タニリョウジ

大阪生まれ、京都住まい。

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  • 読むまちづくり

    まちづくり絡みの話をまとめています。随時更新。

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    タニリョウジの秘密の日記帳です。 月額課金ではなく、買い切りです。なので、一度購入すると、過去アップされたものも、これからアップされる未来のものも、全部読めるのでお得です。

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今週のnoteのアクセス数ランキング

◯1位 この記事ずーっと人気。ちなみに講演でもリクエストが続いている。よほどみんな目的と目標の違いってなんなんやろと悩んでいるんだろう。 ◯2位 まちづくりにおける様々な「成果」も人口ボーナスの賜物だったのではないか。という話。日本はこれから確実に人口が減る。それを踏まえた作戦がいる。 ◯3位 昨年の私のまちづくり研究の発見の一つが「地縁」「志縁」に続く第三の縁としての「気縁」の存在を示唆できたことだと自負している。 ◯4位。 なんで急に上がってきた。 日本の地

    • 書籍感想文 深川光耀「私発協働のまちづくり」

      花園大学の深川先生から献本いただきました。ありがとうございます。 現在、Amazonで予約注文を受付中だそうです。 せっかくご献本いただいたので、これから本書に興味を持って手に取る人が増えることを願って、感想をメモしておきたい。 師弟三世代に渡る「私発協働」理論のリレー本論文は、故・延藤安弘氏の「私発協働」をキー概念として用いている。私発協働とは、「<私>から始まり、まわりをゆるやかにひきつけ、ともに力を発揮しあうことを通じて”公共の幸福”に導く一連のプロセス」のこととさ

      • 人口の波とまちづくり組織の活性化の話

        先日、まちづくり関係のお友達と話していて、おやじの会の話になった。おやじの会は東京では1986年に設立されたという組織だ。 1986年とは、1947年生まれの団塊世代が39歳と元気と体力があまりまくっているタイミングだ。1971年生まれの団塊ジュニアが15歳、ちょうど中学生になったころだ。よく聞くように、おやじの会は小学校でPTAをやっていたおやじたちが、子どもが中学に上がったあとも、地域で活動したいと考えて自主的に結成したというストーリーに合致する。 おやじの会はその後

        • 「自分の人生で大事なこと」は、連星系のアナロジーで考える

          幽遊白書状態の夢を見た 死ぬ夢を見た。いわゆる「幽遊白書の冒頭」状態で、体は動かず、意識だけがあり、その意識が動かない体を眺めているというものだ。 死んだのか、と自覚したときに感じたことが印象的だった。 「ああ、もう妻の体調が悪いときに背中をさすってあげられないのだな」 「こんなことなら、もっと私を愛してくれた家族や友人といっしょにいればよかったな」 「私の人生のチケット(時間、体力、精神力)を、そう言う人達のために使えばよかった。」 「私を必要としていないし、大事とも

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          町内会の加入率を高める方法について、copilotとおしゃべりして教えてもらった

          町内会の加入率を高める方法について、copilotとおしゃべりして教えてもらった。 自分:町内会の加入率を高めることに成功した事例について報告している論文を10本検索し、その内容について、500字でレポートしてください。 Copilot:町内会の加入率を高める成功事例についての論文レポート 町内会の加入率を高めるための成功事例について、以下の論文を調査しました。これらの研究は町内会の活性化や加入促進に関する有益な知見を提供しています。 「ソーシャル・キャピタルとしての町

          町内会の加入率を高める方法について、copilotとおしゃべりして教えてもらった

          プラットフォームの治安悪化とエクソダスの話

          2000件の未読通知 大学院の友達が、メールを2000件くらい溜めていた。なのでスマホのメールアプリの右肩にある赤い丸の中に、2000とか数字が書いているのだ。 なんで?と聞くと、「迷惑メールが多いから放置している」というのだ。 電子メールは便利だ。一斉にたくさんの人に送ることができる。便利なんだけど、その便利さが悪用されて、安易な広告や詐欺のメールが跋扈するようになってしまった。いうなれば、メールサービスというプラットフォームの治安が悪化してしまったのだ。 無論、そ

