苗字という名の記号。

僕の苗字は野村といいますが、その野村家とは断絶していまして。
まあ親が離婚したからなんですが、母親が苗字を戻すのめんどくせえということで、まだ野村を名乗っているわけです。
母親が苗字を戻すと言ったら、僕も野村を捨てていたことでしょうが。

あんまり好きじゃないんですよね、野村。

でも変えるのも一苦労だし、語感も切れ味悪いですし。
お、う、あ。ですもん、母音が。
全然シャープじゃない。

で、今はお盆のまっただ中。

母方の親族や祖父の納骨堂は道東にありますが、何せ「お墓」がありませんから。
祖父が「墓なんか要らねえ。納骨堂で充分」と言っちゃったもんだから。
最後に墓参りをしたのって何時くらいですかねえ。
もう20年は行ってないはずです。

妹は結婚して苗字が変わって久しいので、まあそれも羨ましいと言うか。
結構シャープな響きで。
漢字の画数も少ないし。

野村の方の墓は八柱霊園にあるんですがね。
別に興味もないし、行く理由もないし。
世話になった記憶なんぞこれっぽっちもないし。
小便引っ掛けても問題ないと思ってるくらい。
やらないけど。

なんつーかねえ。
まず何処に行っても「ノムさん」呼びですから。
それは仕方ないし、僕はコントロールできない部分ですから。
諦めながらも一生この先「野村」がついて回ると考えると、ウザい。
非常にウザい。

じゃあ婿養子になればいいじゃんってったって、相手いねえのにできるはずもなし。
もう全然恋愛、色恋沙汰から離れすぎて家庭を持つのも想像できなくなってきたし。

あ〜、めんどくせえめんどくせえ。
僕の骨はトイレにでも流してください。
できれば高級のウオシュレットタイプで。