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P社「ワクチンが予防するのは、発症と重症化。感染テストは行ってない」発言について考えた

欧州議会でのP社役員の発言について考えてみた

P社の治験データから、P社発言を検証

先日、ファイザー社の「ワクチンに感染予防があるかどうかのテストは事前に行っていない」という欧州議会での発言が炎上しました。本当に”あんまり”な発言です。が、最初に、このニュースを知った時、ちょっと混乱したのは・・・

え?あの有効性95%とか言ってたやつは?

という点です。ワクチン接種の検討事項(1)現状を正しく把握のコラムで自分が家族を摂取させるべきかを検討したときの内容に触れていますが、あの時、ワクチンとプラセボをそれぞれ接種した治験者で、感染者数の比較を確かにしていたからです。

しかし、次のファイザーの説明で、「やられた!」ということに気が付きます。

ファイザー社の説明によれば、「ワクチンは発症と重症化を抑えると行ったが、感染(伝播)を防ぐとは言っていない」ということのようなのです。確かに、治験では、ワクチン接種者とプラセボ(未接種者)にわけ、症状が出た人と重症化した人の数の比較を行なっていました。

https://note.com/noraailin/n/nb07fe28dc298

これは英語資料を翻訳して作ったものですが、確かに私自身、”発症”としっかり書いてあります。この時には、95%という数字の計算がとってもトリッキー・・・ということに気を取られていました。念のため、”100人いたら95人感染しない”のではなく、”未接種者が接種していた場合、発症しなかった確率が95%”というものでした。

確かに、この治験方法では、発症したことは確認できても、”感染したかどうか”については調べられていません。これはP社役員が欧州議会で発言した通りです。

感染と発症は違います。感染しても発症しないケースもあります。マラリアの危険が高い国の友人から聞いた話ですが、彼らは感染している前提で、発症させないように、”極端に疲れないような生活”を心掛けているといいます。自分の体内にある自然免疫を有効に機能させるためです。

PCR検査の闇についての議論の時には、”陽性と感染”の違いを理解してもらえず、苦戦したところもあったのですが、ワクチンの有効性の時にも、まさかこのような仕掛けがあったとは・・・。そして、私自身、まんまと騙されていたとは・・・。

炎上消しに走る左翼の味方、ファクトチェッカー

ご存じの方も多いかと思いますが、当然、オンライン・メディアを中心に「P社役員が自ら衝撃的な告白をした!」と、炎上します。それに対抗したのは、いつものパターンで、ファクトチェッカーたちです。

「そんなの全然新事実じゃないし、衝撃的でもないし。元々ファイザーは感染についてのテストはしてなかったって言ってたど」っと。
It’s Not News, Nor ‘Scandalous,’ That Pfizer Trial Didn’t Test Transmission

この記事で、さらに「やられた」と思ったのが、FDAがワクチンに対し、緊急使用許可(EUA)を出したときのコメント。

「現時点では、このワクチンがどれくらいの期間感染を予防できるかを判断するためのデータはなく、また、このワクチンが人から人への新型コロナの感染を予防できるという証拠もない」。

FDAが最初のEUAを出した頃、打ちたい人だけが打つものだと思っていたため、正直なところ、FDAのコメントをしっかりと聞いてはいませんでした。それに、この頃は、不正選挙ぶりの凄さに驚きと、怒りが向いていた・・・おそらくアメリカの保守派の人はそうだったと思います。

ワクチン接種義務化論争の時にも、FDAが正式承認したときの資料は見直しましたが、まさか最初のEUAにこんな仕掛けがあったとは!です。同じファクトチェックの記事では、ファイザー社のCEO、Albert Bourla氏が、NBCニュースに対して2020年12月3日に行った発言「ワクチン接種者がウイルスを保有し、他の人に感染させる可能性があるかどうかはまだ不明である」も紹介されています。

感染者と発症者が異なるのは、陽性者が必ずしも感染者ではないことと同じくらいややこしいものです。それに、その当時のワクチンに対する一般的な理解は、「ワクチンによる集団免疫がコロナを終焉させる」というものでした。というより、そのために多額の税金が投入されて開発されたという認識だったと思います。P社もFDAもウソはついていないというのは、どうも本当のことです。ただ、私たちが巧みに騙されたというだけなのです。

このような議論を展開することで、ファイザー社はうまく言い逃れることができるかもしれません。しかし、問題はCDCやファウチ博士等、科学の専門性がありながら、感染と発症をきちんと区別せずにワクチン推し政策やガイドラインを設けた人々、接種義務化をゴリ押しした人です。

CDCやアメリカの科学者はデュープスか?それとも嘘つきか?

