魔界堕ちのラズリエルー天使か悪魔か堕天使か、癖とゲーム性を兼ね備えたローグライク


前書き・悪堕ちについてのざっくりした前提知識

どうも皆さんこんにちは。
先日まで引っ越しでバタバタしており、ようやっとネット回線が整いゲームが買えるようになったのでswitchの新着でも見るかーと漁っているとめちゃめちゃ面白そうなゲーム見つけて購入した次第です。
それがこちら。

魔界堕ちのラズリエルです。
ゲームの話をする前に軽く自分語りをします。自分はいわゆる性癖的な創作をやっており(未成年の方は閲覧できませんのでご注意を)そういう性癖の中で好きなコンテクストの一つに、「悪堕ち」と呼ばれるものがあります。青年向けのみならず一般向け、時には子供向けにも登場し年端も行かない子たちの性癖を歪める文脈ですね。
悪に向けてその人物が外的或いは能動的に転がる流れのことを「悪堕ち」と呼びます。例えばライバルキャラが主人公に勝ちたい余り闇の力に手を染めたり、敵に捕らえられて尖兵になったり、って言うのがそれに当たります。成人向けは外的に云々されるのが多くて、能動的に自ら足を踏み出すのは「闇堕ち」なんて言われます。なので本作の紹介のページでもそういうワードを用いてるみたいです。
魅力としては本人の性質の変化やそれによる周辺人物との関係性の変化があげられます。力を得たことで暴力的になったり残虐になったり(性的になったり)する、今まで尊敬していた人を見下し敵対していた相手へ陶酔する、みたいな感じですね。
まぁ余りにもざっくりとした内容なので詳しいこと知りたい人は深堀りしてください。先述の例示も結構雑です。とりあえずどういう概念を指すのか、ってことと魅力だけ何となしに理解してもらえたらいいです。

で、この悪堕ちが絡みそうな内容であり、しかも好きなジャンルだったということで本作の購入を即決しました。今日買ったばっかりでプレイも数時間やった程度ですが、紹介したい熱があるうちに出しちゃえ、ということで本記事を書いてます。
悪堕ちって言葉が掴みづらかったら law-chaosとかそういうのだと思ってもらえたら分かりやすいです、そういう二面性をこっちのプレイ次第で調整するゲームになってます。

ストーリー

ストーリーは結構シンプルです。ある日目が覚めると何故か魔界の塔の最下層に落ちていたラズリエル。この塔は悪魔が天界に至るために建てた塔と言われており、その最上階は天界に通じているとか。ただ天界に至るまでの道は長く険しい、その中で魔界の瘴気が彼女を蝕む、果たしてラズリエルは無事天界にまで正気でたどり着けるのか……。
こんな感じですね。ただ悪魔と天使の敵対とかそこら辺はストーリー中にしっかりと触れられるので、後述のシステム的な要素に対する葛藤を高めさせてくれるエッセンスとして作用します。

ゲームシステム

本作、ゲームシステムの大枠としてはslay the spireのデッキ性を備えつつも、シレンの戦略アクション的な要素もある、そしてとある数値に気を付けて進めなければならないローグライクになっています。

本作の最重要要素・カード特性と天秤について

まずは先に述べた、とある数値について話します。このゲームでは天使のカード悪魔のカード、そして堕天使のカードが存在し、それぞれに特性があります。
天使のカードー威力控えめ、直線方向を攻撃するカード多め、防御カードもある、何回でも使える、ピュア値が少し上がる
悪魔のカードー威力高め、範囲攻撃のカードも多め、使うと消滅する、カルマ値がかなり上がる
堕天使のカードー威力高め、何回でも使える、どちらの値も上がらない、特定の天使のカードと悪魔のカードで何階層かごとにいる子に作ってもらう

このようになっています。なお堕天使のカードはまだ何かのリスクあるんじゃね?って作ってないので、細かいことはよく分かりません。それは皆さんがプレイして確かめて貰えたらと。個人的には途中の階にいる悪魔ちゃんが作ってくれるのがそもそもおかしいと思ってるので、何かストーリーに絡みそうだな……って睨んでます。
ゲーム的に言うと消滅する悪魔を握り込んでおくのはそもそもデッキ回しに滞りを生じさせそうなので、幾つも作ろうとするのは少し大変そうかな、と。ここら辺は自分も今後のプレイの楽しみにしてます。

