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ウィーン・トリエステまんぷく日記 74-77/369

 家族と友人に、なんか追い詰められてる感すごいから休んで(自分で自分を勝手に追い詰めているだけなので自業自得だが……)と言われたので、連休中は遊ぶことにした。個人的にはもう十分休んだと思うけど、確かにこの日記も何もやってないわりにいつも悩んでる感じだ。同じ何もしないなら明るい日記のほうが後から読んでも楽しいだろう。

 土曜日はシェーンブルン宮殿と動物園に、日曜日はフォルクスオーパー、月曜と火曜は魚を食べにトリエステに行ってきた。日曜は研究会で報告もした。あまり社会運動には関係しない研究会だが、このタイミングでコメントをもらえたのは本当に良かった。でも遊びの日記だからこのことは後で書こうかね。

 フォルクスオーパーではバレエのコッペリアを観てきたんだけど良かった。バレエなんて付き合いで観たことくらいしかないので(それを言ったらオペラもオーケストラも付き合いくらいでしか観ないじゃんと思うが。行く頻度が違う?)面白いかしらと思ったが楽しめた。第一幕の無邪気な感じと、第三幕の優雅さのコントラストが見事で、でもどこをとっても賑やかなので、若い人や学生さん同士で観るのにもいいと思う。変な言い方だが、バレエはちゃんと技が決まるので、格闘技とか好きな人にもおすすめかも。友人のT氏もウィーンに来ているためこの日は一緒に行ったのだが、楽しんでいたようでよかった。
 フォルクスオーパーの雰囲気も良くて、いままでシュターツオーパーしか行ったことなかったけど、こぢんまりしているのもいいし、休憩のときは外に出られるのも開放感あっていい。あと安いのがよい......。そんなにおめかししなくてよいか?と思いつつ一応ドレスを着ていったら、そこそこおめかししている人がいて華やかなのもよかった。こういう、ステージというかイベントの「盛り上がる感」も含めて好きなので。

 月曜日と火曜日はイタリアのトリエステに行ってきた。なんで行ったかというと魚が食べたかったから。もとオーストリア領だし。カバー写真はトリエステの眺めで、とにかく料理がなんでもかんでも美味しいし凝っているし安い。海もすでに入れて、浜辺でゴロゴロもできた。ビーチといってもあまりラグジュアリーすぎず、プロレタリアートとしての相対的剥奪感が刺激されないのも良かった。また来よう。

 なんかパスタばっかり食べてるな。下の写真は、ローカル線の隣の隣の駅でみつけた謎のファンアート。ローカル線も銀河鉄道、隣の席の陽キャカップルも機械の体である。鉄道で往復12時間くらいだったがなかなか楽しかった。

 最後に研究会のメモ。今回はメディア論の研究会で報告したのだが、対抗文化が何か別の文化になったというより、対抗性の現れ方が違う(ここまではこれまでもやってきたが……)、さらに言えば対抗の宛先(誰に対抗しているのか、はもとより、誰に見せているのか、などなど)が違うのではという話になり、それだ!と感じる。なんでこれが盲点かと言うと、青年文化にかかわる研究だと「対抗性か自分探しか」みたいな二項対立になりやすい(違ったらすみません)し、社会運動研究をやっている自分からするとどの対抗もぜんぶ社会運動、みたいな感じになってしまって、いずれにせよ対抗性の変容や質的な違いというグラデーションがつかみにくい。
 とりあえず自分は、自分だけで研究をどうにかできるとは思えないので、このサバティカルでは最低限、月に二回くらいどこかで報告なり(アカデミックな)講演なりさせてもらって、そのつどコメントをもらうのを目標にしていた。当たり前のことだが、数にこだわるのはよくない。よくないが、4月に比べると、見ようとしているものをより適切な方法で見ることは、本当にわずかだができている気がする。いつも暗いが、最低限というか、そこだけは光がある部分かもしれない。

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