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Too Shy

この記事タイトルを見てKajagoogooを思い出した人!
私と同世代の香りがしますね(笑)

知らない人のために、この80年代のヒットをご紹介。

なんだか予定外の書き出しになってしまったのですが、今回は「シャイネス(Shyness)」について書こうと思います。

「あの人シャイだよね〜」みたいな、割と軽い感じで使っている「シャイ」ですが、実はけっこう複雑で、社会心理学の分野でもいろんな角度から研究がされています。

「え、なに?そんなにややこしいの?」
「じゃあ、シャイ(シャイネス)ってなんなの?」

…となるんですが、専門的な話は難しいですし(私も専門家ではないですし)、私の理解している範囲で、

シャイネス(Shyness)
内向性(Introvertion)
高度な感覚処理感受性(Highly Sensitive Person=HSP)

の3つについて、ざっくりと書いてみたいと思います。


「シャイ」ってなに?

日本語にすると「恥ずかしがり」「人見知り」「内気」といった表現が使われていますが、シャイネスを一番よく表す表現は「対人不安」じゃないかと思います。

「みんなに笑われないかな?」
「私、変に見えないかな?」
「相手の人にどう思われるだろう?」
「初対面は気疲れして苦手」
「失敗したら怒られそう(がっかりされそう)」
「やっぱり言うのやめとこう(気分を害されそうだし)」

などなど……

そんな心の声がしたら、ほぼ確実に「シャイ」の要素が!
(もちろん他にもいろんなバリエーションがありますが)

さらに、

人前での声が小さい、ドキドキしやすい(あがりやすい)、下を向きがち、他の人の目を見るのが苦手、手に汗をかく、赤面する、なかなか言い出せない、したいことを我慢する、…というのが「シャイな人」にありがちな症状でしょうか。

シャイの根底にあるのは「社会生活(対人場面)での不安」です。
つまり、自分が社会から「認めてもらえない」「受け容れてもらえない」ことへの恐怖、なんです。

誰だって何かしらの承認欲求を持っているものですが、シャイな人の場合、自己肯定感が特に低かったり、自己非難や自己批判が強くて、その結果「引っ込み思案」になってしまうのです。

現実に他の人から非難・批判される前にそれを想定して、行動を起こさないんです。

図にするとこんな感じでしょうか:

(ちなみにこの図は私のオリジナルなので、もし「似たようなのを見たことがある」という場合は純粋に偶然です)

シャイのもとである不安感がどうして生まれたのか、というのは簡単には言い切れません。(私の場合、母が原因…)

シャイネスをなくす(へらす)には、対人コミュニケーションの訓練などの専門家の指導下での社会的スキル訓練があるようですが、原因発見にしろ対策にしろ、これは専門家にお任せするべき部分なのでここでは書きません。(というか、書けません)


内向性とHSP:シャイネスとの違い

シャイネスとよく混同されるのが、

・「内向性(Introvertion)
・「高度な感覚処理感受性(Highly Sensitive Person=HSP)

の2つです。

この2つは「シャイネス」とは全くの別物なんですが、この3つの傾向が混じっている人もいるので、なんだか全部同じように見られてしまうことも珍しくありません。

実際、私自身この3つを全部持ってるので、「もうどこまでが何で、どうなってるのやら…(お手上げ)」という感じもよくわかります。

長年の葛藤の中、今では自分との折り合いがついてるので、もう悩んではいませんが(悩んでもときどき)、私の場合の大事なステップは「内向・HSP・シャイ」の3つを個別にきちんと理解し整理することでした。

まず1番の違いは「内向性」や「HSP」は持って生まれた資質(先天的)であるのに対して、「シャイ」は後天的でトラウマがからんでいることが多いこと、だと思います。

内向性やHSPの場合、それを生きることが「自分」になります
シャイネスの場合、シャイであればあるほど、本来の自分から遠くなってしまうので、言い換えると、シャイは後退り。
「自分」を生きてないんです。

