見出し画像

フェニルケトン尿症とミルク


ミルクと聞くと、何を思い浮かべますか?

赤ちゃんのミルクが連想される人、牛乳…などなどあると思います。


私たちの病気は一生ミルクを飲まなければいけません。



そう!赤ちゃんのミルクとは違うものなのです。

何が違うか、どういうものなのかを話していこうと思います。


その1 栄養を補給するものである

日頃たんぱく質の制限をしていますが、食べられない栄養素だけを排除することは自然界の物では不可能なので、本当は必要な栄養まで制限しています。
そのままだと栄養失調になってしまうのです。でも自然な栄養をたくさん摂るわけにもいかない。
そこで人工的に食べられない物質だけを取り除いた栄養補給ミルクを飲まなくてはいけないのです。
このミルクはお店とかで売っているものではなく、病院の先生が量を調整して処方薬として出されます。薬です。



その2 味

私は牛乳の味をよく知りませんが、ミルク味と呼ばれるものとは大きくかけ離れた味をしています。
科学的な味のじゃがいものポタージュ的なイメージが近いそう。
何かに混ぜたりして飲んでもいいのですが、私は混ぜるのはあまり好きじゃないです。みんなミルクの味になってしまう…


その3 粉末しかない

近年赤ちゃんのミルクに液体ミルクが増えましたよね。
治療用ミルクは原則粉です。
お湯に粉を溶くことになるのですが、プロテインみたいなイメージに近いです。
外出時、旅行時のミルクどこで作って飲むんだ問題は深刻で大人が1人で授乳室に行ってミルクを作って飲んでいいのか…?周りの目がしんどいな…と葛藤が起きます。

そして、原則粉と書きましたが、海外には液体ミルクがあります。私の病気は患者会に所属していれば液体ミルクを個人輸入できるようになりました。
味もよくて元のミルクに戻るのが嫌になるくらいおいしくて便利です。

費用は送料等込みで1回分600円。
私は1日3回飲まなくてはいけないので1日1800円…
全部置き換えると破産してしまいます…




こんな違いがあります。
ミルクじゃなくて錠剤はないの?みたいなことを聞かれることもあるのですが、錠剤にすると1回に何百錠も飲まなきゃいけないそうで…


あと災害時の不安もついて回ります。飲めない期間が続くと体調を崩すので、どうやって持って逃げるのかや粉を溶く水をどう確保するのかなどの問題があります。



変わりがない大事な物ですがハードルもたくさんなミルクです。
こんなものもあると知っている人が増えていくといいなぁと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?