見出し画像

ノルウェーで売れてる小説リスト

ノルウェーの書店 Adlibris のトップリスト(全体)を見ていたら、編み物の本ばかり(?)並んでいました。さすが、ノルウェージャン・カーディガンの国ですね。
じゃあ、小説の売れ行きはどうなんだろう、と小説カテゴリのトップリストを見てみました。今回は、そのうちのトップ6をご紹介します。

画像1

写真左から順番に

Illvilje (悪意)
ヨルン・リーエル・ホルスト
『猟犬』(猪股 和夫 訳)の邦訳書があるホルストの刑事ヴィスティング・シリーズ最新刊。
新刊書(ハードカバー)の値段が349クローネ(4100円)なのに売れているということにも驚きましたが、電子書籍も209クローネ(2500円)なんですよね! こちらも売れているようです。ノルウェー人、本の値段が高くても大丈夫なんだ…(注目点はそこか?)。

Datteren(娘)
Anne Birkefeldt Ragde
多作で評価の高いノルウェーの小説家ながら、邦訳書はまだありません。この作品はミステリではなく、家族の物語です。

Przewalskis hest (Przewalski の馬)
マヤ・ルンデ
ハチが絶滅した世界を描いた『蜜蜂』(池田 真紀子 訳)は北欧ブッククラブ8月の課題図書でした。ルンデには他に『Blå(ブルー)』という、水が枯渇した未来を舞台にしたディストピア小説もあります。本作も1881年のサンクトペテルブルク、1992年のモンゴル、2064年のノルウェーが舞台で、「人間が地上の動物にどのような影響を与えてきたか」を描いているそうです。

Tredje, og siste, roman om Bjørn Hansen(ビョーン・ハンセンに関する3つ目で最後の小説)
ダーグ・ソールスター

村上春樹の翻訳で『NOVEL 11, BOOK 18 - ノヴェル・イレブン、ブック・エイティーン 』が翻訳されているノルウェーの作家です。この邦訳作品の主人公の名前がビョーン・ハンセンなので、彼についての物語がついに最後になるということですね。
グリーンランドのワンルーム・アパートに住む77歳のビョーン・ハンセンのもとに、義理の娘と孫(青年)が訪れる。彼女は孫に、祖父と一緒に住むように命じる…。

Byens spor; Skyggeboken (街の軌跡;シャドーブック)
ラーシュ・ソービエ・クリステンセン

邦訳書はないのですが、彼の小説をもとにした映画『イエスタデイ』は2014年に日本で公開されています。映画の公式サイトによると、「世界20カ国以上で翻訳されたベストセラー小説『Beatles』を元に映画化」だそうです。
本作『Byens spor; Skyggeboken』は、上記とは別の3部作小説の結末です。

Hun som må dø(死ぬのは彼女だ)
ダヴィド・ラーゲルクランツ

スウェーデンのミレニアム・シリーズ6作目のノルウェー語訳です。ハードカバー、電子書籍の値段は上のヨルン・リーエル・ホルストと同じです。ところが、同じ書店のスウェーデン・サイトで本書のスウェーデン語(原語)版の値段を見てみると、ハードカバー189クローナ(2060円)、電子版124クローナ(1350円)でした。ノルウェー版はスウェーデン版の倍くらい高いんですね! びっくり。

*********************
ノンフィクションのトップリスト、スウェーデンだとかなりミステリが並ぶのですが、ノルウェーだと普遍的な小説が多いのだな、というのが私の印象です。

(文責:羽根由
タイトル訳はすべて直訳です。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?