ワクチン推しの科学者たちは、どうするの?

CDC Director Rochelle Walensky: “Our vaccines are working exceptionally well … but what they can’t do anymore is prevent transmission.”

これはCDCのワレンスキー長官のコメント(2022年1月10日)で、”ワクチンは感染防止にはならないけれど、重症化や死亡を防ぐ効果は依然として期待できる”と、ワクチン接種の推進を継続させる姿勢を見せたものでした。今年の1月といえば、アメリカではワクチン接種の義務化をめぐる大論争が起こっていた時期。感染防止にならないのであれば、接種を義務化させる意味がないというのが、義務化を反対する重要なポイントの1つでした。しかし、理解不能な言い訳を並べ、押し切って義務化を進めたのが米国の現政権でした。

ここも色々問題はありますが、ここでは、ワレンスキー長官のコメントの問題点について考えてみます。彼女の発言では、しっかりと”Transmission(伝播、感染)”という言葉が使われています。さらに「can't do anymore」ということは、以前は効果があったということです。
ということは、CDCは発症と感染の違いがわからず、うっかりしたデュープスさん(<共産主義者に>騙されやすい人、カモにされやすい人)だったのでしょうか?それとも強靭なハートを持った嘘つきなのでしょうか。

”P社がきちんと「感染防止効果はない」と主張していた”という事実について、「ああ、そうですか」と納得すると、今度は、「え?じゃあ、ワレンスキー長官は何考えてるの?」ということになってしまうのです。デュープスか、嘘つきかのどっちだ!?という疑惑が向けられるのは、ワレンスキー長官だけではありません。もちろん、みんな大好き!ファウチ博士をはじめとする、自称・科学の権威という人たち全員の発言や政策がおかしなことになります。次にその一部を見ていきたいと思います。

接種完了者は、マスク着用・ソーシャルディスタンシング不要のウソ

ワクチンは感染防止をするというのが一般的な理解でした。ワクチン接種が完了すれば、コロナ以前の生活が元に戻ると、多くのアメリカ人が信じ、そして接種を完了させたのです。そして、2021年5月、CDCが発表したのが「ワクチン接種完了者は、マスク着用・ソーシャルディスタンシング不要」という政策です。カリフォルニア州やニューヨーク州、ハワイ州等米国・共産州でも、ワクチン接種者と未接種者に対する区別をつけた政策が随時導入されていきました。

接種完了者と未接種者を区別した政策を”不当な差別”ではないと正当化できるのは、”ワクチンが感染(伝播)防止につながる”という前提があってこそ。

この時点でP社の発言「ワクチン接種者がウイルスを保有し、他の人に感染させる可能性があるかどうかはまだ不明である」がアップデートできる状況ではなかった場合、CDCは他の人に感染させる懸念がある人々を騙し、適切な予防策を取らせないようにしたことで感染爆発を起こさせたことになります。実際、マサチューセッツ州でのイベントでの事例は、CDCの失策によるものだと思います。

【Vol.4】デルタ株がアメリカで感染爆発を起こした原因 

この件で、CDCやファウチ博士がデュープスなのか、嘘つきなのか?と言われたら、強靭なハートを持つ嘘つきの方です。断定したのは、当初、CDCもファウチ博士も「ワクチン接種しても、マスク着用やソーシャルディスタンシングは必要」というスタンスをとっていたためです。スタンスを変えたのは、当時、ファウチ博士に対し、ワクチンにまつわる疑惑をぶつけていた、ランド・ポール上院議員らとの対決が関係していると思います。この争点の1つが「ワクチンが感染予防に役立つというなら、接種が完了した人は、マスク着用する必要がないのでは?」でした。この矛盾を解消するために、彼らが選んだのは、”マスク着用を不要”とする方でした。ワクチン推進の妨げとなる事は避けたのだと思います。ということは・・・。

感染防止効果がない(わからない)ことを知っていたにも関わらず、ワクチン推進を行いたいがために、接種完了者が適切な予防策を行わなくなるような政策をあえて行ったのではないかという疑惑が浮上します。

