ボクらの時代「内田也哉子さん・YOUさん・是枝裕和さん」から学んだこと

2019年10月6日・13日と2週連続で放送された、「内田也哉子さん・YOUさん・是枝裕和さん」の『ボクらの時代』を見た。

これは今から11年前、「樹木希林さん・YOUさん・是枝裕和さん」の3人でやった回の”パロディ”のような位置づけになっていて、同じお店で、3人が同じ席(樹木希林さんの席に内田也哉子さん)に座るという、なんとも粋な企画!考案した方に「あっぱれ」を送りたい。

番組を見てまず思ったのは、内田也哉子さんってなんて素敵な人なんだろうと。独特の雰囲気、話し方のトーン、言葉のチョイス、穏やかな佇まい、抜群のバランス感覚。「この人の話をもっと聞いてみたい」と思わせるものを持っているように思う。

也哉子さんの才能・内面から溢れ出る魅力は、「内田裕也さんのお別れ会」の謝辞(弔辞)で気付いた人が多かったと思うけど、きっと本木雅弘さんはいち早く見抜いていたんでしょうね。

「両親があまりにも破天荒だったため、自分はなるべく普通の方向に行こうとした」「やりたい放題の両親を反面教師にして、自分は空気を読んで行動するタイプになった」。このようなエピソードを耳にすると、「生まれ育った家庭環境が、いかに人の性格に影響を与えているか」を実感せずにいられない。

ちなみに、YOUさんは”教育ママ”に育てられた反動でヤンキーになり、逆に是枝監督はヤンチャなことができるような環境ではなく、小学生の通信簿に「子供らしい伸びやかさに欠ける」と書かれていたそうだ。

番組の途中で、11年前の樹木希林さんの映像が流れたのだけど、「志がない人が大金を手にするのは危険。使い場所がなくなって宇宙旅行でもするか、みたいな発想が貧しい。いつか必ず滅びる」とおっしゃっていた。ちなみにこれは、2008年の発言。先見の明がありすぎて震えてしまう・・・。

あとは、也哉子さんが30歳のころから口が酸っぱくなるほど言われてきたという、「世の中の役に立てることは何なのか探しなさい」という言葉も印象に残った。自分には何ができるだろうか・・・。

最初から「人のため」だと長続きしないだろうから、「ただひたすら自分のためにやったことが、いつの間にか人の役に立っていた」というのが理想。それが何なのか、ない頭をフル回転させて考えなければ。

荻原浩さんの直木賞受賞作『海の見える理髪店』の中に、「その人がどんな人間だったかは、亡くなってからわかることもある」というフレーズがあった。樹木希林さんが結びつけた3人の番組を見て、改めてその偉大さを実感したSunday Morningでした。

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