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メタデータ賞歴:高専AIの勇者

 昨日書いた、メタデータ社主宰のハッカソンの主なターゲットは、数年前までは、MA = Mashup Awardsでした。様々な部門賞、テーマ賞もありましたが、賞金100~200万は象徴的。先だって高専ロボコン(標記wikipedia写真)ならぬ 高専DCON=ディープラーニング・コンテストの優勝賞金も100万。まだまだナイーブな応用作品ばかりでしたが、「そんなわざわざアナログメーターを画像認識で読み取らなくても、デジタルメータ化すれば認識不要じゃない?」と思えたテーマの優勝校が産業界の実態を鋭く押さえていたかもしれないし、今後に要注目ということはできます。→※但し、問題解決手法としてディープラーニングしか知らないことには大いに危険がある点は末尾を御覧ください。

 さて、数年前のMAで、メタデータ社の感情解析APIを主力として活用し、「スマフォカメラを胸にぶら下げた人が景色、風景、人物等をみてつぶやき、そこに感動を読み取ったら自動でシャッターを切る」Steky Memory(素敵メモリー)という作品が応募、出展されました。厳正な審査の上、メタデータ賞を授与させていただきました。今でもダウンロード可能です:

API開発者が思いもよらない応用用途であり、ライフログ的な発想の下、重要度、印象に粗密のある時間軸上で、残すべき価値のある瞬間の画像を即座に自動撮影し自動でクラウドで上がるようにする、という発想は5G時代の未来社会でのパーソナル・ライフを先取りしている、と感じました。DCONの決勝チームよりも発想としては遥かに格上だったといえるでしょう。

 受賞者のMさんは、当時明石高専在学中。その後実質2年飛び級で奈良先端大学院大学に入り、奨学金や研究資金を得てドイツに留学。現在は、母校奈良先端大学院大学の教員を務めておられます。このような事例にもっと光を当てて、その作品そのものはただちに産業的価値は生まないかもしれないが、その発想力が、どこか突き抜けたものがある、という人物にこそ、投資をしたいものではないでしょうか? ロボコンで上位常連の明石高専、奈良高専には金の卵がまだまだ埋もれていると思います。深層学習にばかり引きずられないよう、サービス利用者の心情に寄り添って、consumer向け分野、ネットサービス(GAFAやBATを前に白旗あげないで!彼らにも、Yahoo!にもカバーできていないサービスなんて山のようにあるのだから!)分野でも、世界に通用する新サービスの開発をencourageしていってほしいものだと思います。

※後日書きますが、ディープラーニングしか知らず、他の機械学習はもちろん、数理最適化アルゴリズムが何千、何万種類あることすら知らない人が無理やりビジネス応用を考えることには非常に危険が伴うと思います。無駄な投資になりかねません。なぜ失敗するのか、全く違うアルゴリズムにも知悉した人間でないとわからないのです。このあたり、投資家さんたちは肝に銘じていただきたいと思います。

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