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多言語のデザインで気をつけたいこと

ソフトウェア会社でUIデザインをしている、のもち(@nomo_017)です。

普段クライアントワークを中心に仕事をしているのですが、
観光地、宿泊施設などで他言語対応の案件が増えてきました。

自分の備忘録も含めて、デザイナーとして他言語対応で気をつけていることをちょっとまとめてみたいと思います✏️

目次📝
1、言語に柔軟なデザイン
2、原稿の内容に差別的な表現はないか
3、固有名詞はどこまで翻訳するか
4、デザインを考慮した翻訳を依頼する


1、言語に柔軟なデザイン

ワイヤーフレームが出来てきたタイミングでは、まだクライアントさんの原稿が上がってこないことが多いため、ある程度コンテンツの内容を予想してデザインを進めていきます。

そこで気をつけていることが、他言語にした時の文字数の違いです。
その案件で扱う言語の中で、一番短いパターン、一番長いパターンを想定して、レイアウトが崩れないようデザインを工夫します。

・短い場合:ボタンは押しやすいか、余白は不自然ではないか。
・長い場合:文字が見切れていないか、文字が見切れる場合は改行するのか省略するのか表現を検討するなど。

ボタンを押すという行動後に続くコンテンツのレイアウトに影響がないよう気をつけます。

Manabu UenoさんのTweetがとても分かりやすかったです💡


2、原稿の内容に差別的な表現はないか

クライアントさんから原稿が上がってきたときに、まず内容の確認をしています。

翻訳作業は単語そのものを翻訳するだけでなく、前後の話の流れによって使用する単語が変わってくるため、日本語としても意味が合っているかをまず確認します。

確認するところ🔍
・表記ミスはないか
・前後の文章と内容がずれていないか
・差別的な表現になっていないか

その中でも特に気をつけているのが、差別的な表現はないかという点です。

日本でも差別的な表現は注目されるようになりましたが、性別に対する表現にはまだ寛大なところもあります。"他の国の方が使用しても幸せになれるか"という視点で、内容も含めて確認をしています🔍


3、固有名詞はどこまで翻訳するか

原稿には様々な固有名詞があります。特に多いのが、サービス名、土地名、駅名です。

例えば「勤怠表管理システム」など、サービスの内容がサービス名になっている場合は翻訳した方が意味が伝わることもありますが、造語の場合は翻訳するとよくわからない言葉になることがあるので、固有名詞をどこまで翻訳させるかをクライアントさんと認識合わせすることが大切です。

「池袋」の場合、「池」と「袋」でそれぞれ訳しても意味が違ってしまいますので、地名や駅名などは、日本語 + 英語で対応しています。


4、デザインを考慮した翻訳を依頼する

「タイ語は単語の途中で改行されると意味が変わってしまう」ということをクライアントさんから教えていただきました。

えっ、それはまずいぞということで、
翻訳会社さんに翻訳の指示をする際に、簡単なデザイン指示書も渡すようにしました。

※今回はレスポンシブ対応はしていないです

翻訳指示で渡す書類📑
・日本語原稿を段落、句点ごとに転記したエクセル
・画面デザインに最大文字数を指示したパワポ

翻訳用に、日本語の原稿を段落、句点ごとにエクセルの列にまとめています。

画面デザインをパワポに貼り、項目ごとに横幅から最大文字数を指定します。
見切れない、意味がつながるような文字数や、改行位置を考慮した翻訳を依頼しています。


おわりに

他言語は翻訳したものを日本語と同じように表示すればいいというわけではないのでとても難しく、レスポンシブ対応となるとまた勝手が違ってくると思います。

なにかの参考程度になれば嬉しいです(*´-`)

byのもち(@nomo_017


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