接種完了者による、未接種者叩きを推進し、対立を煽る政府

そもそもアメリカで、未接種者が散々責められてきたのは、「未接種者の間で感染を広めている」という、ファウチ博士の謎の主張に基づいた議論によって、でした。”ブレイクスルー感染”が問題になってからも、「それでも未接種者の方が多くウイルスをばら撒いている!」という主張が止まることはありませんでした。

しかし、”実際に伝播してしまった”という事実から考えると、P社の発言「ワクチン接種者がウイルスを保有し、他の人に感染させる可能性があるかどうかはまだ不明である」は、”ワクチン接種者がウイルスを保有し、他人に感染させる可能性があった”ということになります。

実際、厚労省のサイトでも、「ワクチンを接種していれば、ブレークスルー感染が起こってもほとんどの場合、重症化を免れます。しかし、感染することはあるし、感染しても発病しないことも多いので自分ではそれと気付かないままでいます。もしマスクを着用しないで会話をしたり、3密の場所に出入りしたりすると、他の人にうつしてしまう恐れがあります」とあります。

しかし、ファウチ博士やCDC、そして米国の現政権は、接種完了者による未接種者叩きを推進しました。
ワクチン未接種者を責めよ!ーファシズムと闘うアメリカ(2)感染は誰の責任?

”ブレイクスルー感染”で、ワクチン効果を巧みに誤魔化す

さらに、 P社の発言が事実という前提で、もう一度、”ブレイクスルー感染・騒動”を振り返ってみると、色々な闇が見えてきます。

2021年8月に、みんな大好き!NHKの報道によると・・・。
国立感染症研究所は「ワクチンの有効性を否定する結果ではないが、接種後も感染対策を続けることが重要だ」としています。
国立感染症研究所・所長のコメント:「発症や重症化の予防効果は明らかだが、接種が増えれば、接種後に感染するケースも出てくる。ただ、その後ろに感染を免れている多くの人がいることを理解してもらう必要がある。科学的に伝えられるコミュニケーションをしていきたい」
一方、先ほどの、ファクト・チェックの記事では:今回の緊急使用許可は、第3相臨床試験のデータを審査した結果、ワクチンの安全性と、2回目の接種後1週間以上経過して症状が出るCOVID-19の予防効果が95%であることが示された。臨床試験では、ワクチンが感染を減らすことができるかどうかは評価されておらず、企業も政府もそうであると主張したことはない

”臨床試験ではワクチンが感染を減らすことができるかどうかは、評価されていない”にも関わらず、専門家が”接種が増えれば、接種後に感染するケースも出てくる”というのは奇妙です。感染を減らすことができるかどうかは評価対象外だったわけですから、接種数関係なしにブレイクスルー感染は起こっていたかもしれないのです。実際、治験の段階でも、ワクチン接種した2万人中、8人は感染しています。

https://note.com/noraailin/n/nb07fe28dc298

”接種が増えれば、接種後に感染するケースも出てくる”という説明は、実に巧みな表現ですが、それでも、世界中の人々に打たせようとしていたワクチンを、たった2万人が受けた程度で、8人の感染者を出しているのです。にも関わらず、ブレイクスルー感染の原因が”接種者が増えたこと”とも取れてしまう、この説明に違和感を感じます。

CDCやファウチ博士も、ブレイクスルー感染が予期せぬできごとと取れるような態度や発言を繰り返してきましたが、実際には、厚労省による下記の説明通りなのではないでしょうか。

厚生労働省は、ブレイクスルー感染について、「一度罹ると”二度罹り”しない感染症もあれば、何度も繰り返し罹る感染症もある」とし、後者にインフルエンザやロタウイルス胃腸炎をあげています。新型コロナも後者です。そして、サイトではその原因を「ワクチンを接種して血液中に抗体があっても、呼吸器粘膜の感染を防ぐことは難しいし、発病を防ぐことも十分ではありません」と説明しています。

”接種が増えれば、接種後に感染するケースも出てくる”は、「接種が少ないと、ブレイクスルー感染は起こらない」とは言っていませんので、ウソか本当かと言われたら、この文章自体は事実です。しかし、このワクチンはそもそも感染を防ぐとは言っていないわけですし、ウイルスの特徴として、コロナはブレイクスルー感染が予想できたこととすれば、”接種数が増えれば”と、わざわざ言う必要のないことですし、アメリカでマスク着用不要としたことは、全くの愚策でした。

