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藤井聡太七冠【将棋のこと】

私は将棋を観るのが好きだ。
そして山崎八段ファンです。

藤井聡太竜王が名人を奪取して七冠を達成しました。破竹の勢いでデビューした当時でも、私は七冠は無理だと思っていました。羽生先生の偉大な記録を舐めてもらっちゃ困ると。七冠とタイトル99期は、そんなに簡単な記録じゃない。でも実際は簡単だったかのように成し遂げられてしまった。将来99期を超えたとしても、私はもう驚きはしません。

藤井七冠のことは書く気がありませんでした。プロアマ問わず文章上手の方々が、皆、書いている。私如きがと避けてきたのですが、先週嘆いた通りストックがありません。だから書くぞと気合を入れますが「強い」以外に書けることもない。仕方がないので私の藤井七冠に対する将棋以外の想いを書こうと思います。

「ずるい」

これが私の想いです。決して悪口ではなく、贈り物を沢山もらった子供に言うような「色々貰ってエエなぁ、ずるいなぁ!」の「ずるい」です。

藤井七冠の能力に関しては様々な棋士や有識者が語っていますし、おそらくそうなのでしょう。ただ一般に言われている藤井七冠の能力以外の趣味や嗜好、これが将棋をする上で非常に有利、プラスに働いていると思うので「ずるいなぁ」と思ってしまう。棋力だけでも十二分に強いのに。

藤井七冠といえば、自作すら出来るパソコンスキルと鉄道が趣味です。それはもうオタクの領域。全棋士がパソコンとソフトを用いて研究するようになった現在、セッティングさえしてしまえば皆平等だと言う人もいますが、本当にそうなのでしょうか?私のようなIT音痴でも仕事でパソコンは必須。急に出るエラーや不具合にはストレスが溜まります。突如起こりますし、仕様もコロコロ変わりますから日々不安です。しかし藤井七冠ほどのスキルがある人はどうでしょう。「やれやれ」ぐらいなもので対処も出来ればストレスも少ないと想像します。コレって結構大きなことだと思ってしまう。またソフトを有益に使うためにもハード面の知識や造詣があるのは強みです。なんせ次々に新しくなる訳ですから相性や組合せ・スペックへの理解がより細やかな研究方法に関わってくるかもしれない。棋士という職業において最重要ではなくとも有ると差をつけられるのが、こういったスキルではないかと時代的には思います。

またタイトル戦ともなれば全国各地です。移動というのは案外疲労が溜まりますが、そこにも楽しみが有ると無いとではストレスに差が生じてくると思います。私は鉄道分野に全く興味が無いので解りかねますが、移動によっては特急・地方でのみの列車と、時に興味のある物が付随してくる状況はおそらくプラスです。リラックスかリフレッシュなのかは解りませんが、少なくとも単なる移動の棋士よりは随分とマシ。仮に藤井七冠が乗り物酔いでもする体質だったならば対局云々の前にグッタリな訳ですから、それを愛好出来る性格で生まれてきたと思うだけで、やっぱり少しずるく感じてしまうのです。

ちなみにワイドショーでは藤井七冠の食べ物ばかりが注目されています。開催地もおそらく売り出したい物があるでしょうから、出来たら食べて欲しいと暗に願っている。これについても対局者の食の嗜好が関係してきます。好き嫌いは勿論、目新しい物を口にしたいタイプもいれば、見知らぬものはあまり食べたくないという人だっています。藤井七冠はどうやら前者に見える。対局者の仕事として観光アピールのお手伝いもしたい。後者ならばメニュー選びに葛藤も起きましょうが、藤井七冠はいつも食べたい物で長考されてる様子。そのうえ若さなのか割と大食いですから、昼夜・お菓子と宣伝の如く召し上がる。開催地も大喜びで各所でウィンウィンに見えます。

タイトル戦線で勝ち抜いていくには将棋以外のことでも多くを味方に付けないといけないと考えます。好き嫌いや嗜好という自身ではどうにも出来ないことでさえ全てが藤井七冠の味方をしているようにすら感じてしまう。私のこじつけだという自覚はありますが、そう見えて仕方がない。だからこそ、時代に天に選ばれし人間に見える。ずるい、ずるいです。

八冠達成もいよいよ現実味を帯びてきました。世の雰囲気はカウントダウンといった様相です。佐々木大地七段も永瀬拓矢王座のことも大好きな私。渡辺明前名人のことはもっと好きです。それなのに棋王戦以後は藤井有利の評価値に安堵して翻っては肝を冷やすという観戦がずっと続いています。それほどにして前人未到の八冠達成はどうしても見てみたい。なるだけ早く一度でいいから藤井聡太八冠の誕生を見てみたいと願ってしまう。そんな狡い気持ちを叶えてくださいというのが、私の藤井七冠に対する将棋への想いです。

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