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春風の眩しさに背を向けて

目を閉じるには
あまりに目映い

カーテンの隙間
差し込んでくる日の光

眠る朝に背を向けて
あといくつ繰り返せば楽になる?

死体の様に
放り出した掌に

撫でて欲しいと
それでも
猫が額を擦り付け

シャンディガフとミュージック
あの日に響いていたあの歌は

すり抜けては頬をなでる
今はもう、やわらかい春の風

神さま
今日もどこか遠くで
愛すべき無意味さで

いたいけな
幼い世界がふいに
終わりをつげるのです

その慟哭が
この風に紛れているとは
つゆ知らず

誰かの笑い声が今日も
何処かで聞こえてくる



エアコンの音だけが
生ぬるく鳴り響くこの部屋で

全てを放り出して
投げやりに生きてしまえたら
どんなにか楽だろう

シャンディガフとミュージック
あの日に響いていた優しい歌は

すり抜けては頬をなでる
今はもう、冷たく澄んだ春の風

神さま
それでも
今日も
どこにも行けないこの心は

浅ましくも未だ
未来に期待してしまうのです

空っぽで虚な願いを
人知れずに抱き抱え
朝日に背を向ける様な毎日で

誰かの笑い声が今日も
何処かで聞こえてくる

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