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Webディレクターが知っておきたいドメイン・サーバーの知識

こんにちは、あお(@nonception)と申します。Web制作会社でディレクターを担当しています。

私はエンジニアも兼務しており、これまで数十件のWebサイトの公開作業を担当してきました。その経験を踏まえ、「Webディレクターが知っておきたいドメイン・サーバーの知識」について書いてみました。

当記事の目的は以下の通りです。
・Webサイトはどのような仕組みで公開されるのかを理解する
・Webサイトを公開するために必要な情報を把握する
・Webサイトを公開する際の注意点を知る

クライアントとの接点であるディレクターがドメイン・サーバーについて理解を深めることで、より円滑なWebディレクションが可能となります。

平易な内容に噛み砕いて説明していますので、非エンジニアの方でも読みやすい文面になっていると思います。業界未経験からディレクターになった方や、デザイナー出身のディレクターさんの参考になれば幸いです。

1. ドメイン、サーバーとは?

Webサイトを公開するためにはドメインとサーバーが必要です。ドメインやサーバーとは何かについて簡単におさらいします。

まず、「サーバー」とはデータを保管する場所です。Webサイトを構成しているファイル等を置いています。例えるなら、サーバーは「土地」であり、そこにWebサイトという「家屋」が建っているイメージです。

そして、「ドメイン」とは ●●●.com などの文字列です。ドメインは「表札」だとお考えください。サーバー(土地)には「IPアドレス」というインターネット上の住所が割り振られていますが、IPアドレスは「18.65.202.34」のように数字で構成されているため、そのままでは人間にとって認識しづらいものです。そこで、IPアドレスの代わりにドメイン(表札)を掲げることで、誰でも目的のWebサイトを訪問しやすくしているのです。

ドメイン取得サービスとレンタルサーバーの例えを表す画像

ドメインを取得・管理できるサービスは、「お名前.com」や「ムームードメイン」が有名です。サーバーを契約できるサービス(レンタルサーバー)は、「エックスサーバー」や「ロリポップ」、「さくらのレンタルサーバ」のシェアが高いです。

なお、レンタルサーバーを提供している各社で、ドメインの取得サービスも合わせて提供されている場合が多いです。たとえば、エックスサーバーでは同サービス内でドメインも取得することができます。同サービス内でドメインとサーバーを同時に管理できた方が運用しやすいかもしれません。

クライアントから「どのサービスがおすすめですか?」と質問されたときに回答できるよう、ご自身の会社で推奨しているサービスを社内のエンジニアに確認しておきましょう。

2. ドメインとサーバーはどうやって結びつく?

さて、ドメインは「お名前.com」で取得し、サーバーは「エックスサーバー」を契約したとします。当然ながら、この時点ではそれぞれが独立しており、両者は結びついていません。ドメインとサーバーを関係づける必要があるわけですが、そこで登場するのが「ネームサーバー」という言葉です。非エンジニアの方にとって「ネームサーバー」という言葉はとっつきにくいと思いますが、なるべくわかりやすく説明していきます。

「ネームサーバー(DNSサーバーとも呼ばれる)」とは、対象のドメインをどのサーバーで使用するかを指定するものです(※)。ネームサーバーはドメインの管理画面で設定できます。お名前.comで取得した ●●●.com というドメインに、ネームサーバーとしてエックスサーバーを設定すれば、●●●.com はエックスサーバーを参照するようになるといった具合です。

一方、サーバーの管理画面にて対象のドメインを登録し、「このサーバーは ●●●.com を受け入れます」と宣言します。この操作を「ドメイン設定」と言います。サーバーにドメイン設定を追加することで、●●●.com のネームサーバーとして利用できるようになるのです。こうしてドメインとサーバーがお互いに呼応し合って結びつく仕組みとなっています。

ドメイン取得サービスとレンタルサーバーの関係性を表す画像

※補足
「ネームサーバーを設定することで、対象のドメインをどのサーバーで使用するか指定する」と説明しましたが、正確にはネームサーバー上でAレコードというものに指定されているサーバーでWebサイトを表示させています。
ただ、たとえばエックスサーバーをネームサーバーに指定した場合、Aレコードは元からエックスサーバーに設定されていますので、ネームサーバーを指定することで実質的にどのサーバーを使用するか指定することになります。
この点を理解するためには「DNS」や「ゾーン情報」というものについて知る必要がありますが、まずは大まかなイメージを掴むだけで良いと思いますのでここでは説明を割愛します。

3. サイト公開のためにはどんな情報が必要?

