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vol.13 不実な恋愛の行く末…

夜の密会、本当の密会。
私達が初めて肌を重ねたと言っていいのはこの晩のことだろう。
2人で手を繋ぎ近くのホテルへと向かうほんの数分の車内、彼女の吐息が、手を伝う温度が、昂りを隠せずにいるのに私は気付いていた…

欲望のままに…

駐車場に着くと、彼女の握る手に力が込められていた。
こちらを見つめる彼女の欲望渦巻く目、その目に魅きつけられ私達は車を降りることも忘れ舌を絡ませあっていた。

どれくらいの時間こうしていたのだろう。
何度車が走り去る気配を感じていただろう。
中に入ることもなく、2人だけのこの異様な空間がとても心地良かった。

「入ろうか…」

彼女の髪を撫でながら呼吸の乱れた彼女を促すと、名残惜しそうにドアを開き外に出た。

ほとんどの部屋が埋まっていたが、2部屋空室となっている。
最上階の一室のカードキーを受け取り、一目散にエレベーターに乗り込む。
さっきまでの必死さを私は表に出さなかった。
ホテルのエレベーターにはカメラが付いている。
そこに彼女の恍惚な表情を晒して他人を喜ばせることは、私の愛し方には反していたからだ。
キスを求める彼女を抱き寄せ、耳元で愛を囁くことだけで気持ちの昂りを抑えていた。

部屋に入るなり彼女は私を求めた。
これまでの彼女との時間の中で最も淫らで強引で剥き出しの欲望が、私の全てを欲している。
唇を重ねたまま彼女を抱き上げ一路ベッドへと向かうが、室内に流れる安らかな音楽が妙に耳についたのを覚えている。
こんなゆったりとした音楽で盛り上がれるような心境ではない。

「明かりを消して…」

たった今まで燃え上がっていた彼女とは思えなかった。
いや、目の奥に渦巻いているものは何も変わっていない。むしろ色濃く見えた。
その言葉に従うわけもなく、私は彼女の首元を赤く染めた。
しがみ付く彼女の腕が伝える力強さが、どれだけ私を欲しているかを教えてくれていた…

一瞬が永遠に思えるほどの快感

漏れ出す喘ぎと滲む汗が私の欲望を掻き立ていた。
だが、静かに流れる音楽がふと私を正気に戻す。

「こっちにおいで。」

彼女の手を引きバスルームへと向かう途中、壁に設置されていたルーム音楽のボリュームを最低まで絞った。
身に付けたものを一つずつ剥ぎ取っていくと、これまでちゃんと見たことのない彼女の全てが私の前に現れた。
紅潮した肌、滑らかな曲線、そして恥ずかしそうに隠す手の隙間から見える茂み。
何と素晴らしい眺めだろう。
このままいつまでも眺めていたい。

彼女の脚の間に顔を埋め込むと、既にそこは愛が溢れていた。
吐息交じりに漏れ出す声、舌を這わすごとに溢れ出す愛、頭を押さえ付ける両手の力。
今彼女を悦ばせているという実感が私をより強く増長させる。

「たっちゃん‼︎出ちゃう‼︎」

言い切る前に既に放出が始まっていた。
滝のように溢れ出す勢いを止めることなどできない彼女は、小刻みに体を震わせながら全てを出し切った後その場にへたり込んだ。

「可愛いね。」
「凄い…」

床一面が水面と化している。
この身体のどこにこれだけの水分が貯められるのだろうか。
膝が笑って立ち上がることができない彼女を抱き上げ、私達はバスルームへと入っていった。
バスタブに湯を張りつつ、私達はシャワーの中で唇を求め合っていた。
もし横から見ていたとすれば、まるで洋画のラブシーンの一節のような光景だったのだろう。
シャワーの中、お尻から彼女の太腿へと手を伸ばし抱き上げると、そのまま彼女の中へと私の欲望を押し入れた。
重なっていた唇を離し天を仰ぐ彼女を壁へと押しやった。
私の動きに呼応するように喘ぎ声を漏らす彼女が愛おしく、より強くより深くまで彼女を貫いていた。

突然彼女の力が抜けたかと思うと、全体重が私の腰元に掛かってきた。
しがみ付く体力すら使い切ってしまったようだ。

「温まろうか。」

無言で頷く彼女の顔には一切の力みがなくなっていた。
普段ならだらしない顔として受け取れるだろうその表情に、私は妙に興奮していた。

バスタブに浸かり程なくして、彼女の変化に気付いた。

すぅ…

まさかと思ったが、安心しきった顔で眠りについてしまった。
これではまた生殺しだ…
いきり立つ私の欲望は今も彼女の中に残ったままである。
このまま動き出して起こしてしまうのも処理のためなら問題はないが、それなら1人で慰めても同じことだ。
今この安らぎの瞬間を崩すのはスマートではないな…

眠る彼女の髪に手をやると、少しだけ彼女が動いた。
お湯の動きで自分の置かれている状況を察知したのだろう。

「ごめん‼︎私寝てた⁉︎[
「気持ち良さそうにね。」

こんなことは初めてだと彼女は自分の顔を覆ったが、私はその手を退かし優しく唇を重ねた。

「ところで、この続きをベッドに行って続けたいんだけど?」

真っ赤な顔をしている。
私の上から起き上がるとそのまま外へと出ようとしたが、自分の中から抜ける私を感じ膝の力が抜けたかのように倒れ込んだ。

「ご、ごめんなさい‼︎」

笑顔で答えるだけで充分だった。
慌てて彼女はバスルームを後にした。

長い道程

彼女の後を追うように私も外へと出ると、鏡で髪の乱れを直す彼女が立っていた。
鏡越しに私を見る彼女と目が合った。

「綺麗だよ。」

細やかな両胸が鏡に映り、柔らかなお尻が私の視界を釘付けにしていた。
後ろから彼女を抱き締め、硬直した欲望を押し付けた。

「硬い…」
「ここでしようか。」

一歩下がり彼女の腰を引いた。
髪にやっていた手を慌てて洗面台に着いた彼女は、私のしようとしていることを理解できないかのようだった。
首を捻りこちらを向こうとしたと同時に、私は彼女の中へと押し入った。

背中を反らせる彼女が鏡に映り、眉を顰め快感に溺れる彼女は本当に綺麗だった。
折角整えた髪を再度振り乱し、彼女の口は常に半開きとなる。
喘ぎ声と吐息、乱れる呼吸は彼女の昂りを私に伝えてくれた。
一段と大きな喘ぎと共に、彼女は痙攣と放出を晒してしまった。

倒れ込まないように私は彼女を抱えた。
止めどなく溢れる放出は廊下に海を作る。
痙攣が治らない彼女を容赦なく突き上げると幾らでも溢れ出てくるのに興奮を覚えていた。

鏡越しに何か言いたそうにしている彼女が、声にならない叫びを上げた。
海の中へ倒れ込む彼女は、まともな呼吸をすることができなかった。

(まだ終わらないよ。)

彼女の耳元で囁くと、声も出せずにただ何度も頷いた。
うつ伏せているのをこちらへ向き直らせ、彼女の上に覆い被さった。
抜け出た欲望を押し当てると、彼女自ら中へと誘った。
押し寄せる快感に呑み込まれている。
ここまで乱れる女性もそういない。
何度果てているのかも分からないほど彼女は叫び続けていた。
私の動きで水面が揺れる。
その波の如く押し寄せる快感に沈み行く彼女は、私が動きを止めることを許さなかった。
数歩先にあるベッドにはまだ行き着くことができずにいる…

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