遊んだフリーゲームの記録(ティラノゲームフェス2023参加作④)

自分がプレイしたゲームの感想というより個人的な記録です。
ゲームの簡単な概要と私個人の感想をネタバレ無しで綴っています。
ゲームを批評する目的ではなく、
読んだ方にとって、自分に合う作品かを調べたり
まだ見ぬゲームと出会う一助になれたらいいという物です。

今回はフリーゲーム投稿サイト
「ノベルゲームコレクション」にて行われている
ティラノゲームフェス2023に参加している作品の中で自分がプレイしたものを4作並べてみました。(今年は625作もあるとか)
(今回取り扱った作品以外にも何作かプレイしていますので、
 テーマ別にして少しずつ紹介できたらなと)

今回のテーマは「ドット絵②(長編)」です

ドット絵の定義の話になると荒れる人によって基準がまちまちなので、

今回はノベコレの検索タグで作者様が「ドット絵」と入れているゲームや「ドット絵」でキーワード検索してヒットする作品を対象にしました。
※各ゲームのタグ更新時のデータで表示されるゲームが若干違うようなので10月20日時点での検索結果を参照させていただきます。
(漏れてしまっている作品があれば申し訳ございません)

今回はラストEDを見るまで30分以上くらいかかる(個人的に)長編集です。
短編集は前回の記事(https://note.com/nonossano/n/na4fd2f193137)となってますので合わせてごらんください

※プレイの際は作品ページに書いてある注意事項及び利用規約を必ずご確認ください

※今回掲載したゲームの作者様へ
 この記事内容への訂正・削除等の要望がありましたら
 お手数ですが
 ・この記事のコメント欄 か
 ・プロフにかかれている個人サイトの連絡先までお願いします
  (Xでよければ @nonossanoです)


『Journal Journey』
 魔王となった王子のその歩み

気候変動に苦しむボアム半島の人々。
平和を願う若き王子が、冒険の果てに『魔王罪』として処刑された。
はたして、王子の身に何が起きたのか?
王宮書記官の目を通して語られる旅の真実とはいかに……

掲載ページ(https://novelgame.jp/games/show/8083)より引用

■作者 柚須 佳様
■プレイ時間:おおよそ3時間~(私の場合それくらいかかったかと)
■ゲームの概要
・ジャンル:ドット絵RPG風ノベルゲーム
・ED数 :1
・セーブ機能あり


ゲームの導入:
雪深い森の中で目覚めた男は辺りを彷徨いながら村までたどり着くことができましたが、力尽きて意識を失ってしまいます。
偶然その場に居合わせた銀髪の少女に助けられ、その後小さい部屋の中で再び目覚めます。
起き上がれるまでに回復した男が現状を把握しようとした
その時、突然司祭のようなローブを来た老人が現れ
「やっとお目覚めですな。王子」と告げるのでした。

感想

WOLFRPGエディタをデザインの基として作られたノベルゲームをプレイするのは初めてだったので、個人的にとても斬新な印象を受けました。
RPGのマップのような造形でキャラが動くことによって
主人公ら中心人物の動きだけでなく、街中の様子や建物の立地などの景色丸ごと視覚情報として得られるという利点が作中で活かされていて良かったです。

ドットのグラフィックなのでビジュアル面は緩和されていますが、
世界観はダークファンタジー寄りなので一部血の出る描写などがあります
(規制されるほどのものではありませんが、苦手な方は一応ご注意)

しょっぱなから怒涛の展開で始まります。
読む順番をプレイヤーの任意で選べる仕様になっていることもあり、各話の時系列がバラバラだったりしますが、わかりやすいように年代を記されているので混乱することなく楽しめるかと。
私個人としては1章から順に進んでいくのが飲み込みやすくて良いかと。

プレイヤーは、まず王子の視点から少しずつ彼の「行動」を遡っていくことなります。作品説明ページにも記載されていますが、選択肢がある部分ではセーブをしておくと良いです。

初見のときに引っかかる部分だったり、知らない事象やわからない言葉が突然出てきて戸惑うこともあるかもしれませんが、
「わからないけどとりあえずそういうものなのね」としてその場はそのまま流してもらえばいいかと。
(進めていけばわかるようになりますので)

終盤にかけての伏線の回収がすごくおもしろかったです。
結末の記憶が王子にある所や、とある彼のことばとか
ドット絵やゲーム上の表現ならではの楽しみ方ができるように作られているので
テキストで追うのとは少し違うミステリー体験になるかと。

