小池百合子 東京都知事が、人権尊重の名の下に言論弾圧の条例案を提出。

 2018年9月19日(水)、東京都議会が開会し、小池百合子 東京都知事が「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例案」という名前の条例案を提出した。


 本条例の中の「第三章 本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進」という部分は、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(通称: ヘイトスピーチ規制法)の第4条 第2項に基づいて作られており、東京都庁(都知事、都官僚、警視庁、審査会)による拡大解釈や恣意的運用により、日本国憲法 第21条 第1項に保障されている「表現の自由」が失われる危険性がある。

 既に大阪市では「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例」が施行されており、都官僚は、大阪市の条例を参考にして、東京都の本条例案を作ったと思われる。(なぜなら、条文が酷似しているからだ。)

 大阪市の条例と本条例案の大きな違いは、大阪市の条例は、「日本人に対するヘイトスピーチ」も規制対象だが、東京都の本条例案は、「日本人に対するヘイトスピーチ」を規制対象としていない点である。


 本条例案では、集団行進集団示威運動 だけでなく、インターネットによる方法その他手段 も規制対象となっており、しかも、都外での表現も規制する内容となっているので、都民以外にとっても無関係ではなく、非常に危険な条例案である。

 また、本条例案が成立したら、米国大使館、東京都内に8ヶ所の基地を持つ在日米軍、グローバル企業に対する抗議もできなくなる可能性がある。

 下手をすると、拡大解釈、恣意的運用、小さく産んで大きく育てる条例改悪によって、公務員や警察に対する抗議もできなくなる可能性もある。

 条文中の「等」、「その他」という表現は、条例の影響力が及ぶ範囲を曖昧にしており、拡大解釈や恣意的運用の温床となるため、注意した方が良い。

 人権の名の下に、政治家、官僚、警察の権力を拡大させる動きには、充分に警戒をして頂きたい。

 既に、日本の警察には、道路交通法、軽犯罪法、刑法95条1項の「公務執行妨害罪」等、道を歩いている人を誰でも逮捕できるだけの法律が完備されており、恣意的な運用がされているのである。


■ 条文から分かった点と疑問点

 東京都庁が「ヘイトスピーチ」と認定した活動に対しては、公の施設を使わせない。(第11条)

(※ 「ヘイトスピーチ」の明確な定義は不明。)


 東京都庁が「ヘイトスピーチ」と認定した「デモ」、「抗議行動」、「インターネット上における表現」、「その他の表現」が規制対象であり、東京都庁は、前述の表現の拡散を防止するために必要な措置を講じ、概要等を公表する。(第9条 第2号、第12条 第1項)

(※ 「その他の表現」とは何か? 「必要な措置」とは何か? 「概要等を公表」とは何を公表するのか? は不明。 ) 


 都内で行われた「ヘイトスピーチ」は勿論、都外で行われた「ヘイトスピーチ」も、「都民」に関するものであれば「必要な措置」、「概要等を公表」の対象し、都内で行われた「ヘイトスピーチ」を都外から都内に対して拡散する行為も「必要な措置」、「概要等を公表」の対象とする。(第12条 第1項)

(※ 「都民」の「等」とは何か? は不明。)


 「ヘイトスピーチ」かどうかを判定する、「審査会」の5人以内の委員は、都知事が「学識経験者その他適当と認める者」から選出し、任期2年、再任も可能とする。(第15条 第1~3項)

(※ 委員の人数は、5人以内と書かれているが、1人でも良いのか? 任命の際、議会の承認は必要無いのか? 議会に罷免権はあるのか?は不明。)


 「審査会の組織及び運営並びに調査審議の手続に関し必要な事項は、知事が別に定める。」(第17条)

(※ 「審査会の組織」、「運営」、「調査審議の手続」を都知事が定めるのでは、都知事のやりたい放題になるのではないか? 議会で議論し、条例の中で定めるべきではないのか?)


■ 条文(第3章のみ)

第三章 本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進

(趣旨)
第八条 都は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律(平成二十八年法律第六十八号。以下「法」という。)第四条第二項に基づき、都の実情に応じた施策を講ずることにより、不当な差別的言動(法第二条に規定するものをいう。以下同じ。)の解消を図るものとする。

(定義)
第九条 この章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 一 公の施設 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十四条の二の規定に基づき、都条例で設置する施設をいう。
 二 表現活動 集団行進及び集団示威運動並びにインターネットによる方法その他手段により行う表現行為をいう。

(啓発等の推進)
第十条 都は、不当な差別的言動を解消するための啓発等を推進するものとする。

(公の施設の利用制限)
第十一条 知事は、公の施設において不当な差別的言動が行われることを防止するため、公の施設の利用制限について基準を定めるものとする。

(拡散防止措置及び公表)
第十二条 知事は、次に掲げる表現活動が不当な差別的言動に該当すると認めるときは、事案の内容に即して当該表現活動に係る表現の内容の拡散を防止するために必要な措置を講ずるとともに、当該表現活動の概要等を公表するものとする。ただし、公表することにより第八条の趣旨を阻害すると認められるときその他特別の理由があると認められるときは、公表しないことができる。
 一 都の区域内で行われた表現活動
 二 都の区域外で行われた表現活動(都の区域内で行われたことが明らかでないものを含む。)で次のいずれかに該当するもの
  ア 都民等に関する表現活動
  イ アに掲げる表現活動以外のものであって、都の区域内で行われた表現活動に係る表現の内容を都の区域内に拡散するもの
2 前項の規定による措置及び公表は、都民等の申出又は職権により行うものとする。
3 知事は、第一項の規定による公表を行うに当たっては、当該不当な差別的言動の内容が拡散することのないよう十分に留意しなければならない。
4 第一項の規定による公表は、インターネットを利用する方法その他知事が認める方法により行うものとする。

