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【前編】起業家になろうと丸4年。26歳起業家が何を考え、感じてきたのかを書く。

僕が21歳の時です。
大学に行かないといけないと思い、身の丈に合わない大学へ行こうとダラダラ浪人を続けていました。そして、2浪までしてからようやく本気で大学に行きたいと思っていない自分に気づいて、頑張れなくなってしまった。

そして、高学歴エリートになるはずの人生から高卒になり、どうせ学歴もないなら可能性に賭けてみようと起業家になることだけを決めました。ここから僕の人生が始まった。

ひよっこによるお粗末起業

最初の起業は「有機無農薬野菜の宅配サービス」。
この時の起業理由は「自分にはなれなかった大卒を見返したい」というしょうもない理由だったので、立派な理念とか志なんてなかった。動いていればなんとかなるとか、すごい甘い考えで動いていたんですよね。

事業は農家さんを紹介してもらって、根性と足で地道に住宅街走り回ったおかげで死ぬことはなかった。このときはビジネスモデルとかも知らなかったけど、ピンポン押して「野菜持って毎週くるんでいりませんか?」っていうので先に注文だけもらって、次の週に持っていくっていうのをやってました。こうすれば赤字にはならないから死なないという寸法。

しかし、車一台で回れる件数なんてすぐにわかるわけで。
稼げる上限が見えてきた段階で「俺ってこれで一生やっていくんか?」って悩んでしまった。

農家さんは人生かけて野菜作っているのに運ぶ自分はどうなんだろうって思ったら迷ってしまったわけです。そんなタイミングで唯一の相方が違う道に行くっていうことで解散になった。これが一回目の起業です。華々しさの欠片もないですね。

迷走期

最初の事業が終わってから胸にもやもやしたものを抱えながら、一人でいろんなイベントに出たり、人に出会って話したりをしていました。自分にとって、「起業ってなんだろうか?」とか「何がしたいのか?」とかを考えながら。

この頃のコンプレックスばかりあって、「20代起業家!」とかの話を聞く度に悔しい思いをしてました。結局はちやほやしてほしかっただけなんですけどね。恥ずかしい。

で、やりだしたのが「座論」っていう社会人と学生を集めて10人前後で3時間しゃべるサロン。
これをやる前に出会った経営者の人たちに「お前はもっと人の話を聞け!」とか「もっと利他心を持て!」とか言われたのを真に受けて、自分なりにできる価値ある行動をしてみようと思って始めました。

このイベントに人を呼ぶために他のイベントに出て、どんどん人を巻き込んでいきました。週二回くらいのペースでやってたんですが、延べ人数だと1000人前後は参加してもらったりしてました。

これをやってる間も自問自答を続けていて、出会う大人の言葉に翻弄されてました。どうやら大人というのは威勢の良い若者を見つけると口を出さずにはいられないようで、人によって全く違うことをいうので何が何やらと思ってましたね。相手は何気なく言っている言葉でも言われた側にとっては呪いになります。

僕もこの頃に呪われたことがたくさんあって、「お金を追うな。人の為になることをしてたらなんとかなる」とかこれ自体は正論なんですけど、やりすぎると自分が生活できないし、余裕がなくなっていい考えとか浮かばなくなってしまう。

この頃は日本で起業家フィーバーが起きてたので、いろんな人達が「お金よりも志!」とか「社会起業家!」とか言ってました。自分もそんなキラキラした存在になりたいと思ってたんですけど、何も経験したこともない人間からミッションとか志が生まれるわけもなく、それっぽい言葉を並べるだけの空虚なビジネスを思いついては形にならずに終わってました。

座論と並行して、「PED(ペッド)」っていうプレゼンテーションを全力で悪ふざけしながらやるイベントをやったり、「遅すぎた青春企画」という大人も学生も混ぜて本気で遊ぶイベントをやったりしました。こういう一つ一つのイベントにもテーマやコンセプトがあって、PEDなら「大人の悪ふざけ」とかキャンプなら「ファッションを脱がす」とか。僕が言いたかったのは「みんなもっと心のままに生きればいいのに」ってことだったんだと思います。

多くの人が僕のイベントに来て、悩みをぶちまけたりするんですけどその度に「本音が言える場所がない」とか「自分が本当は何がしたいのかわからない」と言う。でも、結局この問題って自分の問題なんですよね。他人が解決できることではなくて、自分が本気で変わりたいと思って動けるかどうかなんだなってつくづく思いました。

この頃までの僕はめちゃくちゃ傲慢で虚栄心の塊だったんで、「他人の為」とか適当な言葉で着飾りながらも本当は自分をかっこよく見せたかっただけなんですよ。結局は自分が一番ファションな生き方してたってオチです。これが23から24くらいの話です。

お金が好きじゃ駄目ですか?