最後まで見終わったら、もう1度最初から見返すと2度楽しめます。

少し長めファンタジーノベルを味わいたい方におすすめのゲームです。


『酒は飲まねど呑まれている』
 先輩が大好きな後輩

先輩を酔いつぶせ!
というコンセプトの、会話回収型ノベルゲームです。この先はあらすじです。

ある夜、私は先輩と過ちを犯した。
……でも先輩は、何事もなかったかのように接してくる。
まさか覚えてない?それとも全て無かったことにしようとしている?
わからないけど、わからないといけない。そうして私は、先輩を酔わせ話を聞き出すことを決意した。
六畳一間の安アパートで、先輩と私の慎ましい戦いが始まる。

掲載ページ(https://novelgame.jp/games/show/8313)より引用

■作者 小鳩えん様
■プレイ時間:1時間~1時間30分
■ゲームの概要
・ジャンル:ノベルゲーム
・ED数 :2 (ゲーム説明欄に分岐のヒントがあります)
・セーブ機能あり
R-15指定のゲームです
作者様のご意向として

この作品は、飲酒表現及び暴力的な表現が含まれています。
18歳以上の方のプレイ・閲覧を推奨します。
また飲酒を助長・推奨するものでもありません
危険ですので、ゲーム内の行為は絶対に真似しないようお願いいたします
お酒は節度を守り、楽しく飲みましょう。

掲載ページ(https://novelgame.jp/games/show/8313)より引用

とのことですので
上記の内容を理解したうえでのプレイをお願いいたします。


ゲームの導入:
夜、コウハイのアパートにお呼ばれされたセンパイ。
二人で他愛もない話をしながらコウハイの部屋に入ります。
コウハイ曰く、センパイがここに来るのは初めてではないそうですが
センパイは「あの夜」のことを忘れてしまっているような素振りです。
コウハイとしては「あの夜」のことでどうしても確認したいことがあるのでした。

感想:

可愛らしいドットの雰囲気と各お酒とUIデザインが素敵でした。選ぶのが楽しくてつい色々押したくなってしまうボタンとゲームのシステムが合ってて面白かったです。
飲ませるお酒を選んでセンパイを酔わせながら会話をしていくゲームなのですが、つい、もっともっとと飲ませてしまいそうに…
※他者への飲酒の強要も過度なアルコール摂取もダメ絶対

先輩を酔い潰して「あの夜」のことを聞き出せ!という目的から始まったゲームなので、色んなもつれがあってだんだん険悪なムードになっていくんだろうなあ…ってプレイ前勝手に思ってました。

私はどちらかというと酔いだす前のセンパイとの会話が好きでした。
本好きなセンパイが得たのであろう色んな話やセンパイ自身の考えを聞けるのが楽しかったです。
それ故に2つ目のEDを見た時、センパイの想いも伝わってくるのが複雑で…
勿論酔ってから発せられる言葉も重いので、それを聞いたコウハイのことを思うと…

作中にも回収のヒントがあり、方法も簡単なので誰でも全EDを見れるかと。

自販機のボタンをぽちっと押すような気持ちでプレイしてみてください。
…ええ

このゲームは
前回の記事(https://note.com/nonossano/n/na4fd2f193137)にも載せた

「六畳一間から出られない!」と同じ作者様です。
この作品が気に入った方は合わせてどうぞ


『焦がれる腹を満たす熱』
 アクション要素が充実しているノベルゲーム

「キミが、この爆弾を『作動させてしまった』と連絡してきた刑事か?」

世間を騒がせる連続爆弾事件。
そのひとつを発見した新人刑事である主人公のもとに、爆発物処理班の女性「高崎遼子」が単身駆けつけた。

掲載ページ(https://novelgame.jp/games/show/8537)より引用

■作者 よなき様
■プレイ時間:1時間程度
■ゲームの概要
・ジャンル:爆弾解体ADV
・ED数 :2
・セーブ機能あり


ゲームの導入:
某都内女子用トイレで人感センサー付きの時限爆弾を作動させてしまった刑事の主人公。
そこに警視庁警備部機動隊 爆弾処理班の高崎と名乗る女性が駆けつけます。
仕掛けられた爆弾にはちょっとした細工が施されており、まずはその細工を除去しないといけないとのことですが、高崎はわけあってそれを外せないそうです。
主人公は爆弾の前にある細工の処理を担当することになりました。

爆弾処理ミニゲーム
本作品には、ノベルパートと「ピッキング」「ネジ外し」「レーザー」の3種類のアクションパートが入っており、制限時間以内にそれらのミニゲームがクリアできないとゲームオーバーになります。
何度でもリトライできるのでチャレンジしてみてください。
これらのミニゲームはスキップすることもできますので
 アクションが苦手な方、環境の問題で操作が難しい方でもプレイ出来ます
 (クリアしなくても全ED見ることができます)

ピッキング
最初に提示される穴の方向と光るタイミングを覚えて
左のゲージカーソルが上昇するのに合わせて指定された方向にマウスカーソルを置いていく感じです。初見だと説明がちょっとわかりにくいかもしれないので何回かプレイしてマウスを動かすコツをつかむと良いかと。

