松本清張の小説の舞台35

今日は、文春文庫「虚線の下絵」に収録されている4編である。

「与えられた性」の主人公は、胃癌の手術を受けた画家である。舞台は、東京・湯河原・強羅・千葉の刑務所・四国である。「黒い長い髪で縛られたときの心持ちを知っていますか」。

表題作「虚線の下絵」の主人公は肖像画家で、妻が注文主を探す営業をしている。舞台は、東京・京都である。

「通過する客」の主人公は、歯科医の妻で、久しぶりに観光英語ガイドをする。舞台は、東京・ボストン・日光・京都(ケウト)・羽田・R市(東京から百キロ西)・京橋・ 皇居・明治神宮・浅草・銀座・江戸城・目白台C荘(椿山荘)・下今市・東照宮・中禅寺湖・上野・サンフランシスコ・平安神宮・河原町・南禅寺・洛西・コロラド州デンバー・ホンコン・バンコックである。

「首相官邸」の主人公は、陸軍の見習医官である。舞台は、東京・戸山ヶ原演習場(現・早稲田大学西早稲田キャンパス)・斉々哈爾(チチハル)・黒竜江・新京(現・長春)・奉天・大連・旅順・満州・六本木交差点・赤坂溜池・首相官邸・三宅坂・霞ヶ関・二重橋・T大附属病院・高円寺・赤坂・若松町・日比谷・東京第一衛戍病院(新宿区戸山町。現・国立国際医療研究センター病院)・東京衛戍刑務所(現・NHK放送センターなど)である。森鴎外のことが出てくる。

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