ニョッキはなぜ、セクシーなパスタなのか?
【今日の一麺】
リストランテ「iomare」(金沢市高岡町)
《毛蟹とトマトソースのニョッキ〜》
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じつは、ニョッキに目がない。
ニョッキ(gnocchi)はご存知の通り団子状のパスタ料理で、ジャガイモと小麦粉からつくられる。
好きになった理由がある。
映画『ゴッドファーザーPARTⅢ』でアンディ・ガルシアがソフィア・コッポラとニョッキを練りながら、愛を囁くシーン。
二人の指先がニョッキ生地に柔らかく絡み合うのが、じつにセクシーだった。
爾来、ニョッキは耳たぶ程度に柔らかく、それでいてモチモチ感が残るのが理想である。
わたしの息子も大好物で小学生だった頃、週末によく一緒につくった。
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ここ「iomare」さんは一人ふらっと訪れても、味つけとか食べる量とかいろいろワガママを聞いてくださるのが有り難い。
本日のニョッキは「毛蟹とトマトのソース」。
ワインに合わせて、少しピリ辛に仕上げてもらった。
一見、エビチリに見えなくもないが甲羅からの出汁と蟹肉の甘さ、トマトの酸味が“耳たぶの柔らかさ”に良くマッチしている。
冷めて固くならないうちにスペイン産の赤と一緒に急ぎ、腹におさめた。
アンディ・ガルシアと違って、まったく色気のない話で情け無いのだが。