大してエグく無い。

「左ききのエレン」の感想で、たまに「こんなにエグる作品を描けるなんて、作者はメンタル強い」みたいなものを見かける。

実際、ぼくはメンタルが弱い。誰よりも弱い自信がある。

それでもエレンを描けるのは、テーマが「才能」や「仕事」だからだ。才能や仕事は人生で大事な事ではあるけれど、一番じゃ無い。

ぼくにとって人生で一番大事な事は「家族」や「恋人」に対する感情だ。そこに触れない限りは、全然描ける。ぼくだけじゃない、きっと一定数の人は「才能や仕事が人生の全てじゃ無い」という事を思っている。

愛すべき同僚が、ある日坊主頭にしていた。「仕事でやらかしたのか?」と聞くと「仕事なんかで坊主にするか、彼女にさ…」と笑っていた。

どんなにのめり込んでも仕事や才能にまつわる事は最優先にはならない。だからこそ、それを最優先に考える事ができる人が眩しく見えるし羨ましく思う。ぼくもあそこまで突き抜けられたらと思う。

「左ききのエレン」を読んでいる方には、もしかしたら気付いている人もいるかも知れないが、主人公達が社会に出るまでは「家族」や「恋人」にまつわる話がしつこく登場した。

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