しろくろフェス直前 (超個人的)事前メタゲーム総括 スタンダード編
※この記事は某TCGの総括記事から着想を得て書いています。
思うところはあると思いますが大元の記事の3割くらいの信頼度でお読みください。
前回のしろくろフェスから1年、今年もこの時期がやってきた。
前年から発売した商品を挙げれば
トライアルデッキ:16点
ブースターパック:18点
エクストラブースター:1点
プレミアムブースター:9点
プレミアムセット:1点
以上45点が発売された。
ほぼ月2回以上のペースで発売されるTCG「ヴァイスシュヴァルツ」。
その環境変遷は凄まじいものである。
そのカードプールをほぼ全範囲使用可能な状態で構築する「スタンダード」はコンボ性や異なるタイトル同士のシナジー、果ては半永久機関という多様な戦略性を有しておりネオスタンダードとは違った味わいを楽しむ事ができる。
本記事は、この1年に発売されたカードにスポットを当てつつ現在のプールで注目すべきデッキと予想されるメタゲームについて筆者の視点から解説していく。
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【トリガービートダウン】
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この1年で最も大きな柱となったのは「甘美の零龍喚士・ネイ」をはじめとした「ソウルアイコン」を活用したデッキ群だろう。
以前より「未来へと踏み出す一歩 がうる・ぐら」を用いたデッキはあったのだが当時環境の中心であった「香澄神拳」に不利だったこともあり表に出てくることは無かったデッキタイプだ。
それが一気にスタンダード独自の形になったのは前述の「甘美の零龍喚士・ネイ」と「目指せ!ロックスター! 伊地知虹夏」の存在が大きいだろう。
採用に必要なのはトリガーアイコンだけという比較的緩い条件ながらデッキ構築には一体どこまでトリガーの無いカードを採用するかというギリギリの部分を攻めさせることで尖らせる事も幅広く見る事もできる柔軟性を持つ。
ネオスタンダードと比べても火力は据え置きで且つ自動バーン効果を防がれても逆圧縮は使えるため完全に無力化しづらく、最新のカードも多く採用できるため、これからスタンダードを始めるプレイヤーでも集めやすくおススメなデッキだ。
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【〈anniversary〉】
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以前より注目されてきた〈anniversary〉もビートダウンデッキとして立ち位置を上げつつある。特に多く見られるだろう構築の核になるのは「戦場に響く大音声 アリス」を主軸としたものだ。
中盤から高パワーの盤面を展開しつつCXコンボでリソース回復と圧縮を同時に行い制圧。さらにスタンダードでは「“最後のさくらカード”木之本桜」等で山札を加速させることもできるためより隙が無いデッキとなっている。
令和になってから見るようになったこのデッキタイプも構築の自由度は非常に高くネオスタンダードのカードパワーを維持しながら戦えるため非常に研究しがいのあるデッキとなっている。
今年に入っても「カードキャプターさくら」が追加され、今後の追加も期待できる非常に伸びしろのあるデッキと言えるだろう。
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【『加速』】
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ここからは単体のカードパワーよりも複数カードのシナジーで戦っていくコンボデッキの紹介だ。
まずは「加速」。「『Su』の使い手 グッチョ」や「獣人種の幼女 いづな」などキーワード能力『加速』を用いた超アグロデッキだ。
これらのデッキで肝要なのはゲームの序盤。『加速』を持つカードを集め一気に展開。そして加速効果を一斉に誘発させてデッキ内のCX以外をストックに流し込む動きが一般的だがただこれを打つだけでは唯只管に自傷ダメージをもらい続けてしまうためデッキにもならなくなってしまうわけだが、それを解決させたのが「優木 せつ菜」。
どんなに自傷ダメージをもらってもクロック4枚の所で留めてくれるため一気にその地位を向上させた立役者と言っても過言ではないだろう。
このデッキが今期非常に高い地位を築いている理由として、「現行のループデッキに対して高い耐性を持っている」事に由来する。勿論ストック入れ替えをされてしまうとその限りではないが、それがなかった場合現在の各種ループデッキはダメージ効果のあるイベントを使用して勝利する動きが一般的だが、その前に圧縮された山を作られた場合ストック入れ替えをして崩さないかぎりダメージが入らないまま時間切れとなってしまう可能性があるためだ。
また、このデッキは「加速」を用いたあとは大量のストックを持った状態となるため非常に拡張性がありビッグアクションを起こしやすいという側面もある。
