それは許さないよ、と依頼される側も断る勇気が必要だと思います。

お客様がひとり減ってしまう。
でもそれを受け入れるとそんなのばかりになってきませんか?
いいお客様にも迷惑をかけ始め離れて行ってしまう。
残るのはゴネるだけの客。
だいたいそういう人は嘘をついたり、そのうち支払いを渋るようになります。

我慢して苦労したあげく逃げられるなんて絶対に許せません。

教育再び

最近になって他のところのお客様が回ってくることが増えました。
その度に驚きます。
こんなに悪い客層をよく相手にしてきたな! と。
嘘ばかり、勝手ばかり、支払う気がない。
それはもうお客様でも何でもない。

疲労度がすごくて、正直めげそうになります。
だけど、もし、この先も取引していくならこのままではいられない。
今まではゴネが通用したかもしれなけどこれからはそうはいきませんよ。
教育再びです。
もしそれがいやならご縁がなかったという事。
他のところにご依頼ください。
それでいいのです。

循環

仕事は気持ちよくすること。
それがわたしにとって一番大事にしている事です。
もちろんお客様が喜んでくれる事は嬉しいです。
その先にあるのもやっぱり「よかった」っていう満足感です。

仕事は我慢すること。
お金をもらっているから耐えること。
そういう価値観でいた時には仕事が嫌でたまらなかった。

だけどお客様が育ってくれると仕事をするのも楽しくなる。
いい感じに回るようになる。
お客様がお客様を連れてきてくれる。
そういう循環に入っていったのは、やはりいいお客様が多くなったからだと思います。






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