集団免疫がコロナを終焉するのウソ

そもそもの話になります。
ワクチンの開発が決まった時、そして、EUAの承認が降りた時、アメリカだけではなく、世界中の人が、集団免疫によるコロナの終焉に期待を寄せたはずです。集団免疫とは、人口の一定割合以上の人が免疫を持つと、感染患者が出ても、他の人に感染しにくくなることで、感染症が流行しなくなる状態のこと。どのくらいの割合の人がワクチンを打てば、集団免疫獲得となるのか?そのパーセンテージに注目が集まった時期もありました。

2020年12月のNHKの記事によると、アメリカ政府の新型コロナウイルス対策チームのファウチ博士は、有力紙ニューヨーク・タイムズのインタビューで「正確には分からないが、70%から90%の間だと思う」と述べ、人口の7割以上が免疫を持つ必要があるという見方を示しました。
同記事後半では、「ファウチ博士は、以前は多くの専門家が示した「60%から70%」という見方と同様の見解を示していましたが・・・」とも報じられています。

感染予防の効果があるかどうかわからない状態で、どうしてワクチン接種による集団免疫の話ができたのでしょうか。先ほどの厚労省のサイトでは、「新型コロナウイルスもインフルエンザウイルスと同じように(中略)血液の中の抗体は鼻や喉の粘膜では効き目が弱く、感染を防ぐ効果はあまり強くありませんが、肺では重症化を防ぐ効果を発揮します」と説明しています。このサイトの説明では、ワクチンがどうか?というのではなく、ウイルスの性質上、感染を防ぐ効果はないとしています。で、あるならば、感染予防の効果はテストしていなくても、効果が薄いことは想像がつきます。

念のため、集団免疫の定義を見ると、しっかり”感染”とありますので、”発症”を防ぐワクチンで集団免疫が獲得できるわけではなさそうです。それに・・・。

そもそも打てば、コロナ前の生活が戻ってくるという話ではなかったでしょうか?

それが2回になり、3回になり、4回になったかと思えば、定期接種の話。ゴールポストをどんどん変えていくというのは、左翼の十八番です。「感染防止に効果はないが、重症化防止には効果がある」(CDC)のであれば、重症化リスクのある人だけば接種の検討をすれば良いことで、全ての人が定期接種を推奨される意味がわかりません。

”そもそも”の連呼で申し訳ないのですが、そもそも治験中のワクチンです。2回で十分な効果があるとしたのに、3回目、4回目・・・定期接種を進めるというのは、治療薬の設計として何かが不十分だったという評価にはならないのでしょうか。当初の計画では、ワクチンの目的は、コロナの終焉でしたから、2回の接種でコロナが終わらなかった時点で、失敗・ワクチンということにならないのでしょうか?

さらに、ブースター接種が必要だという議論の中では、変異によるブレイクスルー感染に対応するためというものがあったかと思います。ということは、やはりワクチンについては、感染防止予防が期待されているということです。しかし、それはP社がワクチンの効果として謳っているものではありません。

こういったことを、ピュアな気持ちで受け取ろうとすると・・・、政府機関やお仲間科学者らの期待と、製造元であるP社が作ろうとしているワクチンとの間にズレが生じているという懸念があります。・・・実際には、嘘つきさんはだ〜れ?という話に過ぎないのだと思うのですが。

左翼の流儀

ファイザー社が「俺たちは悪くない」と、感染と発症の違いを強調すればするほど、CDCをはじめとするワクチン推し科学者がデュープスなのか、嘘つきなのかという疑惑が深まっていきます。問題はデュープスであっても、嘘つきであっても、彼らはとても賢い人だということです。後々不味くなりそうな発言にならないように、巧みな単語選びをしたり、トリッキーな手法を使ってきます。

トリッキーな手法の中には、数字による印象操作や、他者への責任の押し付け等があります。後者の素晴らしい事例は、「ワクチン接種者がマスク着用・ソーシャルディスタンシング不要」という宣言を行った時のファウチ博士です。当初、ワクチン接種後もマスクが必要と主張していたファウチ博士ですが、後日、マスク不要に賛成し、国民に幻想を抱かせ、ワクチン接種の促進に努めます。しかし、彼は、あくまでも「CDCの勧告に従って」というスタンスを貫きました。自分はCDCの政策に基づいたPRのお手伝いをしただけというていです。

後者については、次回のコラムでシェアさせていただきたいと思います。


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