シャイなせいで「外部からの否定を恐れて本来の『自分』をフルに生かさない(活かさない)」というのは、ほんとうにもったいないです。

1人の時間が必要な「内向的な人」や、音響(大勢の人の話し声も)などの外からの刺激で神経がすり減る「HSPの人」と違って、シャイは時間の長さだとか外部からの刺激とは関係ありません。

例えば「大勢の人と一緒に大音響に囲まれて」いるときに、シャイな人が人見知りどころか、周りの音に負けないように大きな声を出して、割と普通に会話をしていたりします。

これは、自分の高揚感(動悸、汗、顔の火照り、など)が、その場の雰囲気のせいだと錯覚しているので、シャイネスが原因だとは思っていないからです。
もし、この人を今度は「静かなところで2人きりで話しをする」ようにしたら、きっと緊張してうまく話せなくて、その理由が「自分はシャイだから」と言うでしょう。

内向的にある「熟考のための時間が必要」というのと、シャイの「人と話すと緊張する」や、HSPにある「刺激に弱くて耐えられない」とシャイの「怖さ。不安感」は根本的に違うのです。

それから「社交性」は人として後から学ぶものなので、内向性でもHPSでも関係ありません。
それぞれに、きちんと人と対応できます。(大人ですから)
社交的な態度を学習したかどうか、というだけのことです。

だから、割と普通に会話のできる人、どちらかと言えば社交的な感じの人が「内気なので」とか「実は人見知りで」と言えば、ほぼ確実に「え〜、そんな風に見えない!意外!」などと言われます。

これも割と無理のない話で、内気や人見知りは「シャイ」の管轄ですから、「シャイじゃない内向的な人」や「シャイじゃないHSPの人」の場合、「内気」や「人見知り」はあまり正確ではない自己評価表現なんです。
(といって「内向的なので」とか「HSPなので」と言って、どれだけの人が「あ、な〜んだ。そうなんですね」と言ってくれるか、というのは大いに疑問…)


自分は?

シャイネス、内向性、HSPと3つの性質をかなり大雑把に書いてきましたが、それぞれとても深い内容なので、この記事では書ききれません。
私も必要に応じて(自分がいろいろと問題を抱えていたので)勉強ましたが、書いたとしても当然ながら十分にはカバーできないと思います。

個人的な経験から言えば、「シャイ」を他の2つから切り離して、そこを矯正する(この言い方はよくないですが)のは、かなりよかったです。

要するに「人が怖くない」という意識を持てればいいんです。

そのために、まず大事になるのは「自分軸」。
これがあれば、周りに振り回されることもなく、平常心でいられます。

「じゃあ、自分軸ってなんなの?」と疑問に思われるかもしれませんが、言い換えると「自分の価値観」だと、私は思っています。
周りの意見や風潮、流行に流されない、自分自身の判断・評価基準、です。

そのためには、いろんなことを学んで自問自答を繰り返していくしかないかな、と思いますが、簡単に言えば「好きか嫌いか」です。
自分が嫌なもの、良しとしないものを明確にしていけば、自分が本心から望むものが見えてくることが多いです。

***

みんなが「本来の自分」を実現していけたらいいな、と思っています。
そのためにも、自分についての正しい認識をもって、偏見や先入観、罪悪感や劣等感をなくしていけたら、と思います。

いろんな人が、それぞれに「自分」を「それでいいんだよ」って受け容れて、周りもそれを受け容れて、そうやって誰に気兼ねすることもなく、お互いに敬意を持ちながら共存できる優しい世界になったらいいなぁ…

と、心から思います。

***

最初は、内向的でHSPの傾向があって、かつシャイな自分の「苦労話」でも書こうかなと思ったんですが、どうしても暗くなって楽しくなかったので、ちょっと一般論で書いてみました。

最後の「優しい世界」は私の切なる希望です。


20年以上の海外生活に終止符を打ち、2020年後半には日本へ帰国します。サポートは皆さんとお会いするときのお茶代として還元させていただきます。