さておき、ここで重要なのは「ピュア値」「カルマ値」の存在です。この二つの値を天秤のようにし、どちらかに傾けていく(ゲーム中ではピュアに傾けるよう言われます)ことになります。そして時折レベルアップが挟まるのですが、このレベルアップの時傾いていた側によって「成長」「変異」が起こります。これは要するにボーナススキルですね、ただ当然ですが恩恵は片側に寄ったモノになりがちなので、どっちかに寄せないと徐々にしんどくなります。
ちなみに取得時に変異に関するコメントしてくれるんで性癖的には美味しいポイントですね。初回は天使突破したいんでまだ見れてませんが、今後進めていきたい所。

天秤システムの難しさと面白さ

さて、天秤について、悪魔を取らなければ天使に寄せられる、と思うかもしれませんがそうは問屋が卸しません。
悪魔のカードは、部屋に入る際に強制的に一枚追加されます。これは必ずです。天使のカードは取得しない選択をすることが可能ですが、悪魔のカードは絶対に取らないといけません。なおかつ悪魔のカードによるカルマ値の上昇を嫌って使わないようにしているとデッキが悪魔のカードで圧迫されてきます。なので適度に使う必要が出てきます。
使えば消えるのですが、上昇幅がかなりデカいです。天使カードは1上昇とかそういうのが多い中、悪魔カードは一番基礎的な攻撃カードが8上昇と、かなりがっつり上がります。
slay the spire宜しく取得カードはランダム・除外もなかなかできないので、上手いことデッキを組まないと大事故を起こします。自分がやった事故なのですが、使用時のカルマ値が低いからと「このカードがデッキにある時悪魔カードの消滅を防ぐ」カードを取ったせいでデッキが膨れ上がって天使プレイの予定が破たんしました。これはまぁ、アホ過ぎな例ですが、取得カードが高カルマ値取得カードしかなくてしんどくなる、などはよくある展開です。

更にもう一つ、このゲームはシレンライクなこちらが1ターン動いたら敵も1ターン動く類のゲームなのですが、向こうと異なり一つの部屋に入って攻略し、一つの部屋に入って攻略し、を繰り返します。その敵の配置はランダムです。そして部屋の攻略が完了したらその時点で手札は消えます。加えて、後半に行けば行くほど敵は強くなります。以上の要素を組み合わせると、「ふいに変な配置で部屋に突っ込まれなくなく強力な悪魔カードを切ることが多くなる」「前半は計算して使用していたカードを管理する余裕がなくなり、カルマ値が溜まり成長が狂いじり貧になる」という事態が頻発します。まぁここら辺は慣れなのでしょうが、遊び体験として他にない感覚があってめちゃめちゃ面白かったです。多分きっちり計算したら天使カードだけでも乗り越えられるのでしょうが、悪魔カードが難しい場合のごり押し手段になっている、というのはなかなかに面白い。
加えてこのゲームは体力回復の手段が限られており、特定階層にある回復を除くと、敵のドロップアイテムである魔物の肉を食う、というのが主要な手段になります。ですが、魔物の肉を食えばカルマ値が上がるのでそこを計算する必要があります。体力回復にもそういう要素がくっついてくるのもなかなかににくいところ。
ここの葛藤が堕ちまいとするラズリエルの精神とリンクしててめちゃめちゃよかったですね。

まとめ

以上、ゲーム紹介でした。最初はテーマがハマったので買った本作ですが、癖とゲーム性を非常にうまいこと混和させていて、かなり変わった遊び味の作品になってます。上でも書いたように、仕方なし悪魔カードを切る場面とかはラズリエルに共感できました。
一風変わったローグライクが好きな方、或いは天使が悪魔になるとか、堕天使になるとかそういう文脈に心惹かれる方は買ってみてはいかがでしょうか。



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