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GIVIのハードケースの最新事情についてFrom Nom 21.08.29

ボクのバイク選びの基準は人とはちょっと違うかもしれません。大前提がハードケース、なかでもトップケースがそのバイクに付くかどうか。付けられない、あるいはまったく似合わないバイクは選択肢に入らないのです。

いまから16~17年前、BMWのF650ファンデューロを手に入れ、GIVIのトップケースを付けてから、バイクにトップケースなしは考えられない、そんな箱フェチになってしまいました。

複数台所有しているときも、どのバイクにも必ずトップケースを装着しました。例外は、MVアグスタのツーリズモ・ベローチェ(ボクのページのタイトル写真の赤いバイク)。世界一美しいツーリングバイク(今でもそう思います)に一目惚れしたボクは、トップケースが用意されていないのを知りながら日本への輸入開始とともに手に入れました。

ツーリズモ・ベローチェは予想以上に素晴らしいバイクで、その美しく独特なスタイルから高速道路の料金所やパーキング、そしてガソリンスタンドなど、いたるところで「なんてバイク?」と声をかけまくられるのもとっても嬉しく、満足して乗っていました。

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でも、1年ほど経つと、やはり何かもの足りない……。ボディにインテグレートされた美しいサイドケースが標準装備されていましたが、日常使用にはやはりトップケースがいい。メーカーにも、なんとかオプションで用意してくださいとしつこくしつこくお願いしましたが、いつまでたっても用意されないし、アフターパーツメーカーからもリリースされない(シートレールの強度の問題とか言っていましたが……)。

まる3年が経ち、初回の車検を迎えるころにはその不満が最高潮に達し、あんなに恋焦がれて愛用していたツーリズモ・ベローチェを手放すことにしました。

まさに、箱フェチここに極まれりって感じですね。笑

前置きが長くなりましたが、今回、新たに手に入れたホンダ・ADV150は、過去の反省を踏まえてちゃんとGIVIのトップケースが用意されていることを確認してから購入。これを機に、久しぶりにGIVIのケースの最新事情について調べてみました。

主流は丸いケースから四角い箱型に

ADV150に装着したGIVIのトップケースは、E43NTLモノロックケース。専用のステーが用意されていて、車体にステーを固定してその上にトップケースを装着しています。                       (写真下が専用ステーで、車体に固定する金属製のバーと、その上に取付けてケースを固定するベースプレートで構成されています)

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モノロックケースの場合、専用ステーが必ず必要なモノキーケースと違い、キャリアなどに汎用の取付ベースを固定してその上にトップケースを装着する方法もありますが、専用ステーがあるとキャリアの最大積載量に左右されないため、ケースの最大積載量がキャリアに固定する場合より少しアップするのがいいところ。

そして、このE43、四角い箱型です。この前に乗っていたホンダ・X-ADVでは、アドベンチャースタイルに合わせてモノキーケースのTREKKER DOLOMITIという真っ黒なアルミのボックス型(写真下)を3つ装着していたのですが、アドベンチャーバイクの流行に乗って、トップケースも排気量の大小問わずいまや完全に箱型(それも色は圧倒的に黒)が主流になっていると、GIVIの輸入元であるデイトナさんの営業担当・井口さんが教えてくれました。

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販売個数のベスト4までを「箱型」ケースが独占!

その中でも、もっとも販売個数が多いのが箱型のB32NB(写真下)次いでボクが装着したE43NTL(B32NBの下の写真)。3位と4位もこのB32とE43の派生モデルが占め、5位にやっと従来の主流モデルだった丸っこい形状のE300が入るのだそうです。

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そしていま、人気急上昇中なのがB42シリーズ(写真下。モデル名はB42NB)で、これも当然、黒い箱型です。なんだかボクが知っているGIVI(だけに限らないかもしれませんが)のケース事情とは、完全に様変わりしていたようです。

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思い出しましたが、ちょうど大型アドベンチャーバイク用に箱型のアルミケースが発売され始めた頃(いまから10年以上前だと思います)、トップとサイドにシルバーのアルミボックスケースを装着したBMWのF800GSをお借りしてどこかのイベントに行ったとき、まだ見慣れない箱型ケースを3個付けたF800GSを見た知り合いに「魚屋さんですか?」と大笑いされたものです。なんだか隔世の感がありますね……。

43リットルモデルならヘルメット+レインウエア+αが収納可能です

GIVIのケースの名称に付いている43とか32とかいう数字はケースの中に収納可能な容量(リットル表示)で(最大積載重量はこれとは別で、モノロックだと3㎏)、大きければそれだけモノが入ることになります。

ただ、最近の125㏄ブームもあって、人気になっているのは容量が32~43リットルくらいのモデルだそうで、125ccモデルでも大きすぎることはなく(やはり、装着した時のバイクとのバランスもあるので)、250~400㏄モデルにも十分使用できるそうです。