これを活用して「バナナパフェ」でのCX除去や「コールドゲーム」を用いたハンデスなど多岐にわたる活用法があるが果たして公式大会の場で新たな活用法は現れるのか。その動向に注目したい。
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【識バーン】
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こちらも以前からある「“夏の思い出”識」を用いた瞬間火力の高いコンボデッキだ。
通常打点を1点ずつに分割しダメージを与えていくのだが効果量の上昇はトリガーステップの間のみに限定される都合上瞬間火力の一点にその要点が集約されるわけだが、派手な見た目の割にこのデッキは地道な準備の上で行われている。
序盤は「帰ってきた天才 一姫」1枚と「国防装置としての役目 一姫」を複数枚思い出に置く様に立ち回る。この2種があることで火力を一気に引き上げることができる。
このあと「“夏の思い出”識」を用いるのだが日本語版でこれを持っているキャラはもう一つ存在する。「此に期するは豊穣の御霊 蔵 里見」だ。
ダイレクトアタック限定ではあるがこれも同じ効果を有するためレベル2の段階でも気を抜いてはいけない。
平均15〜20点を分割で与えてくるこのコンボは如何に圧縮した山とは言えダメージを防ぎきるのは至難の業であろう。
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ここからは現環境で確認されているループコンボに関する紹介だ。
先に覚えていてほしいのは、このレギュレーションにおいてループ手順を証明することで確定させられる「ループコンボ」は現状存在しない。理由は「山札という非公開領域を介しているから」だったり、「ダメージリソースがバーンイベントになる為にキャンセルをはさみ続けるから」というのもあるが、私は「山札切れによる負けが存在せず、レベル4になるまでゲームが続行され、制限時間内に決着しないと両者負け扱いとなる」からだと考えている。
そのため制限時間内で自分の山札を回しながら如何にして高効率で相手へのダメージを与えられるかという部分が重要になってくる。
その点も踏まえながら見てほしい。
また、私は同じ行動を繰り返すことのできる動きを「ループギミック」と呼称している点も付け加えておく。
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【ミッシェルループ】
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まずはミッシェルシールを用いたループデッキから。
2年前の公式大会で優勝しその後「初めての友達」が使用禁止となり一時は鳴りを潜めていたが新たなカードそして専用サポートカードを引っ提げて帰還したのだ。
それが「エレガンス・ライン メジロマックイーン」と「レペゼン・ハロハピ」。
思い出から戻す時は「M@STERS OF IDOL WORLD!!2015」で下駄を履かせた上で双方の思い出枚数を4枚にするカードを使って控え室に戻し、それを「レペゼン・ハロハピ」で回収・再利用する事になる。これによって工数のロスを極限まで短縮し時間内に勝利することが可能となっている。
ただし、構築上どうしてもノイズを外したいが故にCXを入れない構築になりがちだ。それを見抜かれて「万々歳」をはじめとした超火力で一掃されてしまいかねないので注意しよう。
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【観鈴パフェ-邂逅ループ-】
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「未来との邂逅」はそれ単体では勝利せず単純に「手札を増やすだけ」のコンボだ。
ただし、レベル置場に置いてあればそれがCXだろうがイベントだろうが何でも回収できる為「未来との邂逅」と欲しいカードを指定してレベル置場に置くことでストック消費のみで何度でも回収できるカードとなっている。
多少誇張はあるもののレベル置場を介することで発生する色を変えながら行動し続けることから手札1枚から理想の7枚+「未来との邂逅」をストック2枚で生成することも不可能ではないことからループコンボ以外にも様々なコンボのエンジンを担っているのは明らかだ。
これを用いたデッキで特筆すべきは「観鈴パフェ」だろうか。
バナナパフェでCX除去を行いつつ「最後の夏やすみ 観鈴」のCXコンボで大火力打点を放り込むダイナミックなコンボだが、消費ストックと要求される手札が多いため非常に難しい手札管理を要求される。
それの緩和に一役買っているのがこの「未来との邂逅」だ。
「はじめての海 イクノ」と「最後の時間 たきな」で生成したストックを用いて手札を集めつつ「バナナパフェ」で相手の防御力を弱めることで詰めを確実なものにする事が可能となっている。
長期戦になればなるほど辛くなっていくのは目に見えているので自分のペースを如何に作れるかがカギとなりそうだ。
