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犬へ

1月末、実家の犬が死んでしまった。看取った父によれば突然聞いたこともない鳴き声をあげて倒れてしまったそうだ。そういえば長いこと心臓の薬飲んでたもんなぁ。15歳と10か月。16歳の誕生日は祝えると思ってたのに。

犬は私が高校生の頃にやってきた。
(これはスマホにある最古のいぬ(3才、モヒカン)の写真)


我が家のヒエラルキーは妹>父>母>(越えられない壁)>私だったのだが、その日をもって妹>父>母>犬>(越えられない壁)>私となった。


そんな家で育った犬は妹と父に絶対服従で母に甘えん坊に。私とは兄弟みたいな関係を築いた。私に対して飼い主への敬意みたいなものはなかったと思うが舐められてるなと思ったことはない。

散歩は家に母がいなければ私だったので徒歩でどこまでも行った。目が見えなくなってからも、廊下の壁にはぶつかるくせに祖母の家までの道のりは完璧に歩いていた。

(これはあまりにも西日がまぶしくて信じられんぐらいブサイクな顔をしている犬)

私が(いい歳をして)父母妹に小言やら罵声やらを浴びせられていればそっと横に寄り添ってくれる心優しい弟だったし兄だった。

大暴れする風呂、飲み薬、目薬も「ねーちゃんきたらもうしゃーないわな」という調子で譲ってくれるので私が担当だった。

私のいうこと聞いてくれなくて困ったのは母に来客があるり何時間でもすねて吠え続ける時くらいだった。これだけはほんまにうるさかったので田舎でよかった。



車に乗るのが嫌いなくせに、留守番するのはもっとイヤで、渋々座った助手席から私の運転をずっと見つめていた(はじめて私の助手席に乗せたときにねーちゃんが運転するん!?!?とハッとした犬に二度見されたことが忘れられない)。


私と同じ寝汚い生き物だったのに、深夜に原付で転倒して号泣帰宅して以降、毎度勝手口まで迎えにきてくれて、私の安否確認したら寝床に帰っていくようになった。

(私より上手に原付に乗る犬)(この原付も10年以上乗ったが突然うんともすんともいわんくなり放置してたものをついに最近廃車にした)

ここ1年半は離れて過ごしていたが、実家に帰るたび一緒に昼も夜も寝ていたし、それは最期の日の朝もそうだった。家を出る時に犬はまだ寝てたからそっと出てきたけど、最後に抱っこしてわしゃわしゃしても許してくれたかな。

浮かんだ順につらつら話を書いてみたけど、まだまだいっぱいあるなぁ。
たまに実家にかえっては、犬がいなくてびっくりするよ。

(これは亡くなる前日、私の部屋の片付け(の最中に発掘された懐かしいもの撮影会)に付き合ってくれていたとき)

ありがとう!ずっとずっと大好きだよ!!!