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今「聖剣伝説2」をプレイしてみて気付いたこと

ノンジャンル人生です。今年もよろしくお願いします。

年末年始にSwitchでセールをしていた「聖剣伝説コレクション」を購入しました。もともと1は新約をプレイ済み、2はミニスーファミに収録されたものを所持していたんですが、3の収録と携帯モードで遊べることを理由に購入を決定。セール価格は2,500円ほどだったので満足です。(定価は3作で5,000円で、他のコレクションと比べてやや高めなためセールを待っていました)

年始めを通して、コレクションに収録された聖剣伝説1を無事クリア。話はほぼ知っていたものの、やはり最後の畳み掛けはグッとくるものがありました。魔法・アイテム交換の手間や終盤までダンジョンが代わり映えしないことはネックでしたが、アクションとしてなかなか楽しませていただきました。一緒に長い時間を過ごしたチョコボへの愛着が半端ない。

で、続いて聖剣2を始めたのですが、実はミニスーファミ版を触った時は途中でやめていたんです。というのも、実際に遊んでみたら「思っていたのと違う!?」という印象が強かったからです。

今あらためて再プレイして、その違和感が何なのかが気付きました。その話を書いていこうと思います。

「現在のアクションRPGのいしずえ」としての誤解

SFC時代のアクションRPGとして名作と名高い聖剣伝説2。ならば、現在のアクションRPGを作り上げた原点らしいゲーム性であると思っていたのですが、実際にプレイしてみると戸惑いを感じました。というのも、見知ったアクションRPGとはかなり違ったプレイ感だったからです。

次の攻撃まで1~2秒ほど待つ必要がある「ATB」ゲージの採用。アクションなのに存在する「命中率」「回避率」の能力値。魔法など停止時間の長いコマンド。

聖剣1はRPG的な成長要素もあるアクションに仕上がっていましたが、どうも聖剣2に関しては違う模様。この前まで遊んだ前作とあまりにも違うので、四苦八苦しました。一方、このゲームスタイルには既視感がある気がする……と思っているうちに、ハッとしました。

「あ、これFF12やゼノブレイド、MMOのゲームスタイルだ」

SFC期のパーティ制シームレス・リアルタイムRPG

確かに聖剣1と比べ操作できない時間が長く、アクションとしてのテンポが遅めな2。ですが、大きめのマップにモンスターが配置され、戦闘とフィールド移動の区切りがないこと、そしてリングコマンドの存在に注目すると、印象がガラッと変わります。

つまりは、聖剣1のようなアクションの系譜としてのゲームではなく、コマンドRPGの系譜を組みつつ、世界が地続きに感じられるようなつくりにしたのではないかと感じました。

例えばゼノブレイド1と比べてみると、共通点は多い印象です。移動も行えるシームレスなリアルタイムバトルや時間経過で行える通常攻撃、仲間のAI制御など、方向性がかなり似ています。聖剣2は単に1の続編としてではなく、実はもっと未来のRPGを目指していたのかもしれません。

実際、聖剣2のシステムの経緯は、FF4のウィキペディアにはこのように書かれています。

また、立案された企画の中には、田中弘道によるシームレスバトルの『ファイナルファンタジーIV』案があった。この企画はコンペに敗れ、漫画家の鳥山明とコラボレーションしたスーパーファミコン用CD-ROM専用のオリジナルタイトル『クロノ・トリガー』(企画段階であり、CD-ROMの大容量を活かした内容になる予定だった。堀井雄二は参加していない)として企画され直すのだが、スーパーファミコン用CD-ROMの開発を任天堂が中止したため開発は中止になった。『クロノ・トリガー』の企画再編は一時保留され、それとは別にモーションバトルシステムのゲームとして再編される。さらに、聖剣伝説シリーズとして企画修正されて『聖剣伝説2』として発売されるに至った。後に『クロノ・トリガー』も、堀井を迎えたドリームプロジェクトの企画として生まれ変わり発売に至った。

ウィキペディア:ファイナルファンタジーIVより

以上のように、何度も別タイトルとして変化してきたものの、根底にはシームレスバトルというコンセプトがあったようです。(ちなみにクロノトリガーもコマンド制のシームレスバトルを採用しています)

アクションとしての、RPGとしてのバランス

聖剣2をRPGとして見てみると、ステータスやコマンドの依存性が大きく、MP・アイテムのリソースや属性を考えて戦う一般的なRPGに近いバランスとなっています。プレイ感覚的にも、レベルが伸び始め「精霊」が揃い始める中盤あたりから、遊びに広がりが出てくるんですよね。

逆にアクションとして見てみると、選択肢が少ない序盤ではアクションでカバーできない要素が多く、特にボスは厳しいバランスに感じました。ダウンや魔法や状態異常による停止時間が長いため、テンポを損ないがちもデメリット。マップでのひっかかりやハメ要素も多め。

同時期の(神々のトライフォースなどの)見下ろしアクションと比べると操作感こそ見劣りしますが、パーティ制のシームレス・リアルタイムRPGとしてみると、むしろ時代を先取りしたオーパーツのような存在に思えます。なお、伝説のプログラマー「ナーシャ・ジベリ」の最後に手がけた作品でもあります。(それゆえのバグの多さらしい)

なので、RPG要素のあるアクションというより、戦闘中も動くことができるRPGという捉え方のほうが、楽しく遊べるかもしれません。あ、でもタイガーキメラ先生はもう戦いたくないです。

もともと聖剣伝説はレジェンドオブマナ以降に始めたので、旧作はどんなものなのかずっと気になっていました。今回はゲームとしての話をしましたが、想像通り世界観や音楽は抜群に良く、平成も終わる前に触れられてよかったですね。

それでは。

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