声優に外見はいらない『から』アイドル声優が生まれると思った話。

以下、声優について一ミリも詳しくない人間の想像。

■アイドル声優って?
声優とは、声を使ってアニメに音をつけたり、海外映画の吹き替えを行ったりする仕事だ。そんな声優のカテゴリーにひとつに近年(そこまで近年じゃない)生まれたものが「アイドル声優」。
アイドルアニメの声優が実際に舞台にあがって歌って踊る(アイドルマスター、ラブライブ!など)、人によってはアニメに関係なく個人でアイドルデビューしたりもする(これはアイドル声優というよりアイドルと兼業してる声優だが)。ラジオやイベントなど、キャラクターではなく声優としての露出が増えてきて現れた存在。
「声優に見た目いらんだろ!」
「キャラクターに混じっちゃうから顔出さないでほしい」
といった手厳しい意見もよくみかけられる。
しかし、声優に見た目はいらないのか?

■声だけあればいいから――――寿命
私は声優の、声優としての寿命は通常の俳優よりもはるかに長いと考える。世代交代が起こりにくい、といった方が適切かもしれない。
見た目が役につながる俳優では、若手女優は「若いヒロイン」を演じる。そしてある程度年を重ねるとその席を後続の若手に譲り自分は少し上の年齢の役をやるようになる。しかし、声優ではこれが起こりにくいと考える。
もちろん、声の若さを長年維持するのは声優達の日々の努力の成果だろう。しかし、声の年齢とは見た目の年齢よりも重なりにくいのではないだろうか?エヴァンゲリオンのヒロインのアスカや綾波の声優さんは何十年も14歳を演じ続けることができている。他にも例はたくさんあげられるだろう。
そうなると、必然的に「若いヒロイン」の席は埋まったままで何十年もたつ。その間、若手達は座れる席が無いのだ。声の若さが変わらないなら、演技のうまさという経験に直結するもので勝負は決することになる。明らかに若手に不利な世界なのである。
もちろん、「若い声優」を求める現場もあるだろう。素朴さを出したいとか、現実感を出したいとか。事務所側も経営存続のため、若い声優の育成には力を入れるだろう。しかし、それでもやはり上の世代に席を埋められたままである。もちろん、ベテランほど忙しく、また、ギャラも高いだろうし、安さ、スケジュールの空きなどで若手に仕事がまわってくることもあるだろう。ただ、正直私はこういうのはあまり好きではない。
起こっていることかも分からないことに好きではないというのもどうかと思うが、ここでいう「若い声優」は=で「未熟な声優」である。未熟だから仕事がもらえる。ギャラが安いから、スケジュールが合いやすいから雇う。こんなのは、あまりにもむごいのでは、と思ってしまう。仕方の無いことではあるが。

■アイドル声優の寿命
さて、外見が重要視されない声優という仕事。圧倒的にベテランが有利ではあるが、若手にはベテランが持っていないものがある。それが「見た目の」若さである。
そう、声だけの仕事であればベテランには勝てない。「若い声」なんてのはベテランがやっている。なら、「若い外見」で勝負すればいい。
アイドルアニメの役になりきってステージにたつ、そんなことが出きるのはまあ長くても二十年ぐらいだろう。だって、外見は年を取るから。だから、世代交代が起きる。ここが大きい。
アイドル声優の寿命は「短い」。だから、世代交代が起きる。空いた席が生まれる。それでも、短いスパンではない。しかし、「声優」より圧倒的に短い。もしかしたら、アイドル声優というより歌手との兼業をやる人もいるかもしれないが、そんなのは一部である。
とりあえず、アイドル声優になる。そこで十年ぐらい頑張る。そして、中堅だったり、ベテランだったりに近づいていく。固定ファンがつく。そうしたら、アイドル声優をやめて単に「声優」になればいいのだ。
外見が重要視されないことが逆説的に外見を重要にしているのでは?と思い、この点は面白いと感じた。

以上、何も調べずに散歩しながら適当に考えたアイドル声優の生まれ方。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?