          プラットフォームの治安悪化とエクソダスの話

          「老害」という概念は、階級間闘争を世代間闘争と読み替えるためにあるのかもしれない

          「老害」という概念について考えるタイミングがたまたまあったので、メモしておこうと思う。 新しいことをするにはリスクもコストもかかる。具体的には、今あるものを失う危険がある。人はなにか新しい利益を得ることで感じる快感よりも、損失に感じる不快感の方を大きく評価する傾向があることが知られている。なので、人というのは、新しいことをするのではなく、今あるものを使ってどうにかやりくりしようとする。これが、いわゆる「リスキリング」や「アンラーニング」が期待ほど進まない理由と思う。 それ

          「老害」という概念は、階級間闘争を世代間闘争と読み替えるためにあるのかもしれない

          「舞台化するまちづくり」、「地域活動のハレ化」を生み出す構造としての「移動社会」

          舞台化するまちづくり、地域活動のハレ化 こないだSNSで、「舞台化するまちづくり」という、なかなかトンチの効いたキーワードを目にする機会があった。なるほどなあ、うまいこという人もいたもんだなあ、と思った。 更に今日は、「地域活動のハレ化」というキーワードを目にした。これもなるほどなあ、と思った。 まちづくりは、日常生活と連続するという性質上、ハレとケの2つの側面がある。これは、どちらが上とか下とかいうことではなく、相補性がある。バランスをとって維持されている。 そのうえ

          「舞台化するまちづくり」、「地域活動のハレ化」を生み出す構造としての「移動社会」

          「正の外部効果」をもたらす活動としてのまちづくり活動

          「人は集まると何か良いことが起こる」は本当か 先日、とあるまちづくり活動家が「目的なんて後でいいんだ、人が集まれば何か(いいことが)起こるんだ」という熱い信念を語っていた。その熱は私にも伝播し、胸が熱くなるのを感じたものだ。 一方、すぐに冷静になって考えた。こういうのを「熱伝導率が高い」という。もしくは「熱しやすく冷めやすい」という。 マトリフ師匠から褒められるくらいに冷めた頭で考えると、多分、「人が集まる」と「必ず、誰にとっても良いことが起こる」というのは拡大解釈で、

          「正の外部効果」をもたらす活動としてのまちづくり活動

          拒援力/元気の話/シニフィアンとシニフィエ/やりたいことと憧れていること/性的搾取と性的窃盗

          最近見た夢の話 最近見た夢の話。人に背中をもまれて気持ちいいなあ、と、ウトウトするという夢を見た。幸せか。 「ダイの大冒険」でキャラクターが鎖に絡まっているシーンばかり集めた柄の服を買っている友達を見る夢を見た。ありそうなデザインだ。 社長に特別扱いされて新しく入社した同僚が、スタジアムみたいなところで全社員を集めたスピーチをするんだけど、スタジアムの物音に反応して感情的になって怒りだし、スタジアムに遅れてきたやつを殴って周りから止められたりする。その後「急病につき入院

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          霊感がないので「村の土着神」の姿が見えないが、いずれ見えるようになりたいと思っているフィールドワーカーの話

          また「名刺が見つからない夢」を見た先日、また名刺交換で、相手がかっこいい名刺をたくさん渡してくるのにこちらに渡す名刺がどこを探してもない、という夢を見た。こんな分かりやすいアイデンティティ不安のメタファーがあろうか、と思う。 このアイデンティティ問題は、特定の場所に所属したとして解決しないと思っている。単に所属するだけでなく、その集団のメンバーだけが共有するハイコンテクストな価値観や文脈を共有しないと解決しないんじゃないかと思っている。 目的の明確な集団の方が馴染みやす

