絶対読んだ方がいい!漫画「アビスレイジ」

エレンと同じ、少年ジャンプ+で連載中の「アビスレイジ」

この漫画の話がしたくて、周りの友達に勧めまくってます。いい漫画は、友達と語り合いたいがために周りに勧めるっていう良いサイクルが生まれますね。

作者の成田さんとは以前から仲良くさせて頂いているので、この連載が始まるのをずーっと楽しみに待っていました。前作「マッチョグルメ」でしか成田さんを知らないと、ギャグ漫画の人だと誤解されるかも知れませんが、実際お会いして話していると、ジャンル問わず漫画の知見がものすごくてビビる。

まだ2話が公開されたばかりで全部無料で読めるので、ぼくが下手なレビューを書くより「とにかく読んでみて」って感じなのですが、2話まで読んで凄いなと思った事をちょっとだけ書きます。

漫画を連続して読んでもらうためには、何かしらの「引き」が必要になります。「次回、勝負の結末は?」とか「次回、ついに正体が…!」みたいなやつです。ぼくは感覚的に、これを「伏せカード」とイメージしてます。読者に開示されていない情報がある事で、それをめくるまで目が離せない。

(「伏線」って言葉だとちょっと意味が変わってくるので「伏せカード」くらいで。)

それで、場に出して良い「伏せカード」の枚数ってなんとなく決まっている気がして、少年漫画と青年漫画でその枚数の上限も変わると思います。少年漫画は基本的に伏せカードを1枚出したら、その1枚をめくらないと次の伏せカードが場に出せない、くらいに思っています。これも感覚的な話ですが、伏せカードの枚数が少なければ少ないほど「王道」で、伏せカードを駆使したテクニカルな内容だと「邪道」と呼ばれる気がします。

そもそも、その辺を主題としたミステリー系は難しく「謎が謎を呼ぶ」的に、伏せカードが開示されてない内に、次の伏せカードが追加される…みたいになってくると、読む人をかなり限定すると思います。

飴と鞭、みたいな感じで「秘密と開示」の黄金比があるのかも知れません。

アビスレイジは、世界観は硬派で青年誌的ではあるのですが、伏せカードを次話に持ち越さないので王道少年漫画の読後感でストレス無く読めます。なのに、ちゃんと強い引きがあって読み続けるモチベーションが途切れない。

成田さんが、邪道的なテクニカル重視の漫画にも長けている事は分かっているので(ジャンプ+で「フリート」という読切があるので読んでください)あえて王道として「いかに、引っ掛かりを無くして読ませ続けるか」を徹底して計算している様に感じました。

とにかく、3話が更新される前にぜひ未読の人は読んでみてください。


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