盗んだバイクで走り出すの、盗まれた側の気持ち。

好きな人は多いし、熱狂的な人もいるので先に謝っておきます。

尾崎豊、好きじゃないです。

以下は、個人の感想ですので予めご容赦を。

だって考えてみなさいよ。
「15の夜」にサビに超有名なフレーズがありますよね。

盗んだバイクで走り出す 行き先もわからぬまま

盗んだということは必ず盗まれた側、持ち主も存在するわけで。
例えば持ち主が憧れて憧れて、せっせとバイトでお金を貯めて。
そして念願かなって漸く買った愛車。
持ち主は愛情をかけてキレイに磨いたり、一生懸命自分で整備をしたり、その愛車で出掛けてかけがえのない思い出を作るわけです。

彼女ができたらね、二人でいろんな所に出かけるわけですよ。
タンデムで胸が当たってちょっとドキドキとか、海に行って夕日を眺めたりとか。
出先でケンカをしてもタンデムで帰る他ないし、本気で嫌いになったわけじゃないから、「ごめん、ちょっと言い過ぎた」とかね。

持ち主に色んなドラマがあるかもしれないんですよ。

それを盗んじゃう。
鍵をマイナスドライバーでこじ開けたり、直結したりでそのバイクに傷をつけちゃうわけですよ。
盗んだ側も「行き先もわからぬまま」とか言ってるから、盗まれた側はもっと凹みますよ。

愛車、どこかに行っちゃった…

もうね、盗まれた側のほうが切ない。
当たり前ですよ。
めっちゃ凹みますよ。

あと「卒業」の中にも

夜の校舎 ガラス窓を壊してまわった

この主人公の家業が「学校にガラス窓を納入する業者」だったら、とか。
器物損壊の上に、ある意味インサイダー。

すっげえ悪い家。
税金を巻き上げるすっげえ悪い家。

別に歌詞は創作物であって何を書いても良いし、受け取り側の問題ですから。
聖人君子のような、毒にも薬にもならねえ薄い歌詞よりはよっぽどいいと思うんですよ。

ん〜。
でもね〜。
これらを歌を聞いた時に「そう思っちゃった僕」もいるわけで。
だって覚醒剤で有罪判決食らってる人だもん。

社会に対する反抗もわかるけどさ、悪いことをして「このヨノナカはクソだ」と言ってもねえ。
説得力、ないし。

中学生の時にそう思ってた。
高校生の時に尾崎豊は亡くなったけど、言うほどカリスマか?と思ってみたり。

忌野清志郎はその対極かな。
タイマーズのテーマはほぼ「大麻大好き」って歌っちゃってるし、夜のヒットスタジオで「おまんこFM東京!」と生放送で絶叫したり。
ロックで君が代事件もあったけど、僕は発売しなかったポリドールが日和すぎじゃねえかなって。

でも自転車が大好きだったり、高校時代は「大人しいけど、留年ギリギリまでサボる」学生だったり。
ちょっとほっこりするよね。
同じ世界で、超えちゃいけないラインをちゃんとわかっている。
その中でヨノナカに反抗する。

つまり、自由と責任を果たしているんだよね。

アレに似ているんだよね。
「不良自慢」「更生自慢」
だったら最初っから不良になる必要もないし、更生する必要もない。

超えちゃいけないラインをわざと超えて、戻ってきたよ、すごいでしょアピール。

そういうの、すごくキライ。

もう25年以上も前に亡くなった人を悪く言うな、という人もいるだろうけど。
じゃあ亡くなったから全部チャラねというのもおかしな話でしょ。

何が言いたかったと整理すると
 ・違法なおクスリ、ダメ、絶対
 ・不良自慢は大嫌い
 ・バイクは自分で買いましょう
ということです、ハイ。