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【日記】なぜラーメン屋の店長は性格が悪い人が多いのか?

これは、とあるアラサー独身女の日記だ。
私は平日は正社員としてフルタイムで働き、休日に暇を持て余している時は単発アルバイトで働いている。単発アルバイトの内容は試験監督やイベントブース対応、チラシ配布など様々だが、今回は、ラーメン屋で単発アルバイトしたときの話をする。

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6月某日、私はとあるショッピングモール内にあるラーメン屋で単発バイトをすることにした。
店長の男は一見若く、30代のような雰囲気だったが、頭に巻いたタオル越しに見えた毛髪がやや薄くなっていたので、実際は40代かもしれない。


店長の第一印象は「気さくな人」だった。最初の挨拶や厨房の説明を一通り教えてもらった後、いきなり「下の名前なんていうんだっけ?アケミちゃん(仮)かぁ。じゃあアケミちゃん、今日1日よろしくね。」といった感じでフランクに話しかけられた。
ちょっとボソボソ声でやや早口で喋る人だったので何言ってるのかわかりにくいところがあるが、良い人そうだし、今日は気持ちよく働けそうだな、と呑気に思っていた。後からとんでもなくイライラさせられるとも知らずに。

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私の今日の業務は、食器や調理器具を洗うこと、料理を運ぶこと、そして食事後の食器を片づけることだ。
客は常に店内に1~2組いるかいないかの程度で、さほど忙しくはなかった。

がしかし、ピークタイムになると4組の客が同時に入ってきた。私は皿洗いの合間に料理の運搬をしていたが、一度だけ、皿を洗っている最中にラーメンが先に完成してしまった。急いで濡れた手を拭き、ラーメンを持っていこうとしたその時、店長が吠えた。



「皿洗いなんて後でいいから早く!!うちはラーメンを提供する場所なの!!お客さんは皿洗いじゃなくてラーメンを待ってるの!!!最優先は ラ ー メ ン!!遊ぶのはその後!!」

さっきまでボソボソ声で喋っていた店長が、突然のお怒りモードに入った。
どうした店長。
店長はモルペコだったのか?
お腹でも空いたか?


▼モルペコというポケモン。
お腹が空くと気性が凶暴になる。

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短気な私は、皿洗いのことを「遊び」と揶揄されたことに関して一瞬「ハァ?」と苛ついたが、ラーメンは熱々のうちに客に届けた方がいいのはごもっともだし、ここは自分に非があるので素直に聞き入れるべきだと思い、そのままやり過ごした。

▼「皿洗いは遊び」と言われた時の私の心情

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その後も同じミスはせずに淡々と業務をこなしていったが、はらぺこスイッチがONになったモルペコ店長は、ことあるたびに余計な一言を私に言い放つ。
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■例1■
店長「1番テーブルにあるピッチャー、中身捨てたら6番テーブルの盆置きに置いといて」
私「洗わなくて大丈夫ですか?」
※この時までに片付けたピッチャーは全て洗ってから盆置きに戻していたので、確認のため聞いた。


店長「だ~か~らァ~!!置いてって言ってんじゃん!!(怒)言われたことだけやってくんない!?!?」


■例2■
店長「空になってるピッチャー、・・・△▢✖・・・☆※〇・・・」
(厨房がガチャガチャしてる&遠くにいたので聞こえない)

私「???ピッチャーをどうしたらいいですか?」

店長「そこのピッチャーに!!氷を入れて!!冷凍庫に入 れ て って言ってんの!!何回も言わせないでくれる!?!?(怒)」

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こ、この店長・・・







怒るときに余計な一言多すぎだろ・・・。

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▲最近「〇〇すぎだろ」という言葉を使うと、どうしてもこの画像と共に「ティーダのチンポ気持ちよすぎだろ!」の歌が脳裏に流れるようになってしまった。


いるよね、こういう人種。相手に必要最低限のことだけを伝えればいいのに、明確な悪意を含んで余計な言葉を付け足す人。お局様とか、ワンマン経営の社長とかにありがち。


というか、ラーメン屋の店長ってなんか下品にキレる率高くない??
私自身、客として色々なラーメン屋に行ったことがあるが、そこでも店長が他の従業員にキレながら指示している光景を何度も見てきた。
ラーメン屋の店長になると「従業員には何を言ってもいい」と思ってしまうのか、はたまた、「従業員には何を言ってもいい」と思える愚か者がラーメン屋の店長になってしまうのか・・・。真相は誰もわからないが、どちらにせよ、私は「従業員には何を言ってもいい」が許されているラーメン界隈の悪しき慣習を絶たねばならないと思った。
だって、コードギアス反逆のルルーシュの主人公、ルルーシュ・ランペルージもこう言っている。


「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」と。

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定時まで残り5分。店内にはイヤホンをしてラーメンを食べている客1人、厨房には店長、従業員1名、そして私だけ。
この時、またもやボソボソ声で何かを指示してくる店長に聞き返したら、案の定「言われたことをさっさとやれよォ~」と小言を言われたので、私は店長と違って明瞭な声で、こう返した。






「いや~~すみませ~~ん!!

店長の声が小さいせいで、全然聞こえないんですよ~~~~!!!!」





一瞬、空気が張り詰めた感覚を肌で感じた。
私の視界に映っているのは呆然としてる店長、引きつった顔をしている従業員、そしてイヤホンをつけたままラーメンをすすっている客。


この時の数秒間の沈黙が、私には1分ほどの長い時間に感じられた。
やばい、
これはさすがに地雷を踏んだか・・・?





そして店長が、沈黙を破った。








「はぁ?・・・・それは、俺の声が小さい・・・ってコト?」


そう、今日1日の中で最も低いトーンの声で、静かに私の言葉を反芻した。




どうやら店長は、モルペコからちいかわにキャラチェンジしたようだ。

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私はどう反応したらよいかわからず、その店長のつぶやきが聞こえなかったふりをして、何事もなかったかのように業務に戻り、5分後に定時を迎えた。

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定時になった瞬間、従業員が先に上がってしまったため、ラーメン屋に残ったのは私と店長の二人だけ。
さっきの嫌味について掘り返されたら厄介だなぁ・・・と心配したが、店長は何事もなかったかのように、淡々と私に最後の片付け指示や勤怠チェックを行い、本日分の給料を支払い、「お疲れ様っしたー。」と、あっさりと別れの挨拶を告げて解散となった。

「従業員に何を言ってもいい」と思っている人間に言い返したときの大抵の反応は、逆上してさらに怒りながらまくし立ててくるパターンが多いので、ある程度のお説教は覚悟していたのだが、なんだか拍子抜けしてしまった。

何にせよ、今日の出来事がきっかけで、あのラーメン屋の厨房が、店長が、少しでも良い方向に変わってくれるのならば幸いだ。



そしてこの日記を読み、私の言動を「たかがバイトのくせに生意気だ」「小言を言われたくないならバイトじゃなくて正社員になればいい」などと思った人間は、もう一度自分の倫理観を見直した方がよいだろう。
従業員やバイト相手には小言を言っても良い、お金を払っていれば虐げてもよい、そんなルールはこの資本主義社会に存在してはいけないのだ。

ちなみに私の人生の指針は「理解は偶然。誤解は当然。」である。広報職を務めていたときから日常生活全てにおいて、私はこの指針を元に生きている。相手にちゃんと指示したつもりが伝わっていなかった時、責めるべきは相手ではなく自分なのだと己を戒める。それが、真っ当な大人となりうる第一歩だと考えている。
全国の怒鳴り散らすラーメン屋の店長に、私の爪の垢を煎じて飲ませたいものだ。


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