側弯症(脊柱変形)の子どもの対応

▽側弯症とは

 

「側弯症(そくわんしょう)」とは背骨が左右に弯曲した状態で、背骨自体のねじれを伴うことがあります。通常、小児期にみられる脊柱変形を指します。

左右の肩の高さの違い、肩甲骨の突出、腰の高さの非対称、胸郭(きょうかく)の変形、肋骨や腰部の隆起)などの変形を生じます。

一般的に年齢が小さい時期(10歳以下)に発症した場合は進行しだすと急激に側弯が強くなります。女子では初潮発来の前後、男子では声変わりの時期が最も成長が大きい時期であり注意を要します。

いわて脊椎・側弯センター長の山崎先生の資料「脊柱側弯症のしおり」2014、には、自宅でもできる側湾のチェック方が掲載されています

図1

背骨には全身の感覚神経と運動神経を司る脊髄神経が通っています。背骨(脊柱)が相当程度変形すれば当然、脊髄神経の圧迫が生じ得ます。頭痛、呼吸障害、内蔵疾患、手足の動きなどあらゆる障害の原因になりかねません。結果、日常生活が困難になる恐れが高まります。

▽原因は? 生活習慣(姿勢、睡眠環境など)

経験上、小学4~6年生の女の子が多いです。生活習慣(長時間の悪い姿勢、柔らかい寝具等)より、腰椎や胸椎が湾曲しやすくなります。

昔と違い、子供が外で遊ばなくなったことも原因のひとつかもしれません。スマホの普及も一因の可能性があると考えます。

学校でも側弯症の検査が義務付けられたことから、側弯症状態(側弯症の手前)の子が増えているように感じます。

▽弟の長女は発見が遅れたため手術しました

私の弟の長女は側弯症の発見が15歳頃と遅れたため、最終手段の手術をせざるを得ない状態でした。弟は早期発見できなかった自分を攻め、8時間にも及ぶ大手術に苦しみ、心身とも辛い日々をしばらく送っていました。

私はこのことがきっかけとなり、子供の側弯症について勉強をし、臨床経験を少しずつですが積んできました。

▽クライアントの小学4年生の女の子

今、小学4年生の女の子を診始めました。半年前に一度、ご来院されましたが、その間、お忙しかったのかお越しになりませんでした。

初回のときは側弯の程度は軽微でコブ角(側湾の角度)は13度でしたが、その後の半年間に身長が6センチ伸び、コブ角は19度まで悪化していました。

コブ角が20度になればコルセット着用と病院で言われたとのことです。窮屈なコルセットを着用させるのは本当にかわいそうです。

次回の病院での診察までの半年間に、できるだけ側湾の場所、すなわち腰椎を矯正してあげなければなりません。

当面は週一くらいの感覚で来院いただき、カイロプラクティックの技術で骨盤から頸椎まで優しく手技矯正しながら、自宅での姿勢や寝具にも気配りしてもらうようにお母さんにお願いしました。

特にマットが年数が経っていて十分な硬さを保っていないとのことであったので、施術で使っている矯正盤(マット)に変えていただきました。

▽寝具:マットの重要性

就寝時には、腰に体重の44%、胸椎(背中)に33%の重みがかかると言われています。柔らかいマットに寝ていると、体はW字に沈み込み、寝返りを打つことが難しくなり、神経や血管も圧迫されます。

朝起きるて気分がさえない、腰が痛い、手足や指の動きが悪い人は、マットやまくらに原因がある場合が多いです。

寝返りは、体の歪みを是正するのに不可欠な動きです。寝返りが打ちにくい寝具に子供を寝かせることは避けなければなりません。

この女の子に使ってもらっているマット(矯正盤)は、体の重みを頭と足方向に分散せせる特殊なマットで、アメリカのカイロプラクター博士(DOC)の監修を受けて開発されました。施術用として開発されましたが、販売代理店契約を結んだカイロプラクターを通じて寝具としても販売されています。

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▽日頃からお子さんの姿勢を注意深く見てみましょう

特に小学生高学年の女の子が側弯症になりやすいので注意が必要です。

立ち姿や座っている姿勢、またが歩く姿を背後から注意深く見ていると、ゆがみに気づく可能性は高いです。

現在の生活習慣では、猫背の姿勢になるのはやむを得ないことですが、問題なのはその姿勢を長時間続けることです。

医者に行けばすぐに治るたぐいの病気ではないので、早めに家庭でゆがみに気づくことが大切です。側弯状態(側弯症の手前)、すなわち経過観察の時点で、姿勢に気をつけたり、医師やカイロプラクター等に相談するのがよいと思われます。

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