一週間

 沖縄で働き始めて、とりあえず月〜金で一週間仕事しました。まだまだ補助輪つきで何をするにも周りの方々に聞きながらじゃないとできませんが、仕事の中身にも、一緒に仕事する人たちのことにも、興味がもてるというか面白がれるというか、そういう感じなので愉しく仕事しています。
 最初に会社に勤めた時も、公共ホールを転々と転勤していたときも、アゴラ企画・青年団・こまばアゴラ劇場で働き始めた時も、この働き始めの時期がなんか好きです。組織のシステムとか生態系?を吸収していくときの謎解き感というか。自分にできることが見えてくる感じというか。

 演劇やろうと思ったとき「まず役者からやれ」といわれて、何もわからずやっていて、1年経って音響スタッフやったときに役者のことがなんとなく掴めたりして。その後も、演出やって座組のことがわかったり、公共ホールで仕事して演劇活動の強みがわかったり、劇場で働いて劇団を受け容れることで劇団のあり方についてわかったり、創り手を選定する側をやって創り手のことがわかったり、別ジャンルの人と仕事して自分たちの領域のことが見えてきたり、舞台の上から、隣接するゾーンを外側へ外側へと移動してきている僕のプロセスなのですが、今回もそういう感じで、助成金を出す側のことを知って、もらう側のことが掴めてくる部分がすでにわりとある。
 まだぺーぺーですが、この一週間ですでにレベルが3くらい上がった感じがしています。(今までのレベルと最高レベルがどのくらいなのかは置いておいて笑)

 沖縄の中でも外でも、会う人に「なんでよりによって沖縄に?」みたいなことを聞かれます。確かに今年の2月(アートキャンパスin沖縄)まで全然ゆかりもなかったですし、奇異に思われるのもわからなくもないのですが、「全然わかるでしょ」とも思う。
 日本全国を見渡してみて、沖縄がいま一番先端的にやっていることがある。そういう思いがあって沖縄で働きたいと思ったし、とりあえず来てみて一週間経ってもそれは全然減らないどころか増えて、確信に変わりつつあります。現時点でどれだけ理屈を言っても詮無いと思うので、自分の感覚を信じて、何年かしたとき、「なんで?」といっていた方たちが「そうか、そうだったか」と思うように仕事をしていきたいと思います。

 沖縄(琉球)を通して東京(江戸)をみると東京のことが俯瞰的に違ってみえてくることとか、国内各地で、あるいは日本自体が呑み込まれているといえる「文化的な植民地化」についてのこととか、なんかそういうことも、自分が沖縄に移動してみて、感じ始めている。
 「文化的な植民地化」に関していえば、それは今自分が携わり始めた仕事にいつでもつきまとう部分でもある(けど単純に沖縄の伝統だけをアイデンティティにすればよいという話でもない)。一方で、自分の田舎のことを考えても、地域のアートプロジェクトやフェスティバルとか考えても同じイシューはいくらでもある(けど無自覚にスルーされていることも多い気がする)。

 まだまだこれからいろんなことについて気付かされるんだろうな、という予感を感じています。仕事を通して、沖縄に関して学びながら、そういうようなことについて何か書きたいと思った時に書いていきたいと思います。