ネジ外し
立方体を回して各面につけられたネジを探し出し全て外していきます。
マウス操作で立方体を回しネジのある場所をクリックしていくのですが、ここが鬼門になる方がいそうです。(面移動のコツはゲーム内の説明に書いてあるので参考に)
…私はここでうまく回せずかなり苦戦しました。

レーザー
スタート地点からゴール地点までの一周をマウスでなぞっていきます。
途中の障害物に触れたり動かす速度が制限オーバーすると失敗します。

感想:

背景もキャラもドット絵、しかもアニメーションで動きます。UIや各演出にも拘りが感じられます。

タイトル(サムネイル)画面の人が爆弾処理班の高崎ですが、
彼女がなんでこんな格好になっているのかは…すぐわかります。

爆弾犯のこと、高崎のこと、色んな謎を追う展開になりますが、プレイヤーが推理で導かないといけないというものではないのでミステリー要素は薄いです。なので推理物が苦手な方でも短編ノベルゲームとして十分楽しめるかと。主人公と高崎の所属部署が違うからこそのバディ感が好きでした。
あくまでアクションパートがメインでそれがプレイできた方が楽しめるのは間違いないので、動作環境を考えるならDL版が遊べるならそれに越したことはないです。
そのアクションが最初からわりと猶予が少なくてバタバタとゲームオーバーになっていくと思うのですが、やはり慣れてくのが一番かなと。

作中のフォントもドット式と通常で切り替えられるので、ドット文字が読みにくいと感じた方はコンフィグで変えられます。

クリア後は各ステージの爆弾を練習して高ランクを目指せる演習モードや
高難易度モードもありますので
アクションをやりこめるタイプのフリーゲームが好きな方におすすめです。


『「はい」か「YES」で答えられる質問だけ』
 すぐ隣に居る世界

AM9:00、始業時間だ。
さあ、仕事を始めよう。

掲載ページ(https://novelgame.jp/games/show/8420)引用

■作者 サークル「MIMIKURI CLUB」様
■プレイ時間:1周30分
■ゲームの概要
・ジャンル:ADV
・ED数 :3
・セーブ機能あり


ゲームの導入:
朝起きて身支度をして、朝食のトーストにはお決まりのジャムを付けて
ラジオから流れるニュースを聞く。
出社後はまずコーヒーマシンでコーヒーを入れて自分のデスクに着く。就業まで己の業務を全うし、家に帰って温かいミルクを飲んで眠る。
それが主人公の日常であり、変わらない日々のルーティンでした。
そんな主人公が、明日からとある新人の教育を任せられることになりました…

感想:

青緑を基調としたキャラと背景に紫の画面という独特なサムネイルの雰囲気に惹かれました。
そのビジュアルから少し非現実的な怪しさと無機質な印象を受ける冷たさをプレイ前から感じていましたが、
始まってみると背景やキャラグラはファンシーでも、やっぱりどこか底のしれないイメージがぬぐえないままでして。

このゲームのシナリオは事前情報が少ない方が楽しめると感じましたので、
直接的なワードで記載するのは避けることにしました。
故にプレイした方にすら伝わらないくらいのニュアンスで載せています。

「仕事」「はいとイエスしか答えられない」という言葉から連想するのは、
会社で上からの命令に逆らえない社員というイメージだと思われます。内容もざっくりいえばそんな感じですね。選択肢の内容も指示に従う旨の物が多いです。

初回プレイ時にはニュースの内容、主人公の業務内容、主人公の心境など引っかかるところが沢山あって、どういうことなのか疑問に思っていると見えてくるものがあって…
EDに関係のない選択肢や業務が没入感を深めてくれていてそれがすごく良かったです。

「これになんの意味があるんですか?」と唱える新人の姿が印象に残っています。

この話はフィクションではありますが、今を生きる私達の世界でも既に現実を帯びつつあると思う部分がありました。
どちらが幸せなのかは私には判断ができかねますが、
現代社会において理想のように語られる"誰もが生きられる世界"の行きつく先はこういう一面もあることを見せられたような気がします。

はい か YES でしか答えられないことに抵抗感がある方にお勧めするゲームです。


終わりに

どの作品もそれぞれドットの良さが光る素敵なゲームです。
色んなドット表現を楽しめて、かつじっくりと世界観に浸れる長編はいかがでしょうか

最後になりますが、各作者様プレイさせていただき誠にありがとうございました。
気になった作品がありましたら是非ご自身の手で触れてみてください。

今回記載したゲームの他にも
ティラノゲームフェス2023には沢山のゲームがあります。
また今年のフェスに参加してない作品や、去年までの作品などもありますし、
ノベルゲームコレクション掲載以外のゲームも記録に残していきたいと思っていますので
自分の制作と合わせながらゆっくりと紹介させていたければと思います。

お付き合いいただきありがとうございました


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