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「とうとうだね。おかえりなさい、待ってたよアドレナリン」って感じ

「全細胞が全力で喜んでいる」の感覚を久々に味わっている。
空港の扉が開いた瞬間息を吐いて思いっきり吸い込んでみたら予想通り、知っているようで知らない、懐かしい風の匂いがした。
旅先の空港の匂い。


この匂いってなんて名前をつけたら良いのだろう。
わたしお香を焚くのが趣味なのだけど、この匂いのお香が発売されたら間違いなく買ってしまうと思う。最高。

宿について、那覇から宮古島に渡って数時間しか経過していないのに、アドレナリンと言葉達がつぎつぎに我先にと押し寄せてきて、でもそれらは全然形を成してくれなくて、代わりに「幸せすぎる」とか「ここがわたしのアナザースカイ!」と端的な言葉(いやここが私のアナザースカイ!を作り出した人は天才だけども)を繰り返し繰り返し体から開放してみたりする。
でもやっぱりそんな言葉をいくら消費しても満たされないね。

那覇で一度履いたものの、寒くてカバンの隅っこに丸まっていたサンダルを取り出して、靴を脱ぎ捨てる。

そういえばタイに着いた時にもサンダルを待ちきれず、横断歩道で信号を待ちながら履き替えたりしていたっけ。そんな私を誰も気にも止めずに過ぎ去っていくのを見て心がゆるゆる解けたりもしてたっけな。


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青になったり、緑になったり、それらが混ざったりしながら水が凪ぐ。
庭では鈴虫が控えめに鳴いている。
時折ヤモリが(そして家の中に入ってきてイモリになる)
きゃっきゃと声をあげる。
時間の色が変わる。
流れが変わる。
目の前の色が変わる。

体が幸せってどういう状態なのかを、細胞達がひとつひとつ確認しながらだけど確実に思い出している。
旅を愛してる。
きっとずっと長い恋をしている。

脳みそは今の状態を変えたくない生き物らしい。
だからこそ、環境に変化を与える行動を嫌がるらしい。
だとするならば、うちの脳みそはもしかして何処か整備不良なのかもしれない。
窓から見える景色が次々変わる事を好んでいる。
むしろそれを求めている。なんなら飛行機の上が一番仕事がはかどる。
意味もなく飛行機に乗りたいし、もはや空港に行って帰ってくるだけの機内コワーキングがあったら月額契約してしまうと思う。

うちの整備士があまり優秀でないらしい。よかった。
私の旅の扉はちゃんとまだ開くらしい。それもよかった。
あまりにも長い事開かないから壊れてしまったのかと思った。
きっと旅の勘は、一度乗ったら忘れない自転車の乗り方のようなものなのだなあ。

「とうとうだね。おかえりなさい、待ってたよアドレナリン」って感じ。

ほんと、おかえり。


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