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SR600紀伊山地③~終わりと始まり~

久しぶりの熟睡で、予定通り3時にスッキリと起床。宿で用意してもらったお弁当の一部を食べて、残りはポケットに詰めて再スタート。最終日に残した220km、強敵は護摩壇山、高野山を残すのみ。高野山から先は下り基調でゴールへ向かうだけ。翌日に控えた健康診断に備えて18時までにゴールして晩御飯を食べればミッション完了だ。4時に再スタートしてから夜が明けてくるにつれて、雲行きが怪しくなってきた。今回は珍しく3日間通して晴れ予報。ただし、山間部の天気は変りやすい。リアフェンダーの装着、雨具の携行など準備はぬかりないが、輪行で帰宅するので出来るだけ装備品は汚したくない。龍神の手前の集落にある商店の軒先で雨宿りをしながら雨具レーダーを確認。タイミングよくお店の方が出てきたので、椅子をお借りして世間話をしながら30分程時間を潰す。今回のブルベではコンビニ以外の商店などの利用が多く、行く先々で地域の人達と触れ合う事ができた。和歌山はその気候のように、温かく明るい人たちが多い、勝手にそんな印象を持ってしまうくらい、今回のブルベ中は色んな人にお世話になった。休憩場所を提供してもらったり、食べ物を貰ったり。特に和歌山の人は、疲れた顔をしている自転車のりを見ると梅干しをくれるらしい(笑)

パラパラと降り出した雨。お店の人曰く、この集落を抜けると雨は止んでいるそうだ。力の限り走るだけでなく、情報を収集して総合的な判断をするのも大事な"カード”のひとつ。

最終日の後半、高野山以後は下り基調のサイクリング、SR600にしては”楽”であるが、時間的に近露から高野山までは補給地点はなし。やはり簡単なライドではない。龍神スカイラインからは完全にドライコンディションで、おにぎりをパクつきながら淡々と走る。昨日の一泊が効いたのか、この日も予定通りに各地点を通過。難なく野迫川を抜けて高野山へ。高野山からの下りは、前方の高齢ドライバーを先頭とする車列が出来上がって、ハラハラしたが、時間に余裕はあるので最後尾でのんびり下る事に。その後は、恒例の?国民休暇村への上り坂へアタックをして、予定通り18時までにゴール。めでたく認定完走、健康診断前日の絶食タイムに間に合わせる事ができた。

護摩壇山からの下り。今回のSR600の最高到達点だが、走り易い道が続くので、苦労の末にというよりも気が付いたら通過していた?という感じ。紅葉シーズンならまた違う印象を持つのだろうか。

久しぶりの高野山。観光スポットあり、ゴマ豆腐などグルメもあり。ツーリスト部門なら、宿坊で宿泊や写経したりするのも面白いんじゃないだろうか。

さて、このSR600はやはり難易度が低い。これは間違いないが、決して生易しいブルベではない。道中で宿泊をすればナイトライドを避ける事もできるが、1年を通して雨が多い地域を通るので、日中に思い通りに走れるとは限らない。宿の時間に合わせて無理をしなければならないシーンもあるだろう。また、ファーストランをするには、勝浦~高野山まで通過時間によっては、補給を取れない可能性が高い。一つ一つの峠の難易度や低いが、逆にいうと絶えずアップダウンを繰り返すので、安定したダウンヒルのスキルも問われる。そして、気になるのは那智~熊野川の区間の道の荒れ具合だ。まとまった雨が降った後はひどい具合になりそうな予感がする。というように、己の体力・スキルの把握と、ライドのマネジメント力が試される。なお、完走メダルは何パターンも用意されており、何度でも楽しむ事ができるコレクター泣かせの仕様になっているそうだ。何とかスケジュールを調整して今年はあと2回は参戦したいところである。さて次はどんな計画で走行しようか、今から楽しみで仕方ない。

海から山へ、そしてまた海へ戻ってきた。600kmの旅も終わりが近づくとちょっと寂しくなってくる。たぶん何度ゴールしても同じ感情が湧いてくるんだろうな。


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