見出し画像

長子と末子の特権【日々のこと】

私は三人兄弟の末子です。姉が二人います。
同じ親から生まれ、同じ環境で育ちながらも価値観や考えに違いが出ることは有り得るものと理解はしつつ、一つだけ理解しがたいことがありました。それは両親の愛情が足りないと二人が言ったことです。

私は足りないと感じたことがありません。むしろ十分です。実際、一般的に見ても普通に愛のある両親だったと思います。とはいえ姉も強欲な人ではありません。満足はしているけれど本音を言えばもう少し欲しかったと寂しく思うことがあるそうです。

それは贅沢だと思う反面、それが女性心かと私は納得しようとします。しかし、愛情と違ってこちらは少し足りない。納得する為の理由を求めて男性心で数字的に考えてみました。姉は贅沢な人でもありませんから。

次女が生まれるまでの数年、長女は両親の愛を一心に受けています。記憶は薄くとも、これが長女の体験した100の愛情です。そこに次女が生まれて単純計算の2で割られます。100が全てと思っていたところに何の落ち度もなく50に減らされた訳です。親も減らすつもりはありませんが二人になったのですから自然とそうなります。更に私が生まれたので33になる。これだけの減りを経験すれば足りないという感情が湧いても仕方がないと思います。片や次女は50から33。減りが少なめの彼女が「足りない気持ちはあるけど姉さんほどではない」と言った理由がこれで頷けます。

そして私です。33しか体験してませんが、この33が私にとっては100です。だってこれ以上のものは未経験ですもの、知りません。更に末っ子なので減ることも知りません。私は生まれた時の愛情100のままに減ることがなかったので不満がないのだろうというのが結論です。長女の気持ちは親の愛情を独り占めした経験のある人だけが持ち得ることの出来る寂しさ。そういう意味では長女は贅沢だと言い直さないといけないかもしれません。

ちなみに親の愛情という崇高なるものをこんなにも簡単な算数で片付けてしまえる私の性格だからこそ不満すら抱かないという結論もあります。算数か性格かそれとも別の結論があるのか、三人兄弟でも意見が分かれそうです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?