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【愛莉ループ】
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もう一つ現在表に出てきているループギミック。それが「愛莉ループ」だ。
これは「眩い月の霜を纏って 天野愛莉」とCXを置くCXコンボを用いてストックを大量に生成。そうして作ったリソースをを用いてダメージイベントを投げ込み続けて勝利していくデッキとなっている。
ただし、これは先述二つのギミックと違い愛莉本体がレベル3であるが故に相手に影響及ぼす段階までに時間がかかってしまうのが難点であるが、逆にストックの消費から回復までが早くCXも採用されることから脆さを突かれる心配もなく戦える強みを持つ。また、こちらも「未来との邂逅」を採用することで貯めたストックを手札に変換できる点も強力だろう。
現段階では時間内の決着への活路が難しいため相当の練度を求められることになりそうだが、大会では秘匿された構築が世に出ることも少なくない。プレイヤーが驚くような秘蔵の一本が出ることに期待しよう。
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【〈ゲーム〉】
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ここまではビートダウン、そしてループコンボおよびそれに準ずるギミックについて書き出していったのだが、ここからは対策デッキが出てくるかという話をしようと思う。
これらの筆頭となるのは〈ゲーム〉特徴をベースとした構築だ。昨年「消えていくハイライト」で悪さをしていた奴等が今回は止める側に回る話、フィクションではありがちだが今回はそのパターンだ。
元々「謎の威圧感 恵」がイベントを封殺しながら手札を補充する動きをしていたのだが今回はループに対するガードが上がったことで採用が増えてきたのがこの背景となる。
更にはイベントを採用できる枠も多いので多角的に相手の動きを封じながらビートダウンをするデッキとして立ち回る事になりそうだ。
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【メタビート】
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それ以外にも多角的なメタを差しながらビートダウンするデッキは複数存在するのだが、所謂専用機構築になりがちなのが玉にキズだ。
例を挙げれば、一昨年の入賞デッキにある「シルバーバレット型略奪者アッシュ」の様なものもあれば、「ソウルコントロール型EX沙耶」の様にメタを張った上で殴り合いの打点を操作してくる型もある。
このような型は相手への対応を臨機応変に立ち回るスタイルのため、各所の枚数を減らしながら対応できる幅を広げているのが特徴だ。
それもあり、スーパーネオスタンダードの様なカードパワーで押し込むデッキに対しては脆くなってしまう傾向がある。
そういった弱点をどうやって克服してくるか注目したい。
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その他の注目デッキ
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その他にも様々なデッキが想定される。なぜなら朝からスーパーネオスタンダードを開催しているのだ。そのデッキを持ってスタンダードを乗り込んできてもいい。むしろそっちの方がアタックしてるだけでダメージレースが優位取れることの方が多いので気軽に参加してほしい。いや参加してくれ。参加者が増えればもっと力入れてくれるかもしれないから。
そんな話はさておき。前回準優勝した制限解除二乃はもとより、追加のあっら五等分や規制されたばかりのチェンソーマン、アニキ連パンなど気になるデッキは数多あるのだが、個人的には加速相手に有利が取れる可能性のある「プリシララインハルト」が来るとヴァイスシュヴァルツ老人会としては非常にうれしいところである。
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終わりに
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今期は特に唐突に終わるゲームは体感少なくなったものの、カード自体のインフレも非常に進んでいることで復活したループや新規のデッキタイプも多くみられた非常に変化に富んだ一年だった。
自らのプレイングや構築で後悔の無い大会であってほしいが、なによりもこのスタンダードというレギュレーションが楽しいものであると感じてもらえれば古参プレイヤーとしては成功だろうと思っている。
ぜひ楽しんでほしい。
最後に、この記事が対戦や決勝戦を観戦する皆様の一助となれば幸いである。
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