16歳のもえちゃんのMDの中身

じつは、6/20から入院をしている。
わりかしデカめの大怪我をして、4週間ベッド上安静を言い渡されて、スマホとポチポチなかよしをしている。

以前にもnoteで話していたが、わたしはうつ病の治療をしている。この怪我はうつ病のせいで起きた怪我だ。
怪我をした時、面会に来た母親が、「少しずつ病気する前のもえに戻れるように頑張ろうね」と言ってくれた。

うーん、病気する前のわたしか…と、考える。

高2からずっとうつ病と最悪の二人三脚をしてきたわたしの、病気する前というと高校1年生までの時間だ。
その頃何をしていただろう。
部活、勉強、恋愛、オタク、…オタク。
そうだわたしはオギャーと生まれた瞬間からオタクをしているんだった、失念。

じゃあ当時なんのオタクをしていたか?
声優である。

声優にハマってたのは中1〜高2の手前までの約5年ほど。
とりわけ好きだったのは神谷浩史さん。
北海道のクソ田舎に住んでるクソガキだったので、ライブにも行けなけりゃ円盤も買えなかった。お小遣いを必死に貯めてCDだけは一生懸命買っていたけど。

というわけで、あの頃の自分に帰ろうと思ってYouTubeで“神谷浩史”で検索をかける。

えーーーーッDGSってまだやってんの?!てか文化放送エクステンドの公式チャンネルできてるし公式アーカイブとかある!!!!!!
ウワッKiramune懐かしすぎる、なんかむちゃくちゃ若い子が増えている
ワーーッ小野大輔の公式YouTubeチャンネルができている…
エッアレッ入野自由帰ってきている?!というか結婚をしている?!いつ?!?

こんな感じで、すっかり“声優浦島太郎”だったのである。

その中でもとりわけ惹かれたのは”DGS”。
あの頃、わたしは間違いなく“DearなGirl”だった。
中学生の時、学校の机に「DearGirl〜stories〜」と彫って普通に怒られた。今もあの机は使われてるのだろうか。

せっかくだし、と聴いてみると、なんと15周年だと。
これが1番ひっくり返った。
わたしが1番最後に買った声優のCDは「Coin toss Drive / 神谷浩史+小野大輔」だ。
ただこのCD、買ったはいいけどそんな聴いていなくて…というのも、早いうちから予約していたはいいが、予約してから発売までに声優から離れてしまったのである。悲しすぎる。
最後に聴いていたDGSのOPは、「Ten-der land」。つまり10周年の時、ちょうど5年前である。

このタイミングでDGSに出戻りしたのも何かの縁かと思って、ここぞとばかりにアーカイブを聴いている。

本当は15年祭も買いたいし、ニコニコのDGSチャンネルにも登録したい。でも入院中という身分だ、決済もできなくて泣く泣く諦めた。頼むから15年祭は円盤化してください。

そんなもんで、すっかりわたしは神谷さんに猫夢中になり、親には「どうして神谷浩史?!」と爆笑されるなどしながらここ1週間ほどを過ごした。

突然始まった神谷さんへの執着は、他の方面にも大きな影響を及ぼす。
当然まずはアニメを見る。デュラララ、弱虫ペダル、モブサイコ100、スケットダンス、さよなら絶望先生、ダイヤのA、おそ松さん…当時好きだったものを、見れる限り見漁った。さよなら絶望先生の流れで「かくしごと」も見た。良かった。とても。
それから楽曲も聴きまくった。わたしがスマホを手にした頃はまだKiramuneはサブスクやってなかったきがするのだが、いつの間にか解禁されていたらしい。
神谷さんはもちろん、神谷さんの延長戦として、Kiramuneの面々や、鈴村健一さん、小野大輔さんあたりの曲も聴いたが、もう全部懐かしくて鳥肌がたった。特に、わたしが唯一ライブに行ったことがある吉野裕行さんの曲はどれも刺さりすぎてちょっと泣きそうになった。

そんなこんなで、わたしは【16歳のもえちゃんのMDの中身】というプレイリストを作るに至った。

16歳のもえちゃんは、スマホを使いつつも、親からもらったMDウォークマンを大切に大切に使っていたのだ。スマホからMDに録音するっていう訳のわからんこともしていた。

このプレイリストは、16歳の頃聴いていた声優さんたちの曲をぽこぽこ入れていく、ほんとに名前通りのプレイリストだ。

Such a beautiful affair、真夏のスピカ、Ace of Asia、ハナサカ、ブルーラグーンに恋して、咲いちゃいな…………

どれも懐かしいものばかりだ。
前奏を聴くだけで、あの頃の記憶が連動してスッと蘇る。
生徒会楽しかったよなあとか、部活行きたくなかったなぁとか、あの先輩が好きだったなあとか、そんなバカみたいだけど、もう取り戻せなくて、いとおしい、わたしのいちばんキラキラしてた青春の思い出。
病気なんてなんにもなかった、まっさらなわたし。
16歳のもえちゃんは、そこにいた。

胸が苦しくなって、ちょっとだけ、病室で泣いた。

16歳のもえちゃんに、またこうして出会えたことはなによりも大きいと思っている。わたしは今年22歳になるけど、たぶん、これからもずっと、“16歳のもえちゃん”とは人生の節目節目で対話をするんだと思う。

16歳のもえちゃん、わたしがいまお笑いオタクをしていると知ったらなんていうだろう。「やっぱり」っていうかな、それとも「ヤバ」とか言って笑うんだろうか。
そして今また声優にハマってると知ったら、それこそ「やっぱり」って笑う気がする。
それよりも、まずは生きててよかったと、16歳のわたしには、そう言われたい。そして、これから先の人生は、「つらいことたくさんあるけど、生きてて良かったと思うよ」と言ってあげられるような人生がいい。

DGSの768話にて、神谷さんが「コロナ禍が良いとは思わないけど、悪いことだらけじゃないと思う」といったような話をしていた(違ったらごめんなさい)。
うん、わたしもそうだ。
この怪我が良いものでは決してないけど、悪いことばっかりじゃなかったと思う。こんだけゆっくり過ごせる時間がなかったら、きっとわたしは毎日に押しつぶされて、16歳の自分なんてすっかり忘れたままでいてしまったから。

まずは、16歳のわたしと隣に腰掛けてゆっくり怪我を治そうと思う。16歳のころ何を考えていたのか、ゆっくり話したい。
そして、いつか、22歳のわたしと16歳のわたし、まっさらに重なることができますように。

あの頃から寝る時には音楽を聴いていた。
おやすみなさい。

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