見出し画像

杏優ソロリサイタル The World✙無限✙at ときわ台Cave ライナーノーツ


昨年の僕の生誕祭イベントに出演してもらったご縁で今回の杏優ちゃんのワンマンライブにゲストとして出演させて頂きました。

ワンマンライブの第3部。

僕は杏優ちゃんのピアノ×歌のコラボコーナーに参加させて頂きました。

もともと僕はギタリスト。
歌を始めたのは30歳を過ぎてからのこと。

そんな自分が「歌い手」として呼んでもらえる日が来るなんて、
とてもとても嬉しくてそして不思議な感覚でした。



                ★

コラボ1曲目に演奏したGLAYのBELOVEDは、僕が小学生の頃に初めてお小遣いでCDを買った曲で、そしてギターを始めるきっかけになった曲でもあります。

そんな自身にとって大きな思い入れある曲をまさか杏優ちゃんの奏でるグランドピアノに合わせて歌う日が来るなんて夢にも思っていませんでした。

いや、夢には思っていましたね(笑)


「やがて来る それぞれの交差点を 迷いの中 立ち止るけど それでも人はまた歩き出す」

「どんなときも 自分らしく生きていくのに あなたが傍にいてくれたら」

「Ah 夢から覚めた これからもあなたを愛してる」


15歳の頃に胸を打たれて、でもその意味はよく分からなかったBELOVEDの歌詞。

その意味が、今は当時よりもほんの少しだけ気がする分かる気がします。


               ★

そしてコラボ演奏はGACKTさん、hideさんの楽曲へと続きました。

僕が少年の頃に夢中になったヴィジュアル系を、親子ほどにも年齢の離れた女の子と一緒に演奏する日が来るとは(笑)

バラード中心だったからあまり伝わっていないかもしれないけれど、今回のワンマンライブへの参加が決まってから当日まで、僕はずいぶんはしゃいでいました。

「ヴィジュアル系だ!ヴィジュアル系をやるんだ!!」と。

普段は決してしないシルバーアクセサリーをつけてみたり、ドン○ホーテで見つけてきた300円くらいの染料で髪を赤く染めてみたり。
(結局当日にはほとんど色は落ちてしまっていたけれど笑)


15歳の頃に部屋で1人ギターを構えて、その姿を窓ガラスに移しながらひとり空想していたこと。


「いつかはヴィジュアル系やりたいな」

その夢は20年以上もの時を経て、ひとりの小さな女性ピアニストが叶えてくれました。


そうそう。

僕は歌詞を覚えるのに苦労するタイプだけれど、今回はまったく苦労しなかったです。

いつだってそらで歌える。

「覚えている」というより「ずっと一緒に生きてきた歌だから」


ありがとう。
最高に楽しかった。


僕は今回のライブでもLast Songを演奏させていただいたGACKTさんのライブを何度か観に行ったことがあるのですが、毎回GACKTさんがステージからおっしゃるのは

「このライブの瞬間は君たちが帰る場所だから、いつでも帰ってこい」

という言葉です。

僕達はひとりひとり違う人生を生きています。

どんなに綺麗ごとを並べたとしても結局のところ、ひとりで生きてひとりで死んでいくしかないのかもしれません。

だからこそこんな風に同じ時間を共有できる時間が愛おしくて仕方ないのかもしれません。


この日杏優ちゃんが成し遂げた時間はなかなか出来ることじゃないです。


「またこの場所に、この時間に帰って来たいな」

そう思ったのは僕だけじゃないはずです。


                 ★

ソロであること。
つまりは「ひとり」であること。

ライブハウスで共演のバンドを見るたびに、その眩しさに僕は自分が「ひとり」であることへの引け目を感じることもありました。

それでももがき続けてみたら自分とよく似た、ソロで頑張っているミュージシャンたちとの出会いが増えていきました。

杏優ちゃんもその一人でした。


自分とよく似た誰かの頑張りに背中を押されて、それで何とかやり遂げられたこと。

自身にとって思い出深い出来事の隣にはいつもそんな自分とよく似た誰かの頑張りがあった気がします。


                ★

この世界には「やった人にしかわからないこと」が確かにあります。


例えばサッカーワールドカップの決勝戦がPK合戦にもつれ込んだとしましょう。

ゴールキーパーとキッカーの1対1の勝負。

基本的には圧倒的にキッカーの方が有利です。

でもそのキッカーにかかる重圧は計り知れません。

そしてその舞台に上がれる人間は一握り。

「神様は乗り越えられる人にしか試練を与えない」

それはやっぱり本当だと思います。



                ★

「ワンマンライブをやる」と決めて、そしてその幕が下りるまで。

たったひとり。
彼女はどれだけの重圧の中を過ごしてきたことでしょう。


全てを自分の肩に背負って、何かあれば自分の責任。

誰のせいにも出来ない。

それはびっくりするほどに孤独。
孤独を感じさせられるといってもいいかもしれません。

そんな挑戦をやろうと決めたこと。
そしてそれを成し遂げたこと。


確かに「ソロミュージシャン」は「孤独」かもしれない。

でもそれは「ひとりぼっちとは違う」んだということ。

この日の演目の全てを終えた杏優ちゃんの表情が、会場を包んだ優しい拍手と彼女を見守るいくつもの優しいまなざしが教えてくれました。



本当によく頑張ったね。

お疲れさまでした。

ワンマンライブの大成功おめでとう!


第3部 Taishi Nomuraゲスト出演 セットリスト

1.BELOVED(GLAY)
2.Last Song(GACKT)
3.TELL ME(hide)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?