この頃の活動は価値はあったと思うんですけど、まぁお金にならない!

実際、貯金を切り崩しながらになったのでとても大変で、合間合間にバイトしたりして自分は何をやってるんだと思っていました。起業家のほとんどの方はあまり生活感見せませんけど、起業の後すぐにお金になるってあまりないので初期の頃はみんな売れない芸人みたいな生活です。

そして、迷いはしたんですが一旦「座論」を辞めました。結局あまり意味がないなと思ったからです。

困ってる人はたくさんいます、けど、他人が誰かを救うなんてできないんです。人は自分で動いたことでしか意味を見い出せない。もちろん、出会える場というのは意味があったと思いますし、言語化することは大切なんですが、本当はどこでもできることなんだと思ってしまってやれなくなりました。

ここでもう一度、自問自答します。

自分は本当にどうしたいのか。

できるだけ正直になろうと考えたら、自分がビジネスが好きだってことに気がついた。

僕はお金が好きだし、ビジネスを考えているときはワクワクするし、楽しい。

最初の頃、成功したいっていうのは虚栄心の現れでしかなかった。それを自覚して、考え抜いた結果、このなにかを成したいっていう気持ちの源泉は過去とか原体験とかそういうものではなくて、なにか業のようなものなんじゃないかって感じるようになったんです。

起業っていうのは大変です。
キラキラして応援されやすそうに見えますが、若い起業家がアイディアだけで投資してもらって成功する!みたいなものは数少ない奇跡なんですよね。

何かを成すまでは起業家というのはただの妄想家でしかない。
すごいビシネスモデルを考えて、ビジョンを訴えても形になるまでは他人には信じてもらえない。世知辛いものなんですよね。

ビジネスの本質

僕にはビジネスにこだわる理由があります。

ビジネスの本質とは価値交換です。
他人を笑顔にする。笑顔にしてくれてありがとうと対価を渡す。どれだけ複雑なビジネスでもこの本質は変わりません。なら、お金をたくさん稼ぐということはそれだけ多くの人を喜ばせたということになるはずなんです。もちろん、こんなのは綺麗事で世の中には仕組みを使って稼ぐ人もいます。

企業には理念というものがあります。
会社員の方は自社の理念を見てみると面白いですよ。ほとんどは笑ってしまうような大げさなことが書かれているものです。ほとんどの会社は目先の仕事に追われて、理念なんて気にしてる暇がなくなりますけど、この理念こそが会社の存在意義なんですよね。

どんな組織にもそれが作られた理由があります。
残念ながら、創業者によっては自分さえ儲けられればいいと思っている会社もありますが、しっかり理念通りに動いている会社もあります。そういう会社のあり方はかっこいいと思いますし、尊いものです。社員の方にとっても面白い職場になっています。

僕はそういう会社に憧れます。
面白い商品やサービスを作って、社員と一緒に頑張って儲けては次の事業へ突っ込んでいく。そこに笑顔があると最高なんです。それを創る仕事以上に面白いことあるかと思います。

もちろん、そうじゃない会社もたくさんあります。
最初は崇高な理念から始まったのに、蓋を開けてみれば誰にでもできる機械的な仕事をこなして儲けたお金は上の人間がせしめる。そういうのを見る度に腹が立ちます。

僕にとってビジネスはロマンです。

良識を持って、正しく組み立てればみんなが面白くいられるシステムです。
けれど、戦いでもあります。だから、どうしても勝った人が正しいとなってしまいます。綺麗事だけで生活はできません。けれど、自分たちだけが勝てればいい。周りを騙しても自分は生き残る!そんなのが面白いかと僕は思います。

僕はまだ勝ったことはありません。
戦場にまともに出たこともない新参兵です。けれど、勝てれば何でもありだと思うほどつまらない人間ではいたくありません。

僕に関わる人が笑えて、そして勝てる。そんな理想を成し遂げたくて起業家なんて名乗ってみっともなくしがみついています。他人から見れば、口だけの男に見えるんだろうと思います。けれど、口すら言えなくなったら終わりです。

最後に

僕が商売にロマンを抱くように成ったきっかけである小説「狼と香辛料」という小説があります。それにこんなセリフがあります。

「商人とは商いを行う者であり、商いとは利益を求める。そして、利益とは他人を笑顔にしたときに生じるものである」

ビジネスには戦略という考え方があります。
僕にとって、この言葉こそが最強の戦略に通じる基盤なんだと信じています。それを証明するために僕は僕の成すべきことをします。

前編はここまで!
こんな僕が、また新しい挑戦をしています。
共感してもらえたら、ぜひ支援と応援してください。

後編は「それで今はなにしてんの?」って話をします。


ご覧いただきありがとうございました!

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