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BRM622神戸400km Granfondo Stage.3但馬山塊

ブルベを始めたら、まずはSRの取得を目的、目標にする方が多いだろう。で、あっさりとSRを取得してしまうと、次の目標が見つからなくなってしまう方もいるようだ。”普通の”ブルベなら、楽々クリアーするランドヌール(ランドヌーズ)でも、走り応えを感じる事ができるコースが神戸にはある。という事で、300kmに続いて、神戸グランフォンドシリーズの400kmに参加してみた。

スタートの再度山、ハニー坂を経て六甲山頂からのゴール、定番の難所は、もはや話題にもあがらない(笑)今回のメインは中盤の但馬アルペンロード、ハチ高原だ。

予定では、24時間くらいでゴールして、そのうち3時間ほどは雨に降られるだろうか?最低限の雨対策を施してスタート。今回は前泊をしていたので、ゆっくりと朝ご飯を食べてから余裕を持って受付へ。スタートには折り畳み自転車や、DHバーにキャラクターでデコレーションした自転車など、”キワモノ”の姿も...。スタンダードではない、という事はよほど脚に自信がある証である。(実際にDHバーの方は20時間台で一番にゴールしている)400kmは眠たくなるかどうかで、難易度が左右される。自分の作戦は、このコースで仮眠を取るだけの貯金を捻出するのは難しいので、身体にダメージを蓄積させない走り方で眠くならずに完走するのが狙いだ。

雨対策はリアフェンダーと、前輪用の簡易フェンダー。どれだけ装備を固めても濡れる時は濡れる。ただし、これらがあるだけで、不快感は格段に減らす事ができる。

スタートから朝来までは天気も良く好調そのもの、無理のないペースで進行する。道中で2月の土佐日記でお世話になった、S島さんとご挨拶。

前半は快調そのものだったが、通過チェックのある蘇武岳付近になると様子が変わってくる。霧以上雨未満の視界のなか道がどんどん荒れてきた。ブリーフィングでの注意もあったが、視界が悪い中の悪路走行はスリリング。しかし、雨は予想していたが雲の中を突き進むとは想定外だ。神戸のブルベは毎度毎度ながらスパイスが良く効いている。(自分が参加した中で晴れたのは1回のみ、それ以外は霧とか台風直撃とか...)

霧に悪路に、早くも普通のブルベじゃなくなってきた。タイヤの性能を信じて慎重に走るしかない。

山を下った後は、いよいよ雨が本降りに。今回は最低でも気温は13度と予想して、レインウェアの用意はなし。本来は防寒用だが、携行していたベストとウィンドブレーカーで雨を凌ぐ。雨対策のキモは、「いかに濡れないか」、ではなくて、濡れる事によって体温が奪われることと、濡れた事による不快感でパフォーマンスが落ちるのを防ぐ事が大事だ。今回の状況(気温が低くない、強度が高めのコース)を考えるとレインウェアでは雨は防げても、発汗量が増えるのは避けられないし、脱いだり着たりを繰り返す事による時間と心理的なロスが発生する。結果的に予想より長い時間雨に降られたが、危機的状況に陥ることなく中盤をクリアーする事ができた。

前回に続いて、天気さえ良ければ、また違った印象になるのにな...と思いながら走る。

PC2で新聞紙を利用してシューズを乾燥させる。LAKEのカンガルーレザーなら、不快感が無い程度に乾かすなら15分もあれば十分。レジのお姉さんに新聞紙をおねだりするのに気が引けたので読みもしない朝刊を購入。

何とか日没前に到着したフォトコントロール。綺麗な棚田が見え...ない。

PC2で折り返した後は、ハチ高原までが難所で、そこから先は下り基調のボーナス区間。中盤の難所を、日没後に降雨という最悪のコンディションで、如何にトラブルなくクリアするか?明るいライトで路面を照らして慎重に走るのは当然だが、今回の難敵は野生動物。突然飛び出してきた鹿をギリギリのところで回避するが、後輪にいやなショックを感じる。しばらく走ると後輪がふわふわに、ここでまさかのリム打ちパンク。リタイアした事はあまりないが、ブルベ中にはだいたい「早く家に帰りたいな」と思っている。まして、見知らぬ山の中であればなおさらだが、家に帰るなら完走するしかない。しばらく虚空を仰いだが、諦めてパンク修理を済ませて先を急ぐことに。

パンクした後の通過チェック。もうこれ以上の想定外の事態は勘弁してほしいが…。

続くハチ北高原のルートが通行止めに。主催者から指示された迂回路で六甲山を目指す。

今回は総じて体力的にダメージが少なくなるように意識したせいか、六甲山にたどり着くまで眠気は一切感じなかった。SR600でも実践した走り方がいよいよ身についてきたか。と油断したら、東六甲で上がり始めた気温のせいか、眠気に襲われて2度3度と足をついて、力強くダンシングで最後の上りをクリアするS島さんを見送りながら目を閉じて休憩...。眠気には勝てなかったものの、結果的に24時間を少し切る、まさに予定通りのタイムでゴールする事ができた。今回の収穫は蘇武岳やハチ高原など、面白そうなルートの開拓が出来た事だろうか。地図を見れば一目瞭然だが、兵庫県は広い!あらゆる峠、難所を開発しつくす主催者には脱帽である。

せっかくなので、勝手にフォトコントロールぽく撮影。止まない雨は無い、明けない夜は無い。サドルのうえでそれを体感したブルべだった。

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