ドメインとサーバーの関係性は大まかにイメージできましたでしょうか。次に、サイトを公開するために必要な情報について確認していきます。

クライアントのWebサイトを公開する場合、主に下記いずれかのパターンになると思います。

①新規サイト
現行サイトは無く、今回初めてWebサイトを公開する

②リニューアルサイト
現行サイトがあり、リニューアルで公開する

それぞれのパターン別に、ディレクターがどのようなことをクライアントに確認し、どんな情報をエンジニアに共有しなければならないのか。この点をしっかり理解しておくことで、余計なコミュニケーションコストを減らすことができます。

3-1. 新規orリニューアルで共通して必要な情報

新規サイト、もしくはリニューアルサイトを公開する際、いずれの場合も必要なのは「サーバーの管理画面情報」と「FTP情報」です。

サーバーの管理画面とは、各種設定を行うコントロールパネルのことです。「ログインURL」「ユーザー名」「パスワード」が必要となります。FTPとは、サーバーのファイル保管庫と通信するための情報です。「FTPサーバー名」「ユーザー名」「パスワード」が必要となります。

新規サイトを公開する場合は新たにレンタルサーバーを契約する場合が多いと思いますが、契約時にサーバーの管理画面情報やFTP情報が発行されます。リニューアルサイトの場合は既にサーバーは契約済みですので、サーバーの管理画面情報とFTP情報をクライアントから共有してもらいましょう。

▼新規サイトorリニューアルサイト、共通して必要な情報
・サーバーの管理画面情報(ログインURL、ユーザー名、パスワード)
・FTP情報(FTPサーバー名、ユーザー名、パスワード)

3-2. 新規サイトを公開する場合

新規でドメインを取得してサイトを公開する場合、ネームサーバーを設定しますので、ドメインの管理画面情報も必要です。先述の通り、ネームサーバーはドメインの管理画面で設定するからです。

▼新規でサイトを公開する場合に必要な情報
・ドメインの管理画面情報(ログインURL、ユーザー名、パスワード)
・サーバーの管理画面情報(ログインURL、ユーザー名、パスワード)
・FTP情報(FTPサーバー名、ユーザー名、パスワード)

3-3. リニューアルサイトを既存サーバーで公開する場合

リニューアルサイトを既存サーバーで公開する場合、ネームサーバーの設定は変更しませんので、ドメインの管理画面情報は不要です。

▼リニューアルサイトを既存サーバーで公開する場合に必要な情報
・サーバーの管理画面情報(ログインURL、ユーザー名、パスワード)
・FTP情報(FTPサーバー名、ユーザー名、パスワード)

3-4. リニューアルサイトを新規サーバーで公開する場合

リニューアルサイトを新規サーバーで公開する場合、ネームサーバーの設定を変更しますので、ドメインの管理画面情報も必要です。

▼リニューアルサイトを新規サーバーで公開する場合に必要な情報
・ドメインの管理画面情報(ログインURL、ユーザー名、パスワード)
・サーバーの管理画面情報(ログインURL、ユーザー名、パスワード)
・FTP情報(FTPサーバー名、ユーザー名、パスワード)

4. サイト公開にあたっての注意点

サイト公開にあたっての注意点ですが、ネームサーバーを設定・変更した場合、反映されるまでに数時間~72時間程度かかります(私の経験上では24時間前後で反映される場合が多い)。新規でネームサーバーを設定した場合、あるいはリニューアルに伴ってネームサーバーを変更した場合、その設定がインターネット上に浸透するまでにタイムラグがあるのです(キャッシュの影響)。

この点はあらかじめ留意しておき、クライアントにも伝えておきましょう。たとえば、リニューアルサイトを公開するにあたってサーバーを変更する場合、X月X日X時X分ぴったりにサイトの表示を切り替えるといったことはできませんのでご注意ください。

5.さいごに

各種作業はエンジニアが対応するとしても、ディレクター自身がドメインとサーバーに関する理解を深めることで、よりスムーズな進行管理ができるようになります。関心のある方は詳しく学習してみては如何でしょうか。本格的な書籍は必要以上に難しい内容が含まれているため、関連キーワードをググって調べてみるだけで十分だと思います。下部におすすめの参考リンクを添付しておきます。

以上、大まかな概要ではありますが、「Webディレクターが知っておきたいドメイン・サーバーの知識」でした。

参考リンク

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