松本清張の小説の舞台18

今回は、新潮文庫「憎悪の依頼」より。

表題作「憎悪の依頼」は、28歳の男性会社員が主人公である。舞台は、神宮外苑・箱根湯本・仙石原・湖尻・強羅である。

「美の虚像」のモチーフは、「真贋の森」と似ている。主人公は、新聞社の美術記者である。舞台は、銀座裏・青山南町・京橋・巣鴨・原宿・世田谷・三軒茶屋・池袋西口・北多摩郡田無町である。奥津城で舌を出すという表現が出てくる。

「すずらん」(「六月の北海道」を改題)の主人公は、新進の画家である。舞台は、新宿駅・小淵沢・小海線(こうみせん)・信州小諸・戸倉温泉・伊香保温泉・軽井沢・水上温泉・榛名山・四万・草津・上野駅・旭川・札幌・島松・恵庭・美瑛町・宿志別・銀座・山梨県北巨摩郡大泉村・清里駅である。

「女囚」(「尊属」を改題)の主人公は、刑務所長である。舞台は、ある県(不明)・東京に近い山間部の町である。尊属殺重罰規定があった頃の話である。女囚の奇妙な確信の独善性を描いている。

「文字のない初登攀」の主人公は、登山家である。舞台は、R岳北側V壁・茨城県R町(漁村)・神戸市須磨・神戸駅である。

「絵はがきの少女」は、新潮文庫の松本清張傑作選「戦い続けた男の素顔」(宮部みゆきオリジナルセレクション)にも収録されている。主人公は、少年の頃、絵はがきを集めていた新聞記者である。山梨県K村(不明)・甲府・上諏訪・茅野・熊本・静岡・岡山・松山・柳井である。

「大臣の恋」の主人公は、初入閣の大臣である。舞台は、福岡県遠賀郡土井村・直方市殿町・門司・玄界灘・小倉・福岡・長崎・佐賀・熊本・鹿児島である。追憶に抱く幻想と非情な現実を描いている。

「金環食」の主人公は新聞記者である。舞台は、上野の科学博物館・R島(礼文島か)・稚内・武蔵野の天文台(三鷹?)・お濠端のGHQの建物・東京近県の県庁所在地(不明)である。

「流れの中に」(「流れ」を改題)は、新潮文庫の松本清張傑作選「戦い続けた男の素顔」(宮部みゆきオリジナルセレクション)にも収録されている。主人公は、勤続慰労休暇で旅に出る。舞台は、瀬戸内海のS町・M町・T町(Yではないが山口市?)・O町である。

「壁の青草」(「少年受刑者」を改題)は、同性愛の少年囚が主人公である。舞台は、刑務所である。

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