(審査会の意見聴取)
第十三条 知事は、前条第一項各号に定める表現活動が不当な差別的言動に該当するおそれがあると認めるとき又は同条第二項の規定による申出があったときは、次に掲げる事項について、審査会の意見を聴かなければならない。ただし、同項の規定による申出があった場合において、当該申出に係る表現活動が同条第一項各号のいずれにも該当しないと明らかに認められるときは、この限りでない
 一 当該表現活動が前条第一項各号のいずれかに該当するものであること。
 二 当該表現活動が不当な差別的言動に該当するものであること。
2 知事は、前項ただし書の場合には、速やかに審査会に報告しなければならない。この場合において、審査会は知事に対し、当該報告に係る事項について意見を述べることができる
3 知事は、前条第一項の規定による措置又は公表を行おうとするときは、あらかじめ審査会の意見を聴かなければならない

(審査会の設置)
第十四条 前条各項の規定によりその権限に属するものとされた事項について調査審議し、又は報告に対して意見を述べさせるため、知事の附属機関として、審査会を置く。
2 審査会は、前項に定めるもののほか、この章の施行に関する重要な事項について調査審議するとともに、知事に意見を述べることができる

(審査会の組織)
第十五条 審査会は、委員五人以内で組織する。
2 審査会の委員は、知事が、学識経験者その他適当と認める者のうちから委嘱する。
3 委員の任期は二年とし、補欠の委員の任期は前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない

(審査会の調査審議手続)
第十六条 審査会は、知事又は第十三条第一項若しくは第三項の規定により調査審議の対象となっている表現活動に係る第十二条第二項の規定による申出を行った都民等に意見書又は資料の提出を求めること、適当と認める者にその知っている事実を述べさせることその他必要な調査を行うことができる。
2 審査会は、前項の表現活動を行った者に対し、相当の期間を定めて、書面により意見を述べる機会を与えることができる
3 審査会は、必要があると認めるときは、その指名する委員に第一項の規定による調査を行わせることができる。

(審査会の規定に関する委任)
第十七条 前三条に定めるもののほか、審査会の組織及び運営並びに調査審議の手続に関し必要な事項は、知事が別に定める

(表現の自由等への配慮)
第十八条 この章の規定の適用に当たっては、表現の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。

附則
1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第十一条から第十三条まで及び第十六条の規定は、平成三十一年四月一日から施行する。
2 第十一条から第十三条まで及び第十六条の規定は、前項ただし書に規定する日以後に行われた表現活動について適用する。


小池 百合子 東京都知事は、かつて、自民党所属の衆議院議員だった時、「移民1000万人計画」を推進するための議員連盟である、「自民党国際人材議員連盟」の会長だった。

 「移民1000万人計画」は、労働市場を供給過剰にし、労働者の賃金への下方圧力となり、また、日本人労働者と外国人労働者を競争させ、団結させない、資本家にとって都合の良い政策である。

 「ヘイトスピーチ規制法」は、言論弾圧の法律であるだけでなく、資本家が、日本人労働者と外国人労働者をロボットのように都合良く使うための法律でもあり、「移民1000万人計画」を完成させるための1つの「パズルのピース」なのである。

 2012年5月7日に施行された、改正「出入国管理及び難民認定法」の「高度人材に対するポイント制による出入国管理上の優遇措置」により、事実上の移民政策が始まり、政権交代後の安倍内閣も同法を更に規制緩和し、移民政策を推進してきた。

 また、安倍内閣は、2018年6月15日、「骨太の方針」で、新たな在留資格を設けることにより、2025年までに50万人の外国人労働者(移民)を受け入れることを掲げた。

 移民政策は、労働者の賃金への下方圧力を強める政策であり、また、民族間の対立・紛争、犯罪率の上昇、治安の悪化等、欧州でも社会問題となっている。

 日本国民は、「言論弾圧の立法には反対」、「移民政策には反対」、「日本人、外国人を問わず、奴隷的な労働には反対。」を強く主張していく必要がある。


■ 『ヘイトスピーチ規制法の危険性~警察国家の完成へ(寺澤有氏・林克明氏)2016.05.21』(沙羅双樹の花 @sarasoujunohana


■ 条例案の概要(東京都議会)


■ 条例案の条文(縦書き / pdf)


■ 条例案の条文(横書き / web)


■ 『一難去らずにまた一難~東京都人権条例の危険~』(林克明 @hayashimasaaki / 2018年9月16日)


■ 『言論弾圧!「#東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例 案 」』(濃飛新報 (@nora_journal) / 2018年9月18日)


■ 移民政策の危険性(濃飛新報 (@nora_journal) / 2018年9月13日)


■ 大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例


■ 『「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例」の運用について』


■ ヘイトスピーチ(神奈川県 川崎市)


■ 「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律に基づく『公の施設』利用許可に関するガイドライン(pdf)」(神奈川県 川崎市)


■ 『日程第5 本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案(愛知治郎君外2名発議)「委員長報告のとおり修正議決すること」』(第190回国会 2016年5月13日 参議院本会議 投票結果)


■ 『人材開国! 日本型移民政策の提言 世界の若者が移住したいと憧れる国の構築に向けて =中間とりまとめ=』(自由民主党 外国人材交流推進議員連盟 / 2008年6月12日)


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