企業経営に必要なほとんどの事は、RTSゲーム(Age of Empires2)が教えてくれた件の後書き


誤解を招くことが多いため、最後に捕捉です。


この手の話をすると、結構ネガティブなフィードバックが多いです。

「人間はゲームの駒とは違う」「ロボットじゃない」「使い捨てみたい」

とよく言われるのだけれど、僕からすると「駒」の意味が全然違う。「駒」の特性を考えて、「駒」が最大限に最高に躍動できる場所に「駒」を配置するのが経営者にとっての命題の一つ。合ってない仕事、やりたくない仕事やらされるの、皆嫌でしょ。むしろ「駒」への愛情は、そのモチベーションを支えるはずです。しかも駒を使い捨てにするような指導者が結構負けてるってのは歴史が証明してるでしょう。「駒」には、「士気」っていうパラメータが存在するからね。キングダムを読めば、何万という人間を明らかに「駒」扱いしているのに、「駒」に対する愛情を兼ね揃えた武将が多数いることが簡単に分かります。

「ロボットに愛情が生まれるわけ無い」

と言う人もいるのだけれど、ターミネーター観ても同じこと言えるの?とか言いたい。ファービー買ってみろよ?とか言いたい。

そして

「ゲームはビジネスみたいに思った通りに行かないし、簡単じゃない」

とも言われるのだけれども、僕からするとAOE2やLOLはほんの一秒気を抜いただけで勝敗が決まるシーンが多々あるのに比べて、ビジネスは一秒気を抜いて敗北が確定するシーンなんてほとんど無いから、そういう意味ではビジネスの方がよっぽどぬるいと思います。広義には両方ゲームなので、比較基準によって評価なんていくらでも変わります。

勿論現実世界のビジネスの方が、バーチャルなゲームよりも難しい部分も一杯あります。

戦略を学べても、マネジメントは学べない
ゲームの駒と違って、ビジネスは人と人との繋がり

と言ってくる人もいます。でもオンラインゲームでチームプレイだからね。弱い人も強い人も一緒になってプレイするわけですよ。ビジネスは、一緒にやりたくないやつを雇わなくていいけど、ゲームはやりたくないやつと味方になることも全然あるからね。僕は味方と敵の性格まで考慮にいれてプレイするし、それってマネジメントの文脈だよね、って思います。

さらに

「陣取り合戦や奪い合いだけがビジネスじゃない。イノベーションは0から1を生み出す」

と言われることも多いのですが、「車が発明されて、馬車に乗る人が減るのも、結局陣取り合戦でしょ。」と思います。「イノベーションによってパイや人口が増えれば、そもそも奪い合う必要もなくなる」とも言われるのですが、「だいたいなんか枯渇したりして奪い合い始まるし、みんなもっと欲しいもっと欲しいって思うからいつかは接敵するでしょ」とも思います。

(この辺は学問的属性も含んでいる議論になるため、間違いがあったら、是非教えてもらえると嬉しいです。)

AOE2は基本的に「金」という資源の奪い合いになるのですが(金を使わないと強い兵隊を出せないため)、その奪い合いを無くすイノベーションとして「交易」という手法が存在します。「荷馬車」を生産して、味方同士の陣地を行き来させることで「金」が貰えます。「荷馬車」は一度生産すれば永遠に陣地を行き来するので、理論上無限に「金」を生産します。これは短期で見れば平和的イノベーションですが… そのうちMAP全体に生えている「木」が枯渇して、最終的には「木」の奪い合いになります(笑)

さらにさらに

「みんな頑張って働いてるんだからゲームだなんてそんな言い方(ry」「人の人生を背負ってるんだから(ry

とも言われるのですが、「仲間も真剣にやってるし、人の人生背負ってるからこそ、絶対勝つつもりでやるんでしょ」と思うので、そこは良い悪いではなく、タイプの違いだと思います。ただ、僕は嘘が苦手なので、ゲームとして楽しんでるだけなのに、社会貢献活動!人間として成長!とかは言えません。別に社会貢献してるつもり全然無いし、成長のための道具は整理して渡すけど、それを使うのは本人だし、と思ってます。どうせなら勝った方が楽しいし、従業員の人生を一部背負い、人様からお金を頂く以上、真剣にプレイはしますが。

ただし、、、理念や大義を大事に掲げて運営している会社の経営者にとっては、それらはただのインナーブランディングであって、実際に腹の内は「金持ちになりたい」「名を残したい」「人の下で働くのとか無理」みたいなある意味人間らしい動機だったりします。これは憶測でも何でもなく、あらゆる規模の会社の経営陣と話して得た実体験です。「ゲームおもろい」と同じです。個人的な自己実現の追及に過ぎません。

本当にごくまれに社会的意義と自己実現が完璧に結びついた、聖人のような経営者もいらっしゃいますが、本当にごくまれです。ただしそういう人と会うと自分が犯罪者に思えてくるので胸が痛いです。一方で、そういった経営者は、人に滅茶苦茶厳しかったり、こだわりが強かったり、と負の側面も大体あります。良い悪いじゃないんです。

あと今すぐにやるつもりは無いけど、やっぱりゲームが好きだし、競技性のあるゲームがより好きだから、もっとお金に余裕が出来たらプロゲーミングチームの運営もやりたいですね。出来れば35歳くらいまでにはやりたい。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?