アメリカ人起業家が選んだ日本の田舎での1年間。J-Findビザ取得までの挑戦体験記。
「私は、高知県須崎市のサステイナビリティアドバイザーになりたい!」これは、アメリカから来た起業家グレイ君の夢。
今日は、その第一歩となるビザ取得が叶った日。
未だ情報が少なく目新しいビザである、未来創造人材(J-Find)ビザを取得し、日本に1年間滞在するのみならず、須崎市で起業家として事業ができるようになった。
私とグレイは、ビザ取得に至った全てのご縁と経緯に感謝したく、今までの過程を文章に残すことにした。
アメリカ人起業家グレイ君の須崎市への想い
そんな想いを胸に。
今日、郵送でビザが届いた時、正直ドキドキしながら、封筒を開いた。
未来創造人材(J-Find)ビザの魅力
未来創造人材(J-Find)ビザとは、2023年4月27日から始まった、生まれたてホヤホヤのビザ。
今までは、海外の大学の卒業生が日本で就職活動をしようとしても、長くても90日間の「短期滞在」の在留資格しか付与されなかったが、この新制度により、世界大学ランキングの2つ以上で100位以内の大学・大学院を卒業した方が、最長2年間、日本で就職活動やインターンシップ、起業準備、実際に起業して事業を始めることもできる。
未来創造人材の要件
世界大学ランキングの2つ以上で100位以内の大学・大学院を卒業
卒業から5年以内
申請の時点で申請人の預貯金が日本円に換算して20万円以上
未来創造人材制度(J-Find)を知った運命的な経緯
須崎市で2023年6月に、開催させていただいた生成AIアイディアソンをきっかけに、グレイは初めて須崎市に訪問してくれた。
アイディアソン参加者の中には、台湾人の起業家の方もいた。その方が、須崎市で集まったメンバーを招いて台湾の旅を企画してくださったことがきっかけで台湾に。
台湾での7日目の夜、バックパッカーホステルのバルコニーで夕焼けを眺めていると、シンガポール在住のインド人が現れた。彼は、日本が大好きで移住するためにビザを取得しようとしているとのこと。
グレイ君は、スタンフォード大学院の地球(Earth)学部出身で、サステイナビリティー領域で学生起業をしている。須崎市でサステイナビリティー事業を頑張りたいが、今のままでは日本で仕事をするのは違法になる。ビザ取得をしたいが外国人起業家にとって良い情報が見つかっていないという話をすると、
「世界大学ランキングの2つ以上で100位以内大学であるスタンフォード大学院を卒業したばかりの君なら、未来創造人材制度(J-Find)ビザが取れるよ!」
とインド人の彼が、教えてくれたのだ。
「2023年4月27日から始まったビザなんだね。なんとグレイの誕生日じゃない〜。申請してみるね、ありがとう。」
インド人の方は、「僕も未来創造人材制度(J-Find)ビザをとったことがないし、取った知り合いはいないけど、挑戦してみるべきだよ!」
と鼓舞してくれた。
私たちは、台湾ビールを飲み酌み交わし、お礼を言って、行動に移すことに決めた。
情報というものは、ひょんなところから現れるものだ。インターネット上で調べても、ワーキングホリデーという選択肢ばかりで、SEO上の問題なのか全然上位に現れなかった未来創造人材制度(J-Find)ビザ。
そんな貴重な情報を知っているインド人が台湾で現れるとは、運命を感じる。
とは言え、
未来創造人材制度ビザを知っている人は日本で見つからなかった。
高知県の出入国在留管理局 高知出張所に電話をかけても、
「そのようなビザは聞いたことないですね…。本当に存在しますか?」
と聞かれ、
「未来創造人材制度(J-Find)でGoogleで調べてください!」
と言ってから、内容を口頭で説明しても、
「…。」
よし、ならば、実際に高知市にある出入国在留管理局の高知出張所に車で行って、直接話を聞きに行くことに。
(私たちが住む須崎市からは車で片道1時間20分もかかるが、直接話を聞かねば、進まない。)
「そんな高学歴な方が、この片田舎に来て、仕事もして1年も生活したいなんて聞いたことないです。」
「観光ビザの3ヶ月からスタートしてもいいのでは…」
等々言われたが、
「いや、もうグレイは須崎市に2ヶ月滞在して、ここで事業してみたいって決めたんです!」
「グレイは須崎市のみならず、高知県にとって必要な存在なんです」
等々説明した。
私たちの疑問は、在留資格認定証明書(Certificate of Eligibility)を取得する必要があるのか否か。
それを知りたい。
外務省のホームページにも、在留資格認定証明書の交付申請の詳細も出入国在留管理局の高知出張所に直接相談と書いてあったので、その通り実際に相談しに行ったのだが、答えは簡単には出てこなかった…。
グレイは早く須崎市で事業を始めたいのに、在留資格認定証明書を取得するのに最大3ヶ月もかかる。そこから、未来創造人材(J-Find)ビザ取得に最大3ヶ月も待っていたら、全部で6ヶ月も待つことに…。正直、時間の無駄だ。
それが、在留資格認定証明書に関して必要なのかは、Webサイト上、曖昧な表現になっていたのだ。
出入国在留管理局の方とは、1時間ほど会話を重ね最終的には、
「実際になくても多分大丈夫そうです」
とのこと。
「多分ですか…?」
「はい。前例がないので、私たちもなんとも言えませんが、あった方がいいのは確かですが、なくても大丈夫そうです。」
それを信じて、必要な書類は全て作成し、在アメリカ合衆国日本国大使館に送ることに。
在アメリカ合衆国日本国大使館にも電話したが、未来創造人材制度(J-Find)ビザの取得のために、在留資格認定証明書が必要か否かは、誰も知らない…。
とりあえず必要書類とパスポートを送ってみてくださいとのことだったので、一か八か郵送することに。
もし今回ビザが通らなかったら、再申請は6ヶ月も待たなくてはならなくなる…。
それでも行動に移すしかない!
祈り!
以下の内容も資料に組み込み、パスポートと一緒に郵送した。
# グレイの想い
私は、須崎市のサステイナビリティアドバイザーとして就任させていただきたいです。
須崎市の文化やコミュニティに合わせつつ、「サステイナビリティ」の取り組みに向けた新しいアイデアを考えます。
そして、私にとってこの仕事ができることは、とても楽しく、光栄なことです。私は須崎市にはまだ3ヶ月しか滞在していませんが、心から須崎市に貢献したいと思っています。
須崎の美しい自然と文化は未来に継承し、世界にも共有すべき環境です。
私にとっての持続可能性とは、すでに存在する素晴らしいものを守ることだけでなく、それを未来により良いものに進化させていくことです。須崎を何世代にもわたって存続させ、イノベーションやサステイナビリティのモデルとなるような場所として飛躍する手助けをさせていただきたいです。
そして、たった今、グレイの手元にビザが届いたのだ…!
今年の2月末のケニアへの出張を終えたら、
グレイは3月から高知県須崎市に戻り、サステイナビリティー事業を頑張ります。
応援よろしくお願いいたします!
私の夢である空き家活用×ノマド誘致事業のために使わせていただきます🌎🐞