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5月にツイッター辞めます。

ぼくは2015年の9月に、このnoteに「フェイスブックポリス(SNSポリス)」という漫画を公開して漫画家になりました。

何者でも無い、ただの広告業界のサラリーマンだった自分が、コピー用紙に消せるボールペンで描いた落書きを、面白いと言ってシェアしてくれた人達のお陰です。

美大に入り、憧れていた広告業界にも入り、有名クリエイターでは無かったけれど、そこそこ理想通りの人生でしたが、漫画がバズった事で欲が出ました。

もう少し、特別な人生があるんじゃないかって。

その頃から夢中で描き始めた「左ききのエレン」という漫画では、そういった事を繰り返し描いています。誤解を招く言い方ですが、エレンにはメタ的に同一人物のキャラクターが何組か居ます。例えば、朝倉光一と佐久間威風と古谷局長は、メタ的に同一人物です。威風は「エレンと出会わなかった光一」で、古谷は「さゆりと別れなかった光一」です。

そんな、人生における選択をしたのが、2016年の2月でした。ぼくは広告業界を辞めて「株式会社なつやすみ」を立ち上げて漫画家になりました。

2017年の半ば、ぼくは一度漫画が描けなくなりました。エレンの連載も休み、ずっと後悔していました。自分が選ばなかった、広告業界で生き続ける道を想って、悲しくて耐えられなくなったのです。

以前「朝倉光一は、ぼくの代わりに広告業界に残ってくれている。」とインタビューで答えた事を思い出しました。彼に諦めた選択肢を押し付けておきながら、返して欲しいと思った。

散々悩んだ末に、ぼくは広告クリエイターに戻りたくて泣いていた訳では無く、自信を持って何者であると言える「本物」になりたいんだと思いました。「本物」は漠然とした表現ですが、漠然としたまま聞いてもらえると嬉しいです。

なんとかここまで、消費されずに、右肩上がりで、マイペースに活動は続けて来られましたが、それでも「本物」にはなれていない実感があります。

それから、ずっと「本物」になれたと思えた時、ツイッターを辞めようと思うようになりました。ツイッターなどのSNSから始まった漫画家人生ですが、その言葉の持つ軽さがコンプレックスになっていました。いつか、ツイッターを辞めたいと思い続けていました。

でも「本物」になれた時に辞める、という事がそもそも間違いなのでは無いかと思うようになったのです。誤解を恐れずに言うなら、漫画に限らずあらゆる職種で「ツイッターから生まれた本物」は、まだ一人も居ないと思ったんです。

この話は、ツイッターで知り合った才能豊かな人達と会った時に、よく話題に上がっていました。ツイッターがいつか無くなって、振り返った時に「ツイッターは、あの人を産んだよね」と語られる人が果たして一人でも居るのかって。

では「本物」と呼ばれる人達がツイッターなんてやらないかと聞かれたら、めちゃくちゃやってる。松本人志だってやってる。この辺はどうなんだと聞かれたら「本物がツイッターをやる事はあっても、ツイッターをやって本物になる事は叶わない」んだと、最近考えていて。

だから

「本物」になれたら辞める、じゃなくて

「本物」になれたら帰ってくる。

が良いんじゃ無いかと思いました。

奇しくも最初に描いた「SNSポリス」のアニメが始まる時期です。ぼくを漫画家にしてくれたSNS。タイトルから分かる様に、きっとSNSの面白さを感じてもらえる内容です。アイラブSNS。バッド、シーユーグッバイSNS。アイウィルビーバックSNS。サンキューソーマッチ。

そんな感じで、ツイッターを辞めようと思います。あ、でも、さすがにSNSポリスのアニメ始まる前に辞めると具合が悪いし、5月の頭に頑張って宣伝しないといけない事件もあるので、たぶん5月いっぱいで辞めます。

まだ2ヶ月くらいあるけど、炎上して辞める訳でも無いし、禁煙と同じと思って頂ければ。また何かメディア化が決まった時とか、宣伝のために帰ってくるかも知れませんし。

とにかく、それくらいの感じで、ツイッターを辞めます。

これからは、思った事はnoteに書きます。

これからも、ぼくの漫画をよろしくお願いします。

(ここから先は、月額有料マガジン向けです。ツイッターを辞める具体的なメリットとデメリットみたいな話を書きます。)

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