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iOSDC2019に参加しました

このエントリでは、iOSDC2019に参加した感想の話題を書いていこうと思います。(登壇については別エントリとします)

カンファレンスにおける双方向コミュニケーションとは

自分は双方向コミュニケーションを達成したのか

iOSDCではカンファレンスを講義ではなく双方向のコミュニケーションの場である(つまり、話者と聞き手は一方的な関係では無い)とオープニングで紹介されています。iOSDCでは例年「セッション」ではなく「トーク」という言葉を選択しているのはそのような背景からでしょう。

さて、実際に双方向コミュニケーションをする事はできたでしょうか。カンファレンスの中では多くのチャンスがありますが、双方向のコミュニケーションと聞いて、最初に思いつくのはトーク後のQ&Aではないでしょうか。Q&Aはトークの疑問点を話者に質問して回答を仰ぐ、まさに双方向コミュニケーションと言えます。

いくつかのセッションを見た感じでは、Q&Aで質問する人数は3~6人程度でした。Q&Aの時間は10分なので、これは適性な数だと思います。気になるのは、私のような質問しなかった人は双方向コミュニケーションが出来ていなかった事になるのかという事です。

実は、そんなこともありませんでした。iOSDCはそういった状況でも話者との双方向コミュニケーションが出来る様に「フィードバック」「Ask the speaker」「トークに対するリアクション」といったアクションが用意されていました。なので、それらをしていれば双方向コミュニケーションは自然となされたことになっていたのです。つまり「トークには3倍のリアクションで」というのは最低限の予防線だったわけです。

質の良いコミュニケーションは出来ていたのか

0,1が解決したところで、質に対して考えていきたくなりました。先程の考え方では、トークを聞きに来る事も双方向コミュニケーションと言えるかもしれません。しかし、それと質問をして話者と会話するのには質の違いがあるように思えます。

なぜ質問しなかったのでしょうか?質問が無い多くの場合は(このトークは自分にも分かり易かったので、理解できた。)という状態でした。つまり疑問が無い状態です。それに対して、質問者は明確に疑問があって質問を投げます。

疑問があるのは理解出来ていなかったからでしょうか?質問の内容を聞いているとそうでは無いように思いました。質問者の疑問は質問者の知識や経験から生み出されるものが多くを占めていました。つまり、理解した上でトークの内容と自分の知識・経験を合わせて生まれた共通項の疑問をぶつけているのです。質問者こそ話者と同じ土俵で「トーク」が出来ていたのです。

これこそ質の良い双方向コミュニケーションに思えます。知識と経験は話者にとっても有益で、それらの交換は対等なコミュニケーションと言えそうです。

全てのトークでこういった質問をする必要はないと思います、しかし自分の領域だったり、興味を持っていると言える分野に関してはそうでありたいと思います。そのためには日々技術のキャッチアップやチャレンジを怠らず、コミュニティや話者の視線がどこを向いているのかアンテナを貼る必要があるように思えます。つまりは聞き手は話者に対して、同じ分野において知識の交換が出来るように準備をしておくという事です。

そう考えると、「双方向コミュニケーション」という言葉が当日にだけ向けられる言葉ではないことに気付かされました。

2019/09/08 noppe