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本は魔法(の絨毯)

私は本が大好きで、特に紙の本には愛着(もしかしたら執着?)があります。
だから本屋さんにはよく行きます。
買う・買わないは別として、一旦書店に入ると、なかなか帰れなくなってしまいます。

「こんな本があるんだ」
「あ、○○さん、新しい本出したんだ」
「これ面白そう」
「カバー、綺麗だな」
「こういうの、まだ読んだことない。どうなんだろう?」
・・・

そんな風にとりとめのないことを思いながら、本棚の間をフラフラと歩いて、気になった本を手にとっては眺めたり、カバーテキストを読んだり、パラパラと拾い読みしたり・・・完全に「つまみ食い」状態です。
でもこれが本当に楽しくて、幸せな時間なんです。

とはいえ、ここ数年は電子書籍を買うことがすっかり多くなって、紙の本を買うことが以前に比べ圧倒的に少なくなってしまいました。
これは多くの人に共通するのではないでしょうか。
電子書籍の気軽さや便利さを思うと無理もないのですが、ちょっと寂しい気がします。

***

私個人の感覚なんですが、電子書籍は、通りすがりに見かけた「窓」から中を覗く、というイメージです。
タブレットで読むのですが(スマートフォンではあまり読まないです)、読書用アプリは「違う世界を見る覗き窓」のような感じがします。

私が電子書籍を買うときは、好奇心や情報収集目的のことが多いです。
小説だと「読みたいけど、たぶん1回読んだら2回は読まないだろうな」と思われるもの。
ビジネス関連書籍類は、純粋に「情報や知識が欲しい」から。

あと、電子書籍は印をつけたり、メモを貼ったり、といった色々な機能も使えるので、そこも気に入っています。
というのも、いくら実用書でも、紙の本に書き込みをしたり、線を引いたり、ページの角を折ったりするのが嫌いだからなんです。(付箋が限界)
本はできるだけ綺麗な状態に保ちたいので・・・。

紙の本だと、窓から中を覗くんじゃなくて、自分の知らない世界を「お迎え」した気分になります。
手の中にある本に、未知の世界が凝縮されていると思うと、それだけでドキドキします。
本の内容はもちろんですが、外装、紙の色や質感や匂い、本の重さや大きさ・・・そういうものも全部含めて、本を手にするのがとにかく嬉しいのです。


出版に携わっている方々には、本をつくるのは大変なお仕事で、本をつくる苦労や思い入れみたいなものは、私なんかの想像もつかないレベルなんだろうと思います。
本が商品である以上、経済活動として成り立たなければ、もしかしたらいつかは作り続けるわけにもいかなくなってしまうのかもしれません。電子書籍と印刷書籍の売上推移などを見ると、電子書籍の伸びは本当にすごいですしね・・・。

でも、どんなに電子書籍が便利でも、私は本が好きなので
「やっぱり紙の本は別格」
と感じます。
ただ読むだけだったら電子書籍でも十分なはずですが、それだけじゃないんです。本を手にしたときの独特の感覚は、ちょっと表現し難いですね。

紙の本でしか体験できないもの。
電子書籍では置換できないもの。

それは何なんでしょう?

たぶん「本に何を求めるか」によるのだとは思うのですが、そうだとすれば、人によって求めるものは(恐らく)違うので、一概には答えられない、ということになってしまうのでしょうか。
そうすると、
ターゲット層を絞る?
独自性を出す?
高級感のある外装に凝る?
・・・そんな感じになるのでしょうか。
いずれにせよ、特定の答えを出すのは難しそうです。

***

私にとって本は魔法です。
本のおかげで、地元に本屋さえない小さな田舎の町に生まれた女の子が、こうして海外にまで来てしまったりするんですから。
魔法の絨毯に乗ってここまで飛んで来た・・・そんな感じです。

20年以上の海外生活に終止符を打ち、2020年後半には日本へ帰国します。サポートは皆さんとお会いするときのお茶代として還元させていただきます。