見出し画像

vol.14 不実な恋愛の行く末…

まるで獣のように私達は求め合った。
貫き、喘ぎ、叫び、震え、体液に塗れた私達の身体は、燃え盛る炎のように熱く、焼け打たれた鉄のように溶け合っていくのだ…

果て尽くすまで…

彼女の作った海の中で愛し合う内、何度目かも分からない昂りが彼女を襲った。
既に彼女には身動きするほどの体力すら残ってはいなかった。

疲弊していく彼女の様を観ることで、私の征服欲が満たされていくのを感じていた。
哮り続ける欲望を彼女の中から抜き去ると、私は冷蔵庫にミネラルウォーターを取りに行った。
彼女の方へ振り向くと、頻りに起き上がろうと足掻く彼女がそこにいた。
呼吸は荒く、力無く寝返りを打とうとする彼女。
まるで産まれたての赤子のようにも見えた。

「おいで。」

脇と膝に手を差し込み彼女を抱え上げそのままベッドへと運び、ペットボトルの蓋を開け一口水を含み彼女の口へと流し込んだ。
唇の震えが止まらない。
何度か繰り返すことで呼吸が鎮まり、ようやく彼女の声が聞こえてきた。

「…て」
「ん?」
「初めて…」
「何が?」
「こんな風に愛し合ったの…」

大きく溜息をついた彼女が語り出した。

「SEXで動けなくなるなんて思わなかった。物凄く長い時間たっちゃんを感じてた気がする。
今までこんな風に自分を見失うことなんてなかったのに…」
「そんなに良かった?」

頷きながら私を見つめる彼女が手を伸ばしてきた。

「キスして…」

唇が触れる寸前まで近付くと、彼女は私の首に手を回し自ら唇を求めてきた。
さっきまでの震えは治まっていた。

「若菜の全てが欲しい。」
「…もう全部たっちゃんのものだよ。」
「まだ終わらなくていい?」
「壊して…」

抱擁を求めた彼女だったが、私は首筋から谷間を通り茂みへとゆっくり指を這わすだけにした。
このあと押し寄せる快感を既に彼女は記憶していた。
仰け反り自ら私の指を招き入れると、湧き上がる快感に身悶え喘ぎ止めどない放出を始めたのだ。
このままではまた身動きができなくなるほど水分が抜けてしまう。
早々に愛撫を切り上げ、私の欲望で彼女の中を満たすことにした…

愛願

私は一つ悩んでいた。
このまま果てることはとても簡単だったが、今彼女はまだ人妻なのだ。
彼女の中で果てるということは、妊娠の可能性を大きなものとしてしまう。
私はそれでも良かったが、彼女の今の状況を考えると得策ではなかった。

何度も果て続ける彼女は、快感に溺れ堕ちている最中だ。
その様を見ているだけで私の昂りも限界に近付くほどだった。

「若菜…俺も…」
「このまま…このまま来て…」

本能的に言ったのだろう。
彼女は私の遺伝子を身に宿したいという意思があったのだと思う。
だが、この狂気染みた時間の中で正しい判断ができるとは思えなかった。

「ああっ‼︎」

果てる前に彼女の中から抜け出した私は、彼女の身体へと欲望をぶち撒けた。
顔に、胸元に、臍にも溜まっている。
汚れてしまった彼女の何と妖艶で淫美なことか。
私の欲望を指で掬い上げ口へと運ぶ彼女は、愛おしそうにその全てを自分の体内へと送り込んでいった。
男としてこれは恍惚とする場面だろう。
たった今解き放った欲望を彼女は全て受け入れてくれているのだから。

最後の一掬い、彼女はその指を茂みの中へと埋めた。

「ここで良かったのに。」
「孕むぞ…」
「これでたっちゃんの赤ちゃんが私に宿ったら嬉しいな。」

…勿体無いことをしたと素直に思っていた私は、彼女を再度…三度快感の底へと誘うのだった。

3時間

やはり彼女は身動きができなくなった。
ベッドの上は彼女から溢れた海で大変なことになっている。
私は熱いシャワーを浴び、彼女はバスタブに浸かり疲れを癒していた。

「何だか凄く疲れちゃった…」
「その水全部飲めよ。」
「たっちゃんは?」
「後でいい。若菜脱水だよ。
それよりこっちに頭向けて。洗ってあげる。」

髪も身体も海に沈んだ彼女だ。
綺麗に洗ってやるのは当然のことだろう。
ジャクジーとなっているバスタブで癒され、私に髪を洗われて自分は何もしないで良い状況にご満悦のようだ。

「毎日こんな生活がしたいなぁ。」
「一緒に暮らせば近いものは手に入るよ?」
「毎日してくれるの?」
「毎日して良いならね。」

お互いの[する]というニュアンスが違うことを私は分かっていた。
喜んでる彼女に「毎日脱水かぁ。」と呟くと、ようやくその違いに気付き恥ずかしがる彼女が可愛かった。

「そろそろ戻ろうか。」
「うん、どれくらいここにいたのかな?」

身体を拭き上げ、お互い服を着直し部屋を後にしようと玄関口の会計を済ませに来た。

¥15,000-

1時間 ¥5,000-の部屋なので、正味3時間ここに滞在していたようだ。
既に日付が変わっているということか。

「3時間だってさ。」
「え?たった3時間しか経ってないの?」
「どれぐらいだと感じた?」
「7時間くらい抱かれてた気がした…」

それじゃ日が昇ってるよ…
彼女との初のベッドイン、本当ならこのまま抱き合って眠りたいという衝動に駆られながらも、私は彼女と共に会社に向かったのだった。

毎日更新の活力をお与えください💦 あなたのそのお気持ちが私の生きる糧になります!!!!