今回ボクはよく知らないまま、勧められるままに人気ナンバー2のケースを付けることになったわけですが、これまで使用してきたGIVIのケースと同じく、収納のしやすさ(箱型だとさらに入れやすい)、ケースの開閉の簡単さ、そしてベースプレートへの脱着のしやすさなど、使い勝手は抜群です。        (写真のように、オープンフェイスのヘルメット+レンイウエア+小ぶりなバッグ+αが収納可能です)

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さらに、完全防水とはうたっていませんが、これまでGIVIのケースを付けた状態で台風のような大雨の中を走ったこともありますが、ケース内に浸水したことは一度もありません。ボクは水は入らないものだと信じていますが、心配な方はGIVIが用意している防水インナーバッグを使用すればOKです。

スーパーカブユーザーにGIVIのケースが大人気

そして、前出のデイトナ・井口さんに聞いた興味深いお話が、いま大人気のスーパーカブシリーズ(クロスカブ、ハンターカブ含む)のユーザーにGIVIのトップケースを装着する人が増えているそうなのです。

トップケースは大型のツーリングバイク用、というイメージが強かったのですが、スーパーカブを実用オンリーではなくツーリングにまで使用するライダーが増えたことで、そんな傾向が生まれているようです。

それも、大型のアルミトップケースのOBKシリーズを装着する強者までいるのだそうです。にわかには信じられませんが(バランスどうなの?)、あらゆる用途にスーパーカブを使い倒すユーザーにとって、堅牢で使い勝手も抜群のGIVIのケースは相性がいいのでしょうね。            (写真下は、58リットルのOBK58を装着したハンターカブ)

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さらに、スーパーカブに乗っている方はヘビーユーザーが多く、専用ステーがないモデルでも純正のリヤキャリアにご自分で汎用のベースプレートを取付けて、強引にケースを装着する人が多いのだそうです。

ただ、輸入元のデイトナとしては、運転に支障がなく、さらには純正のキャリアが破損する恐れがない適正な位置にケースを装着して欲しいという考えがあり、CT125ハンターカブにGIVIのトップケースを装着するための専用スペシャルキャリア(デイトナで製作したそうです)まで用意しています。             (写真は、そのモノキーケース専用キャリアとそれを純正キャリアに装着した状態。ほかにモロックケース用のキャリアもあり)

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そして、現在のトップセラーはホンダ・PCX用

以前、GIVIのケースが最も売れているバイクを聞いたとき、確かホンダのCB400SFという答えが返ってきました(もう10年くらい前かも)。

このときも、大型ツーリングバイクではなく、中型のスポーツバイクであるCB400SFなんだと驚きましたが(販売台数が多かったからかも)、現在はどのバイク用ケースが最も売れているかを井口さんに聞いたところ、圧倒的にホンダ・PCXシリーズ用ということでした。(写真はB42を装着したPCX)

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シティコミューターのPCXですが、最近は郊外のツーリングスポットでもよく見かけますから、通勤・通学の街乗りだけでなく、近場のツーリングなどを楽しむPCXユーザーが増えているのでしょうね。

本来、ハードケースは大型のツーリングバイクユーザーが好む嗜好品という以上に、どんなシーンでも便利な実用品ですから、日常ユースからツーリングまで便利に使える125㏄~クラスのモデルにこそ最適なのかもしれません。

ホンダ・レブル250にも箱型ケースが大人気!

もうひとつ面白い話があって、いま大人気のホンダ・レブル250にも箱型のトップケースを装着するライダーが増えているのだそうです。     (写真下は専用リヤキャリアを取付けてB32を装着したレブル)

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いわゆるアメリカンモデルの定番バッグと言えば、革のサドルバッグかと思ってしまいますが、どうやら昔からアメリカンモデルにはホームセンターで売っているケース(通称・ホムセン箱)を装着する人がいて、その流れでGIVIのトップケース、それも箱形を選ぶ傾向が出てきたようだとのこと。

確かに、北海道をアメリカンでツーリングする場合など、巨大なホムセン箱を付けている写真をよく見かけますよね(維新の会の松波ケンタさん、元衆院議員で現・大阪県議も北海道ツーリングに行くときにハーレーにホムセン箱を付けていました)。ホムセン箱よりも、確実に装着できて、一定の防水性もあるGIVIのケースを付けたいという気持ちはよく分かります。

今回、GIVIケースの最新事情を取材して、いまやハードケースはとても一般的なアイテムになっていて(昨今のツーリングブーム、キャンプブームも一因でしょう)、かつての大型ツーリングバイク用からもっと幅広いユーザーに支持され、だからこそマーケットで売れている人気バイクに合ったケースがよく売れているということが分かりました。それも、なんとなくアドベンチャー風味を感じられる黒い箱型が。




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