          霊感がないので「村の土着神」の姿が見えないが、いずれ見えるようになりたいと思っているフィールドワーカーの話

          チラ裏化、誤配と消化不良、SNSのタイムライン問題、オーバーギフティング、信仰あるいは気分について

          自分の書くものの「チラ裏」化の進行なんだか久しぶりにまとまった文章を書いている。最近、文章を書いてもネットに公開しないことが増えた。本当の意味での「チラ裏」化してきている。かつては、もっと早く、もっと広く見てもらわなきゃ、みたいな妙な焦りみたいなものがあったし、もっといえば、「せっかく考えたことだから多くの人に知らせる方が親切だろう」と思っていた。だが、そういう感覚が薄れてきて、わざわざ人に見せなくてもいいな、と思うようになってきた。これは結構新鮮なことだ。

          チラ裏化、誤配と消化不良、SNSのタイムライン問題、オーバーギフティング、信仰あるいは気分について

          「考えすぎ」問題/「自分の機嫌は自分で取るべき」か?/チャット型コミュニケーションとFOMO/瞑想のコツ/エリートとコモナー/雑談と記憶の外部化

          それは「考えすぎ」なのか「考えなさすぎ」なのか しばしば私たちは、物事がうまく進まない場面で、その原因を「考えすぎ」に求める。確かに、いくら考えてもわからないことだってあるだろうし、そういう時は考えるより動いてしまった方がよい。 一方で「考えなさすぎ」が原因でうまく進んでいない場面も我々は時に目にする。同じようなトラブルを繰り返して、その都度損失を出しているにも関わらず、その原因をまともに考えていないために、また同じことを繰り返す、というような。 この二つは一見別々のベ

          「考えすぎ」問題/「自分の機嫌は自分で取るべき」か?/チャット型コミュニケーションとFOMO/瞑想のコツ/エリートとコモナー/雑談と記憶の外部化

          モテるまちづくり再論〜「ゆるさ」と「楽しさ」からまちづくりをはじめなおすために

          某自治体から、市民の地域活動者向けに、まちづくりを進めるための実践活動の手法や考え方を学ぶまちづくり講座を依頼された。頂いたお題は4点、「そもそもまちづくりとは何か?」「何をすればまちづくりがうまくいったと言えるのか?」「新しい仲間づくりを楽しむためには?」「まちづくり活動のゆるさ、わくわく感を大事にするにはどうしたらいいか?」というものである。 この自治体では地域自治政策を推し進めているが、自治をまともにやろうとすればするほど、地域組織は悩んでしまう。言い換えれば、これま

          モテるまちづくり再論〜「ゆるさ」と「楽しさ」からまちづくりをはじめなおすために

          自治会改革は行政改革から始まる〜あるいは「行政の地域依存/地域の行政依存」構造からの脱却

          某自治体の職員研修で、自治会の改革、再編に関するレクチャーを依頼された。その内容をもとに再録する。 「自治会の改革、再編が必要」という主張は多いがコミュニティ政策の議論においては、しばしば自治会の弱体化が問題となる。この問題は、自治会の改革、再編が必要だという主張につながる場合が多い。しかし、果たして本当にそうなのだろうか。 前提として町内会に関する概論は以下の記事を参照されたい。 総務省 地域コミュニティに関する研究会、2022「地域コミュニティに関する研究会報告書」

          自治会改革は行政改革から始まる〜あるいは「行政の地域依存/地域の行政依存」構造からの脱却

          定住者既得権と移動者に対するマイルドな差別問題〜徳田剛「「移動社会」の特徴とコロナ禍によるその変質」

          去る2023年は、5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に変わり、まちづくりにおいても様々な対面を伴う行事ごとが再開するなど、コロナ禍の終わりを感じさせる一年だった。 コロナ禍においては、人々の移動の抑制が奨励された。そうした状況で様々な社会関係が変質を余儀なくされ、大小さまざまな不便が生じた。 ではなぜ移動の抑制が不便につながったかというと、そもそも前提として、私たちの社会が「移動」に強く依存しているからだ、と言える。 こじみた状況を踏まえて地域社

          定住者既得権と移動者に対するマイルドな差別問題〜徳田剛「「移動社会」の特徴とコロナ禍によるその変質」