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想いを形にしてあげるお仕事はもういいのではないか。強い想いがない時代突入の巻。

私の仕事はWebサイトだったり広告チラシを作るのが主で、よくいう「お客様の想いを形に」するのが理念だったりする。が、今の時代、もうそういうのちょっと違う気がしている。

そう思う理由のひとつは、Webサイトやチラシのデザインをかんたんに作るツールやアプリが充実してきて、私が作ってあげなくても自分で作れる時代になってきたこと。ジンドゥーとかamebaのowndとかcanvaっていうツールを使えば、スキルとしてはわりとかんたんにそれなりのものは作れると思う。

もうひとつは、そもそも今の時代に「こうしたい!」っていう強い想いがある人が少ない気がしている。

Webサイトや広告チラシを作るために、お客様からヒアリングして「想い」を引き出そうとするが、もちろんヒアリング力が乏しいのもあるかもしれないが、なんというか、そこまで自分の事業を語れる人が少ない気がする。そんなことないかな。同業の人いたら聞いてみたい。

Webサイトや広告チラシは、その事業だったりサービスを広く多くの人に、もしくはターゲットとなる人に伝わるためのツールである。がしかし、それらが優れていれば売上が上がるというのは本質ではない。売上を上げるためにいちばん重要なことは、そのサービスなり事業の「コンセプト」のすばらしさ、必要性だ。「これこれこういうわけだから、こういう人にはぜひとも使ってほしい!」と、熱く語れるくらいの想いが必要だ。当然だろう、そこまでもってして重要だと思うから熱く語れるのだし、熱く語れるくらいだから売っていこうと思えるのだ。

がしかし、最近私のところに来るお客様は、熱く語るより「競合はこういうことしているからうちはこう」だったり「最近こういうのが流行っているからこれなら・・」みたいに、なんだかちょっと薄っぺらいような気がするのだ。

いや、他はいいからあなた自身はそれについてどう思っているのよって話が聞きたいのだ。

で、最近は内面を引き出すコンサルとか流行ってるでしょ。自分の想いを引き出してもらったような気になってる人多いと思うんですけど、それ、コンサルがあなたに合いそうなものを見つけてくれただけで、あなた自身の想いではないですよね?っての多い。女性活躍推進系で妙なセミナー受けてる人大体これ。

あなた自身が、どういう体験をしてそれが重要と思ったか、自分で語れる程のもので事業をしてほしい。というか、語れるようになったら事業にしてほしい。

ただ、これって時代もあるよなぁと。

最近読んだこの本にも書いていた。

ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式

この本が言っているのはざっくりこういうことだ。
今の時代、モノが溢れてしまっていて、例えば「暑い」とか「寒い」とかないかしらの不便を解決するモノは溢れていて、もう新たに作る必要がないほどだ。なので、ただ何かを解決するモノ(サービス)を作るのは、相当革新的でないと必要とされない。これからは、問題を解決するモノ(サービス)を作るのではなく「そもそも何が問題で今こうなっているのか」の、課題や問題の本質を見つけることに価値がある。

モノがない時代であれば「これがあれば〜がよくなる!」ということがとてもわかりやすかったが、今はモノが溢れているので、「これがあれば・・・!」と強く想う必要がそんなにないのだ。なので「強い想いを持たない人」が増えたのも、しょうがないと思う。

さて、そうなるを今の私の仕事はどうだ。想いがないのにそれを形に、できるわけがない。

もっと今の時代に必要なこと、課題・問題の本質を見つけられるようなことを、していかないとだ。

日々ラーメンを食べることができたらそれだけで幸せです。